38話残る三銃士
ハル「(嘘だろ)」
ハルの胸から鎌が引き抜かれ大量の血を流しながら倒れる。
また僕は倒れたまま、戦いが全て終わっていくのを感じるだけなのか。まだ何にも役にたってない。城内には大長落ち3体に柱、対するはルカとシノブとマナと一応デネブさん。そして、王とその側近の方が主な戦力。ルカがあの変身の魔物を撃破して、変換の魔物を魔法攻撃を主な戦闘方法としないシノブとマナに止めてもらって、風柱は、デネブさんと側近の方に止めてもらってリクとナギの到着を待つのが理想かな。でも中長も変装もどこかにいるはずだ。手が足りない、やっぱり倒れてる場合じゃない。
理想は、アルタとハルが戦線復帰することである。ハルは理想と現実を同時に見積もった作戦の組み方をするので、今のハルの頭に自分とアルタの復活をいれていないのだった。
倒れて間もないハルの元に、癒しの手が差し伸べられる。
マナ「今治すからがんばって。意識をはっきり持ってハル」
マナはハルに片手を当て治療を始める。
ハル「なんで、ここにゲフッ。(本物のマナか?)」
マナ「喋らないで、結構危ない状態だから」
マナは右手でハルを回復させながら、左手でアルタを治療している。
アルタ「頼む。もう一度僕に戦う力をくれ」
マナ「はい。私が必ず治してみせます。(今のこの精神状態のアルタさんに、ベガさんの事は言わないでおこう)」
マナは城の前に魔物を感知しなかったので、怪我人がいないか見に来たところ、アルタとハルが地に伏していたのであった。
―――城内―――
風柱は城を見回しながらメインホールを歩いていた。
風柱「(王の間はどこだ。大長落ち共は任務をこなしたのか。)ん?」
風柱の正面から屈強な剣士が現れる。三銃士が一人デネブである。
風柱「次の時間稼ぎはお前か」
デネブ「ここで倒す。岩抉剣」
デネブは巨大な剣を背中の鞘から引き抜き構える。
バート「アハハハ、君の速度じゃトフムには追いつけなかったね」
ルカ「(しつこい)」
バート「変換[コン]!氷連網!」
ルカ「踊水[ダンス]」
ルカは足に水を纏って機動力を上げて、バートの氷山を使い串刺しを狙った広範囲の攻撃をかわす。
ルカ「(こっちの水も変換されるから、有効なダメージを与えられない。)水砲[ボーン]」
ルカはここに来てスピード重視の遠距離魔法を試してみたのだった。バートの変換はギリギリ間に合い火属性にしていた。
ルカ「(火に変えられちゃったけど、当たった。自身が火属性だから耐性ある属性にして受けるって訳ね)」
ルカはバートから逃げないで戦う事を決め、足を止めバートの方を見る。
バート「まさか、今ので能力を破ったとでも思ってる?そんな甘くないよ」
ルカ「自分の力が大長に近い実力をもっていて相性の悪い能力をもつ相手に勝てるか試したくなっただけ」
バート「自分の強さに自信を持ってるんだね。最高だよ。へし折りたくなる、その心!まさに芸術品だ」
―――医務室に繋がる廊下―――
マナと離れ離れになったシノブの元にトフムが現れて戦闘が始まっていた。
シノブ「ハァハァ。(このスピードでパワーも高い。こいつがメルムの言ってたトフムという魔物か)」
トフムは軽く跳躍し、一気にシノブに飛びかかりドロップキックを当てる。
シノブ「向日葵の盾」
盾ごとシノブは蹴り飛ばされ、壁に衝突する。
シノブ「(盾をだしてなかったら、気を失ってた。こんなに強くて柱や大長以下?どうやって勝てば)」
シノブはタケルの店の忍具を袖の中から取り出す。
シノブ「(まずは機動力を落とさないと勝ち目ないな。)雷纏い。私とマハナの得意分野を混ぜた、雷花忍法見せてあげる」
―――城外―――
リク「(属性相性のおかげで上手くやり過ごせてるだけで、パワーや剣術は相当強い)」
ベガ「華やかな僕のデビュー戦を邪魔しないでよ」
リク「こっちのセリフだ!今すぐ仲間を助けに行きたいのにこんな所で足止めして」
ベガ「足止め?まるで僕に負ける気が無いみたいじゃないか」
リク「その解釈で合ってる。火速[アクセル]雷纏い」
リクの速さは2段階上昇している。単純な移動力に火魔法を使い、体を扱うスピードを雷属性で上昇させているが、このパワーアップの同時発動は数秒しか使えない。
リク「(慣れ親しんだこの技で。)華核拳!」
リクはベガの腹に速く重い一撃を入れる。
ベガ「カハッ!?(この力はなんだ)」
技を決めたリクにベガの回し蹴りが入る。リクの最高速を出している状態でも反応できないスピードで蹴り飛ばされた。その蹴りは先程リクがベガに使ったものと全く同じ体勢だった。
リクは地面に背中から落下しそのまま地面を擦れていき、仰向きのまま止まる。
リク「俺の技がコピーされた?」
ベガ「降下雷獣爪」
倒れているリクの腹目掛け飛びかかって剣を刺しに来る。リクは咄嗟に両手にナイフを持ち剣を防ごうとするが、上から押さえつけるように刺す力を押し返せない。
リク「(このままじゃ貫かれる)」
~~~火国炎飛燕流道場~~~
師匠「強敵を戦っていけば、剣士とやる機会もあるだろう。斬りつけには側面から一撃いれて砕く!突き刺しはどうする?」
リク「側面から一撃いれて砕く!」
師匠「突きは一直線でリクの体へ向けて迫ってくる、基本的にそんな余裕はない」
師匠は短髪の若い女性である。稽古の様子を横目にメガネを掛けた別の女性は内心で、振り始められた剣を側面から砕くことも充分超人の域だなと思いながら、茶をすすっていた。
兄弟子「流して反撃の一撃をいれます」
師匠「そうだ!その時に使うのは体の回転だ。身を捩る技術は回避だけでなく、攻撃力の上昇にも応用できる。忘れるんじゃないぞ!よし休憩!飯だ!」
~~~現在~~~
リク「(ただ身を捩れば違う所に刺さるだけ。雷を纏ったスピードに火を噴出して!)雷纏 火李天[ロール]」
火を噴出した勢いと雷を纏ったスピードを上げることで地面を高速回転しながら手のナイフでベガの剣先を挟みずらして脱出する。
リク「危なかった。師匠…。必ず帰ります」
ベガが地面に刺さった剣を抜いている隙に地面に手をつきベガの顔に蹴り技を放つ。
リク「火纏 蹴り上げ[ヒートキック]」
ベガは右手で剣を抜きながら左手でリクの蹴りを止めている。
ベガ「君は紋章と能力を使ってない僕と互角ってかんじだね」
リクは既に忍村での修行の成果の技も惜しみなくつかっていた、そしてまだ慣れておらず時間制限のある雷纏が解かれてしまう。
リク「これはちょっとまずいな」
リクはピンチな状況に少し口元をゆるめる。




