↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
3章 封印とダンジョン
95/109

19話 決勝トーナメント

リクとハルは別々の場所で軽く昼食を取っていた。女子陣三人はどうしようか話し合い、彼らが道に迷って試合会場に戻れなくなる可能性が大いにあるため目を離すのは少し怖いので、二手に分かれ2人と合流した。同い歳の者に向かって面倒を見るという表現は少々首を傾げるが、それが一番ピッタリ来る言葉だった。


 リクの元にルカとマナが、ハルの元にナギが合流し、昼食を取っていた。

リク「2人から見てどっちの方が強いと思う?」

 中々難しい質問である。直近の大きな戦いであったハクガン戦ではどちらが上という印象はなく、更に遡り風城戦の戦績だけ見ると、ハルはナギとの協力技で風柱撃破&変魔三衆が一人トフムを倒すのに大きく貢献し、リクは魔物化した三銃士ベガを止める&風柱をしばらく一人で止め大きなダメージを与えていた。撃破はしていないもののリクがいなければ全滅だった事を考慮すると、風城でもほぼ互角と言っていいだろう。


ルカ「私は正直ハルだと思う。魔法の練度で言えばリクの方が上だと思っていたけど、さっきの試合でハルもこの短期間で岩魔法を成長させていた。あの岩の盾で私の評価は変わった。バフデバフに加えて魔法と剣で攻守のバランスがより良い方にいったと思う」

リク「それは俺も思った。しかもハルあんな風なのに、ちゃんと考えて来るんだよなぁ」

 

マナ「私はリクの方が強いと感じてた。リクの強みは単純な攻撃力と手数とスタミナだと思うな」

リク「俺の強みにスタミナ?」

 リクは興味津々でマナの話を聞く。

マナ「リクって体に負担を掛けるような火魔法や雷魔法の使い方をする割にはあんまり息が上がってないんだよね、戦闘中パワーアップが切れた事で負けが確定する訳じゃなく他の手で引き続き攻めれるっていうのが戦いの中で強いと思うの」

 

ルカ「確かに、そう言われるとリクもやっぱり強いから難しいね」

リク「ありがとう。普段隣で見てくれる仲間に教えて貰うのが一番だからさ!頑張るよ、ルカも試合控えてるのに話聞いてくれてありがとう!」

 リクは残っていたパンを一気に口に詰め込み、水で流して立ち上がってアップを始める。

 


ハル「リク相手だと、氷魔法ばらまいて機動力落とすこと出来なそうだしなぁ………」

ナギ「ハルの氷よりリクの火の方がまだ練度上だからな」

 ハルはじっくりとリクを倒す算段を立てている。ナギ戦の前も氷魔法をばら撒く戦法を試合前から思いついていた事で、試合中に心を読まれナギに作戦がバレるのを防いでいたのだった。

 

ハル「なんかみんな僕が作戦立てるの上手いとか色々言ってくれてるけどあんまり自覚ないんだよね。ナギの方が凄くない?さっきも竜巻とブーメランで挟み撃ちにしてきた時もさ、はやぶさのマントで竜巻守って剣でブーメラン撃ち落としてた横からナギにやられてただろうし。その後ブーメランと竜巻合わせたのだってマントで防げなくする為でしょ」

ナギ「しっかりバレてるんだな。そういう所だと思うぞ」

 ナギはハルに自分の攻め方がバレていたことにあまり悔しそうにしていない。

 ハルは残っていたパンを相変わらずゆっくりと食べ進めながら頭を回転させる。


 

 大長3グーも決勝トーナメントへと駒を進めていた。彼は第3試合に配置されており、次の試合に勝てばリクとハル勝った方と戦う事になる。グーのイチオシはハルだ。

 そして、ハルと試合で戦う事が出来れば望みが叶い、グリル村にいる猛者たちを一度に相手する計画をぼんやりと立てていたのだった。マスター二人に、能力の使えるサナス、リリス、その他強者大勢がいる場でも問題なく遊べると彼は読んでいた。

 

グー「(この村には土国全体の戦力8割ぐらいがいると思うからこれに余裕で対処できるんだったら、大長上位5体と闇柱とドクターいればオミクロン制圧できるかな。あーでも光マスター1人で大長上位と相手出来るかもしれないから光マスターをどうにかすればって感じかな)」


 ハル達は決して楽観的では無かったが、マスターや忍村や風城、水城にいたような強者達がいるから魔物達が攻めあぐねていると思っていた。しかし実際は、魔物軍は何かを待っているだけで本気で征服しようなどとはまだ思っていないだけであった。


――――――

ルカ「私もちょっと次の試合に向けて調整してくるね」

 と、跳躍してアップするリクと小さな口でもぐもぐしているマナに告げて手を振った後に歩き始める。

 

リク「ルカも緊張してる様子だな」

マナ「そりゃあそうだよ。ルカの魔法の練度をマスター並だと沢山の大人が認めて来た。能力も紋章も使わないマスターと相手できる、この機会こそがルカが望んでた事だもん」

リク「なるほどな、デバさんやフウルさんでさえ…」

マナ「えっと…」

リク「あ、ごめん雷マスターと風マスターの二人ね、あの二人でさえ全てのスキルなんて覚えてないって言ってたよ。だから努力をしてきたルカには勝ってほしいな」


――――――

 一時間の休憩を終え、決勝進出者と勝負の行方を見届けに来た大会参加者が集まっていた。リクやハルなど試合が控えた8人は再び岩の柱の上に乗った土マスターの前に並んでいる。

 

土マスター「大分観戦者減ったな。そうやって自分の出番が無くなったからって、強者の戦いから学ぼうとしないから雑魚のまんまなんだよ」


リク「(土マスター言うなぁ)」


土マスター「決勝トーナメントは一試合ずつ行う。じっくり観戦してくれ」

リリス「ここまで残った8人にはより期待しておる。楽しい試合を頼むぞ」

 決勝トーナメント出場者である内7人が右手を上げる。グーも隣に立つハルの真似をして遅れて右手を上げる。


土マスター「それでは早速、第一試合をとりおこなう。右が巨漢、町踏みのビター。左が麗しき雷使い ミント」


 次に試合を控えるルカは、試合空間すぐ近くの特別席に座りその試合を眺めていた。立方体の空間を挟んだ向こう側に岩マスターが背筋を伸ばして座っているのがうっすら見える。第一試合の内容は流石に良いものだったがルカは緊張と頭の中でのシミュレーションで全く頭に入って来ていなかった。

ルカ「こんなに緊張してるの久々かも」

 特別席から観客席を見下ろすと、リクとマナ、少し離れた所にハルとナギを見つける。皆試合に夢中である。


ルカ「あ…」

 リクが試合から目を離し、少し遠くにいるルカに応援のガッツポーズを送った。その後にマナの肩を叩きルカの方を指さし、目が合った所でマナもルカに手を振る。

ルカは反射的に手を振り返す。再び足の上に戻したスラッとした手はもう震えていない。

 

 リクとマナの元に一人の男性が近づき何やら話しているのが見える、遠目とはいえ見た事がない人なのは分かった。

ルカ「(誰だろう)」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。