49話 次の目的地
王「ほう。ブーメランか」
カストル「双剣士の貴方に向いてるのでしょうか」
王「そのブーメランは風魔法の纏い効果を向上させるものだ。さらに、風魔法の使い手ならば、手を使わず魔法で放つ事ができる」
ナギ「もう一手増やせることの単純な強化と、先にブーメランを放ち、相手に躱すか受けるか撃ち落とすかの選択肢を迫っている間に自分が近づくきっかけにもなるかと考えています」
カストル「そのような考えの元でしたら、ピッタリだと思います」
リク「ナギも遠距離タイプデビューか?」
ナギ「おう。これから教えてくれ」
リク「おう!たまに貸してくれ」
ハル「国宝に加え全員に装備までいただきありがとうございました。10日ほどこの城に滞在させていただいた事も感謝しています」
王「本日中に出ていくのか?」
ハル「はい。忍村の事も心配ですので」
カストル「ここからまた、二日ほどかけて忍村へ?」
ハル「先に戻ったワカさんとシノブが双子玉というアイテムの片方を持っていますので、そちらを使って帰ります。その戻るタイミングの約束が今日の夕方ですので」
アルタ「なるほど。ではこの国を出た後での次の目的地はどちらにするのですか?」
ハル「土国にしようと思います。僕は土と氷のダブルヒューだと思いますので土属性を開花させに行くのと同時に柱を倒しに向かいます」
リク「また、先程カストルさんも仰っていたように土国では鉱石や秘石が取れるので土国からそれを持って帰り自分の育った火国の町に戻って腕利きの職人に、僕らの武器をランクアップしてもらう予定です」
アルタ「柱の強さ順的にも良いですね」
王「5人の旅の幸運を祈っている。さぁ最後の宴にしよう。カストル準備は?」
カストル「滞りなく、いつでも始められます」
~~~1階 大ホール~~~
リク「ナギこれ食べたか?めっちゃ美味しいぞ」
手に持った肉の串焼きを、ナギに渡す。
ナギ「ん?あぁ。ほっぺ落ちるかと思った。ていうか、立食の宴なんて初めてなんだが…」
リク「俺もだ、ついこの前まで砂漠で干からびそうになっていたのにさ」
ナギ「それは、リクとハルの準備不足だな」
リク「俺らも頑張って抜け出したんだぞ!」
リクとナギは笑い合う。
ハル「ベガさんはどちらに?」
アルタ「ベガは今、この城を離れた所で雷の騎士団半分を連れて魔物退治に向かっている。魔物の体は人間より丈夫で数日眠らなくても動き回れるそうだ」
ハル「兵の皆さんはあの姿を受け入れられていましたか?」
アルタ「連れていった半分は、受け入れることができたのが半数だったということだ。雷の騎士団第一部隊がベガ側で、第二部隊をベガの一番の部下であるオボシが統率することになった」
マナ「普段はあんまりしみじみと感じることないけど、こういった場だとやっぱりルカってお姫様って感じる」
ルカ「え、私普段おてんばすぎる?」
マナ「んーん。ドレスがとても似合うって意味。意外と戦闘好きな所はちょっとね?」
ルカ「私は前に立って守る王になるの」
王「私はルカちゃんのそういう好きだぞ」
風城での最後の昼食を終え、ハル達は風城を後にする。
王「本当にありがとう!!いつでも遊びにきてくれ!」
アケビは双子玉に捕まる5人を見上げ手を振る。
アルタ「ハル殿、次会う時はまた剣を交えましょう!」
兵達「ありがとうございました!!」
5人は笑顔でてを振り返し、双子玉を中心に宙へと浮いていく。
ハル「ねぇ。こんなに速いの?」
リク「あぁ」
ナギ「(酔いそう)」
ルカ「もう、迷いの森見えたよ!」
マナ「着地大丈夫だよね?」
5人は霧を抜け忍村に突っ込む。
シノブ「ワカ先生来ました」
ワカは手に持つ双子玉をハルの方に向かって投げる。二つの玉が触れたと同時に動きは止まり落下していく。
シノブ「花忍法 花びら跳」
5人の着地はシノブが担当しており、地面に花のトランポリンを展開する。5人がトランポリンに着地したと同時に5人の周りに花びらが舞う。
リク「ううぉお!」
マナ「きれーい」
村長「よく戻ってきた。そしてよく風国を守ってくれた」
リク「はい!あ、でも大長6が来たと言ってましたが大丈夫ですか?」
リクは辺りを見渡し、一度目の襲撃時の村の惨状よりも酷くなっていないのを確認する。
風マスター「マスター2人いるとは思って無かったみたいだね」
雷マスター「お前たちよくやったな!リク、雷纏いは上手く出来たか?」
リク「雷の力で今回の戦いを乗り越える事ができました」
マナ「あ、フーアさん。双子玉ありがとうございました」
フーア「それは持っておいき。お主らは強い、魔物達も積極的に分断を狙ってくるじゃろう。そういった状況でも助けになるかもしれぬ」
マナ「あ、ありがとうございます!(今日は色んなもの頂いちゃったな)」
シイナ「おぉ、帰ってきたか。柱を倒すとは本当に君たちはすごいな」
村の広場の近くを丸太を担いだシイナが通る。
カーア「勇者様次の目的地は土国ですね」
ハル「はい」
カーア「でしたら、私の孫にあたるドーアという者を尋ねてみてくだされ、彼は少し難ありの性格ですが必ずや力となるでしょう」
ハル「分かりました!」
シノブ「今日は泊まっていくの?」
ハル「んー」
シイナ「もう日も落ちて来た。今日は泊まっていくといい」
~~~宿場~~~
ハル「なんかすごい昔に感じるなぁ」
ルカ「もう半月ぐらいたったかな?」
マナ「あの日から、私達は強くなった。次は目の前の人達を救おう」
リク「そうだな。折角良い装備も貰ったんだ。使いこなしてまたパワーアップしようぜ」
~~~マハナギシノ班秘密基地~~~
シノブ「今日はマハナの誕生日だね」
ナギ「あぁ。実はマハナってウチらより歳一つ上なの知ってたか?」
シノブ「えぇ!!なんでマハナ教えてくれなかったの?ねぇ!んーでも敬語とか使われるの嫌そうだもんね。納得」
シノブはマハナがよく付けていたペンダントがかけられた自分たちで作ったマハナの墓に話しかける。墓の前にはマハナが生前の好物であったシソジュースが置いてある。
シノブ「マハナがもし生きていたら三人で任務こなしてたのかな」
ナギ「そうかもな。まぁウチらならすぐ解決できそうだな」
~~~タケル武具屋~~~
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風柱「忍村にとんでもない犯罪者がいると聞いたがお前の事か?」
ワカ 「……」
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ワカ「お前のやった事を柱は知っていた」
タケル「じゃあ、どこから伝わったんだろうな」
ワカ「風柱だ。知っていてもおかしくないさ。きっとお前の罪はナギが捌いてくれるさ」
タケル「どんな罰でも受けるよ」
夜空の三日月が愚かな男を笑ったように見えた。




