6話 地震の原因
―――土国 フライ村―――
ナギ「治療師探しながら、薬の調達でいいんだな」
マナ「うん」
2人はルカからもらった紙幣入れを持ってフライ村を歩いていた。地震によって崩れた建物等はゆっくりと復興されていっている最中の様子だった。村の中心にいけば目当ての薬も売っていた。
マナ「姉さん、私たちの持っている財布を狙っている人が何人かいるみたい」
ナギ「チョップしてくるか?」
マナ「んーん。問題を起こしてこの村出禁にされたら困るから」
ナギ「あ、あぁ。いざとなったらだな」
警戒をしてる二人の後ろから子供が飛び出して一気に近づき、ナギのポケットから財布を抜いて飛び上がって屋根の上に上る。
子供「油断してるから悪いんだよ!このお金は正義の為に使うんだ!土マスターに献上するんだ」
マナが感知出来なかったことから悪意がなかった事がわかる。しかし超速の反応が可能なナギからそんな上手く物を奪える訳がなかった。
子供はそのまま逃げさろうとするが目の前から吹く風に乗せられ、ナギとマナの元へ運ばれる。
子供「くそ!離せ!」
座りながら手足をバタバタとさせ暴れる子供の目線に合わせるためにしゃがんで声をかける。
マナ「お金を正義に使うって何?」
子供「どうせ、旅人や商人からこのお金奪ったんだろ、女二人でこんな何も無い場所で稼げるわけが無い」
ナギ「ウチらは他国から来た。そのお金は仲間から預かっているものだ」
ナギは子供から財布を取り返す。
子供「……お金を集めないと僕たちの村が崩壊しちゃうだ。さっきもまた地震が起きた!次いつ大きい地震が来るか分からない。時間がないんだ」
マナが先程感知していた隠れていた大人がぞろぞろと出てきて三人を囲む。
ナギ「風魔法で無力化するか?」
マナ「悪意は感じられない。話を聞いてみよう」
マナ「私達は道中魔物に襲われて、傷ついた仲間を治療するためにこの村に寄りました。この子の目的と貴方達が財布を狙う理由は同じですか?」
村人「同じだ。僕らもこの村を守る為に金が必要なんだ」
ナギ「じゃあ、この村に治療師はいないか?仲間を回復して貰ったらお礼を支払う」
マナ「払えるお金はあります。どうか仲間を助けてください」
村長「わかりました。私がフライ村の村長です。ついてきてください」
囲んできていた大人は村長とマナとナギに道を開ける。
子供 「待て!!回復だけしてもらって逃げるつもりだろ!皆そうだった。立場の悪い僕らを騙して!そうやって貧しい村がどんどん貧しくなるんだ!」
村長「あの子は我々の環境が生んでしまった子です。私はそういった子達が笑顔になれるならどんな手段も使うつもりです」
ナギ「(これは悪意というより、覚悟って感じだな)」
村長とマナとナギは村の中心へと向かっていく。
子供「どうして皆でお金を奪わないんだよ!女二人だよ!皆でかかれば行けたはずだ」
村人「人の道は踏み外してはいけない。それに陰から狙う我々に気づいていた。お前も拘束されるなんて初めてだろう」
子供「人の道?僕らは人間に騙されたんだよ!魔物じゃない。人間にだ。この村の戦士達も皆稼ぎに他の村に出払ったけど帰って来ないじゃないか、フライ村を裏切ったんだ」
村人「たしか、お前の父親も戦士だったな。親の事も信じられないのか?」
子供「……。あぁ。そうだよ!あんな…あんなやつ」
村長「この村にはもう、1人しか治療師がいません。交渉は彼女とおこなってください」
村長は薬屋の前まで二人を案内し、その場を去ろうとする。道中で村長を言葉をかわしている中で気になる事があり、それをマナはそれを問いた。
マナ「土マスターへのお金の献上とは何ですか?」
村長「地震によって多くの建物が崩れ始めて暮らしが厳しくなり始めた頃、土マスターは土国の各地に現れ献上金を払えた家だけ土魔法で建て直し補強をしていきました。そしてその後多額の献上金を請求してこう言いました。3万BS支払えば建物を補強する。10万BS支払えば建物を建て直す。そして、5000万BS支払えば土柱を討伐しに行くと」
ナギ「え……」
村長「他の国からいらっしゃったのであれば、ご存知無いかと思いますが、一年前この国に突如大地震が起きました。この国の建造物は耐久性に優れていると自負しておりましたが無念にも崩壊しました。そしてその数ヶ月後原因を岩マスターが原因を突き止めました。中心都市ソテイの地下に迷路の様な物ができており、その中心には土柱がいたのです」
マナ「それで、5000万BS払えば討伐しに行くと土マスターは言った訳ですね」
ナギ「では、岩マスターに復興と柱の討伐を頼むのはどうですか?岩魔法でもどうにかは出来ると思います」
村長「それも考えましたが、岩マスターは土マスターの言うことしか聞かないようなのです。なので、頼んだ村もあったそうですが断られました」
マナ「今マスターはどこに?」
村長「おそらく、グリル村か中心都市にいるでしょう」
村長の表情はずっと暗いままである。
村長「着きました。この薬局ですね。私はそろそろ失礼します。復興作業がございますので」
マナ「案内ありがとうございます」
村長は無表情で少し会釈をして去っていく。
ナギ「土国は結構大変そうだな。とにかく柱を早く倒した方がよさそうだ」
マナ「そうだね。風国みたいにマスターに手助けして貰えるとは思わない方がいいね」
ナギ「ああ。よし、入るか」
ナギが薬屋のドアを開けたと同時に、ゴーグルと白衣を纏った小柄な少女が飛び出してくる。その少女をナギが風で受け止める。
ナギ「大丈夫か?」
少女「あら、お客さんですか?いらっしゃいませ!うちは代々伝わる有名な!あの!ドリーム薬局です!」
ナギとマナは顔を見合わせる。
少女「あれ、聞こえなかったかな。うちは有名な!」
ナギ「大丈夫だ。ちゃんと聞こえていた」
少女「うちは人気だからね!というか、降ろして貰えないかしら!」
ナギは風のクッションを解除する。
少女「私はマロンカ、さ!入って!!有名な!あの!ドリーム薬局に!」
マナ「(大丈夫かなぁ)」
リク「二人とも大丈夫かな」
ハル「迷ってないといいけど」
ルカ「リクとハルは、その方向音痴ネタでツッコミを待ってるの?」
リク「ま、ま、まさかな?」
ハル「あ、ありえないな」
ルカ「(当てられたの恥ずかしそうだし、言わない方がよかったかな。)こんなわかりやすい人いるんだ」
リク「違うし、あえてわかりやすい反応してるの。その方が楽しくなりそうだし」
ルカ「ふふっ。何それ」




