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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第15章『ほほえみデンタル、広がる治療と変わらない想い』

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01.新たな治療の選択肢

レセプト請求が終わってから数日後。

真人と直樹は医療ギルドへ向かっていた。

今回の目的は、ほほえみデンタルで製作できるようになった補綴物について、サムに説明することだった。

直樹が作成した資料を持参し、それぞれの補綴物がどのような機能を持っているのかを伝える予定になっている。

真人は歩きながら、直樹に声をかけた。


「材料とか細かい内容は置いといて……。どういう機能の物かが伝わればいいかな~」


「まぁ、それだけでも十分かと思います」


真人も頷き、2人は会話をしながら医療ギルドへと向かった。

医療ギルドに到着すると、真人が中へ顔を出した。


「サムさんいますか~」


その声に気付いたサムが振り返る。

真人と直樹の姿を見つけると、すぐに声をかけてきた。


「お~~インチョーいらっしゃい。今日はどうした?」


「この間、大地君から入れ歯とかの話を軽く聞いたと思うんですけど……。資料ができたので説明に……」


サムは、あぁっと思い出した。

以前、大地とあすかが訪問診療の打ち合わせに来た際、入れ歯というものについて話を聞いていた。

歯が抜けたところに入れる、取り外しのできる人工的な歯。

大地からは、そのような説明を受けていた。


「なんか歯を作るとか言ってたな……」


「歯を作る………あながち間違いじゃないですけど……」


「ニュアンスがちょっと違うかな」


真人は苦笑いをしながら言った。

サムは真人と直樹を交互に見る。

2人の反応から、先ほどの自分の言い方が少し違っていたことは分かったが、具体的にどう違うのかまでは分からなかった。


「??……まあいい。ちょっと会議室で詳しく聞きたいから来てくれ」


サムは2人を手招きした。

真人と直樹はサムに案内され、会議室へ向かう。

会議室に到着すると、直樹は持ってきたカバンから紙を取り出した。

ほほえみデンタルで製作できる技工物について、簡単にまとめた資料だった。

直樹は取り出した資料を確認すると、会議室にいる者たちへ配っていく。


(多めに印刷しておいてよかった……)


会議室にはサム以外にも、何人かのギルド職員が集まっていた。

広報担当のリンや、マイク、ギルなどのお馴染みのメンバーもいる。

それ以外にも何人かの職員が席についており、それぞれ直樹から資料を受け取った。

サムも資料を受け取ると、さっそく載っている写真を眺め始めた。


「ほ~~……なんか、すごいな。まるで本物の歯みたいだ」


サムは資料に書かれているものを見て感心していた。

写真には、形の異なるいくつかの補綴物が載っている。

真人はサムたちが資料を見ているのを確認してから、説明を始めた。


「えっと、色々載せると大変なので抜粋はしているのですが………。うちで主に製作予定の物を載せてます」


マイクも資料に目を落としていた。

載っている写真を順番に確認しながら、それぞれの形を見比べている。


「色々あるんですね……」


マイクは資料に載っている写真を見て驚いていた。

真人は資料の上から順番に指を動かし、それぞれの名称を紹介していく。


「えっと、上からインレー、クラウン、ブリッジ、入れ歯の補綴物と呼ばれるものの写真になります」


「イン………??」


リンはメモを取っていた手を止め、聞き返した。

聞き慣れない言葉に、資料の写真をもう一度確認する。

ギルも真人の説明を聞きながら首を傾げていた。


「ほてつ????」


真人はギルの方を見る。

補綴物という言葉自体、まだ説明していなかった。

真人は少し考えてから、改めて説明を始める。


「えっと……補綴物とは。………虫歯や歯周病などで欠けたり失ったりした歯や……。うんと、その周囲の組織を補うために作製される人工物の総称……のことです」


真人は一つ一つ言葉を考えながら説明した。

資料には、歯の一部分を補うものや、歯そのものの形をしたものなどが載っている。

説明を聞いたサムは、それぞれの写真を改めて眺めた。


「へぇ……。すごいな」


サムは感心しながら頷いていた。

マイクも資料を見ていたが、それぞれの写真を見比べているうちに気になることがあった。

マイクは写真を指さして真人に尋ねた。


「それぞれ形が違うようですが……」


真人はマイクが指さした写真を見る。

インレー、クラウン、ブリッジ、入れ歯。

どれも補綴物と呼ばれるものだが、資料に載っている写真の形はそれぞれ異なっていた。

真人は資料の一番上に載っているインレーの写真を示す。


「じゃぁ、それぞれの特徴から簡単に。まず一番上のインレーから……。虫歯とか治療で歯を削ったりするんですけど、削ったままだとそこにまた食べ物が詰まったりするんですよね。そこからまた虫歯になったりすることもあるので……。そうなると、大変なので、その削ったところを埋めるために作る物になります」


真人は写真を示しながら説明した。

インレーは、虫歯などの治療で歯を削った部分を補うためのものだった。

直樹も真人の説明に続けて口を開く。


「詰め物と呼ばれていたりしますね」


マイクは頷きながら説明を聞いていた。

リンも一生懸命メモを取り、真人と直樹が話した内容を書き留めている。

サムは資料に目を落としながら、2人の話を聞いていた。

写真に載っているインレーを見ては真人へ目を向け、説明に耳を傾ける。

真人と直樹の説明を、サムは目を輝かせながら聞いていた。


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