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ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
3章 封印とダンジョン
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4話 新たな力

ハル「僕が風城で戦った奴も、ルカが戦った奴も物凄くタフだった。オーバーキルする勢いで行こう」

リク「了解!」

 

ハクガン「いくら迫ってきても全て跳ね返してやろうじゃないか。来い小僧ども」

リク「(俺は正直この老人より闇柱を倒したい。でもここを放り出す事はできない…だから早く倒す。この憎しみを怒りを力に変えるんだ。俺は変わったよ、師匠)」

 

 リクの適当に放出されていた電撃がとまる。そしてリクの体内の電気信号を促進すると同時にリクの手足の周りに雷魔法が纏われる。そしてリクの手には雷魔法で作られたナイフが創成されている。さらにそれだけではない、体内から火魔法を焚き上げて体温を上げていく。先日風柱に使った技だ。

 

ハル「(リクが変わった。僕も負けてられないな。体内の氷属性をもっと感じるんだ。冷やせ冷やせ冷やせ。いざとなったらリクに解凍して貰えばいいさ。今勝つことを優先するんだ)」

 ハルの握る剣が凍てついていく。

 

ハクガン「(こやつら何か魔法の感覚を掴んだか?)」

 ハクガンは手に炎を纏う。少し間合いを取った状態でも熱を感じてしまうが、リクの火耐性とハルの氷を纏った剣が二人を守る。

リク「火雷瞬走」

ハル「アイシクルブレード!」

 

 リクが一瞬でハクガンの目の前に現れ、ハクガンの首を横から蹴るが、足を捕まれ地面に叩きつけられる。しかしリクの反応も速く、咄嗟に受身を取って手で地面を思い切り押しはねて変則的な跳び蹴りでハクガンの構えを崩す。そのタイミングを見切り、ハルが一閃。ハクガンの胸を横一文字に斬る。

 

ハクガン「さらに楽しませてくれるとはのう。炎飛燕流 連天翔脚」

 少し飛び上がったハクガンは回転し、リクとハルを蹴り飛ばす。

 

ハクガン「骨が折れていながらよくここまで戦ったことを褒めてやるぞ剣士。名は?」

ハル「ハル」

ハクガン「そうか、ハル死にゆけ。 地落とし!」

 

 先程の蹴りでダウンしていたハルの頭上からハクガンの踵が落ちてくる、今のハルのダメージを考えればこれを直撃で受ければ命に関わる。リクも援護には間に合わない。

ハル「土壇場こそ人を強くする」


 

マナ「姉さん、なんで止めるの」

ナギ「ハルが、援護は少し待ってくれってこっちに思っているから」

マナ「でも、やられちゃうよ」

ナギ「ハルを信じよう」


 

リク「ハル!!」

ハル「見ててよ。リク」

 ハルは剣を頭上に構えて、ハクガンの踵落としをうける。しかしハルの剣の表面には氷属性とは違う属性が纏われている。

 

ハクガン「これは…」

 ハルの剣は岩を纏っていた。そしてハクガンの蹴りを止めていた。

 

 【ハル 岩属性開花】

 

ハル「これが、僕のもう一つの力か」

 ハルは後ろに回転しながら距離をとるハクガンを捉え、岩を纏った剣をそのままハクガンの顔の横から当て吹き飛ばす。

ハクガン「(まるでハンマーじゃないか)」

 ハクガンが飛んだ先にはリクが待っている。

 

リク「へへっ。やるじゃんか。自力で開花させるなんて、さすがハルだ!」

 リクは飛び上がる。

リク「(逆にこっちが決めてやる。)雷地落とし!」

 

 ハクガンは両手でガードを試みるが、リクの速さがそれを上回る。ハクガンに踵が直撃した後リクのつま先から踵へ向け電撃が流れ、そのままハクガンに追撃として落雷が放たれる。これは先日ベガが使っていた技に似ていた。

 

ハクガン「(くそ。結構喰らってしまってもうたわい。もうあの速さの蹴りとハンマーをガードする力は無いかもしれないのう。あの反応だと土壇場でダブルヒューとして覚醒した…となれば練度は低い筈だな)」

 

 地面に叩きつけられたハクガンに、ハルが叩き潰す勢いで飛びかかる。ハクガンは立ち上がりハルの剣を止めようと手を伸ばすが、ガードに失敗し肩の上から叩きつけられる。

ハクガン「(まさか。闇柱あやつ。)まだまだ!百花繚乱!!」

 ハルを連続の蹴りで圧倒する。

 

ハル「冷共鳴!」

 何発か蹴りを喰らいながらも、氷魔法を体から無造作に放ちハクガンの動きを鈍らせていく。

 

ハクガン「(わしのガードが『封印』されたわい。あやつ敵味方関係なしとはのう。徹底的に攻めるしかないのう。)炎上鬼化」

ハル「あっつ」

 

 ハクガンの体が燃え上がっている。水魔法による温度調整を完全に切ったのであった。しかしこれは暴走ではない。この形態はハクガンが人間の頃の炎飛燕流の奥義の一つであった。

 

 ハクガンの手がハルの首に伸びていく。剣をいくら当ててもハクガンの体勢は崩れない。

リク「待て!」

 ハクガンの後ろから両足でハクガンの首を挟む。

リク「(熱い、なんて熱量だ。)地面に埋まれ!」

 

 リクは両足でハクガンの首を挟んだまま、空中で前転しハクガンの体を少し浮かす。しかし完全に足が地面から離れる前にハルの首に指先が触れ、ハルの肌が赤紫色に染まる。

リク「ハル逃げろ!」

ハル「(だめだ…もう逃げられない)」

 ハルの足は逃走という行動の封印により後退を拒む。


 ハルの目の前を光り輝く矢が通りハクガンの燃える掌を横から貫き、矢は風に乗り上向きへと方向転換し上昇する。風を纏ったことでハクガンの体は浮く。

 

リク「サポートのタイミング完璧すぎるぜ。必殺 炎飛燕流!地天進凱」

 ハクガンの体は宙を舞い、地面に叩きつけられる。

 

ハクガン「見事じゃ」

 ハクガンは大の字に倒れたまま動かない。

ハクガン「わしが産んだ炎飛燕流は確実に受け継がれ、受け継がれる程に強さを増していた様じゃな。わしに罪はあっても武道に罪はない。これからもどうか励んでほしい」

 

 消えていくハクガンにリクは一礼する。

ハル「まずは一体(闇柱も倒さなきゃ。)あ」

 ハルは倒れる。そしてリクも魔法を使いすぎた反動で座り込みそうになる、が根性で踏ん張る。そして闇柱を睨みつけている。


闇柱「様々な行動を『封印』されながらよくあの老人を倒せたな」

ナギ「封印とはなんだ?」

 

闇柱「少しでもこの行動はできない、通じないと思った瞬間、完全にその行動が使えなくなる能力だ。俺の近くにいる限り解放される事はない。選択肢を頭で浮かべ戦闘中に無意識に思考を展開する者ほど選択肢を奪われていくのだ。さらに仲間同士でも封印をさせ合せる事であっという間に何も出来なくなる」

 

ハル「(やっぱりか。ネタが分かってもさっき、燃えながら迫られている時逃げられないと考えてしまって足が動かなくなった)」

 

ナギ「(多分ハルがウチのスピードじゃ闇柱には敵わないと考えてスピードが奪われ、それを受けてこれじゃ斬ることができないとウチが思ったせいで剣で斬れなくなってしまったのか)」

 

闇柱「試練は与えた。光の僧侶よ、お前の治魔法はこの国の柱を倒す事で取り戻す事ができるだろう」

ナギ「離れたら解放されると言ったのは嘘か?」

 

闇柱「その僧侶には、オート封印ではなく、口術封印をした。色々と発動条件があるが成功し試練を与えることができた。さらばだ」

リ マ「待て!!」

 

 リクが放ったナイフと、マナが放った矢に当たる直前闇柱は手から闇を出し夜の闇に溶け込み姿が消えた。

闇柱「闇に染まりし光国でお前たちを待とう」

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