32話30分
―――城内 地下通路―――
アルタと兵そしてハルの背後には崩れ落ちた瓦礫があり、奥にはデネブがいる筈である。そして、アルタ達の目の前に新たに瓦礫が降ってきていた。
ハル「(この土の感じ、忍村で見たものと一緒だ)」
アルタ「みんな1歩下がってくれ」
アルタは思い切り踏み込み、両手で愛剣を構える。
アルタ「星天煌斬[スーパーノヴァ]」
その一振りはハルの目にしたことのある剣技の中でも飛び抜けて一番の威力であった。鍛え上げられてるとはいえ華奢なアルタから放たれてるとは思えないその斬撃は瓦礫を吹き飛ばし消し去る。
ハル「(一振りで全部塵に)」
アルタ「デネブ側の瓦礫も無くせればいいが既に埋まってるとなると難しいか」
デネブを閉じ込める瓦礫の撤去は風魔法の使える兵達に任せて、自身らは前線へと向かう。
―――城内 第二迎撃部隊―――
兵「アルタ様も戻られぬ内に塀の扉が破られてしまった」
ルカ「隊長さん。城の扉も開けて私たちもワカさん達の助けに出ますか?それとも閉め切りますか?」
隊長「ケガ人が多い、医療班が中に入れるようにしたいが、しかし…」
そう話してる内に扉に亀裂が入る。
隊長「第二迎撃部隊、メインの扉は閉め切りにしてサイドの扉から出るぞ!」
城の作りとしては正面に大きな入り口が存在しており、その両脇には外からは分からない隠しの扉があった。
ルカを含め第二迎撃部隊は両脇の扉から次々と外へ出ていく。同時に魔物も次々と塀の内側へと入ってくる。
―――最後方班―――
マナ「あれ?双子玉反応しない」
シノブ「これもしかして充電切れなんじゃ。多分雷魔法を元にして片方の玉を呼ぶアイテムなんだ」
マナ「じゃあ、リクとナギは間に合わないって事?」
シノブ「いや、私が充電するよ」
シノブは双子玉に雷魔法を送り、顔をしかめる。
シノブ「このペースだと30分はかかるかも…」
マナ「シノブのMPは大丈夫?」
シノブ「これに送り込んだら残り3分の1ってぐらいだと思う」
2人がいるのは4階の通路である。怪我人を運びながら治療可能で、医務室の本元を敵襲から防げる位置でもあった。
マナ「30分か。私が守るからお願いしてもいい?」
シノブ「もちろん。あの二人が強くなった所も見たいしね」
―――忍村―――
リクとナギは2人で組手をしていた。リクは火魔法を禁止して、ナギは双剣を禁止にしていた。格闘技術はリクの方が上だが、ナギはスピードを生かし引けを取らないで戦っていた。
シイナ「2人共、風城襲撃が始まった」
2人は急に現れたシイナの方を見るが、振り切った拳は止まらない。しかしノールックでお互いの拳をかわす。
シイナ「修行は順調のようだな。襲撃が一日早まったみたいだ、今シノブが双子玉を充電しているそうだ、あと30分もすれば呼ばれるだろう。準備をしてくれ」
ナギ「城は大丈夫ですか?」
シイナ「今の所状況はよいとは言えないが、今にも三銃士最強のアルタ殿とハルが戦線に加わるみたいだ」
リクとナギは顔を見合わせる。
リク「ハルなら大丈夫だ」
ナギ「マナとルカ、先生とシノブもいるしな。ウチらは万全の準備をしよう」
雷マスターは驚いた表情をした後に顔をしかめる。
雷マスター「雷感覚[ライセンス]、チッこの忙しい時にやっぱりきやがった」
風マスター「どうしたのデバ」
雷マスター「大長6のおでましだ」
シイナ「そうか…迎え撃つ準備はできています。アズサ様不在の忍長として心してかかります」
風マスター「僕らが出るから、リクとナギは城の方に集中して」
マスター2人とシイナは消える。
リク「やっぱり城と忍村を同時に攻め込む作戦だったんだな」
ナギ「マスター達なら大丈夫だ。ウチ程度の実力でツトガと戦えてたんだ。あの3人がいればきっと」
―――風城外―――
バート「アハハハ、やっぱ城はいいねぇ次々と活きのいいカモがでてきてくれる」
トフム「こいつらノー成果」
第二迎撃部隊は多くの魔物を討ち取るが、逆に多くの者が大長落ちの2人に倒されてしまっていた。
中長「こっちは手筈通りにするから、あんた達頼んだよ」
バート「全て任せてよ」
中長は正面玄関から城壁にそって迂回していく。
風柱「忍とは本当にしぶといな」
ワカ「彼らが来るまでここを持たせるのが僕の役割ですから」
ワカは傷だらけになりながらも風柱を止めている。
ベガ「そうだね。僕も戦果を上げなきゃ2人に置いてかれっぱなしになっちゃうんだ。その首もらうよ」
ベガも重症ながらに立ち上がる。
ベガ「雷の騎士団、団長ベガ参る。雷獣一閃」
ベガの剣先が伸びたように、剣の軌道上に雷が走り一振りで魔物を約25体倒す。トフムも太い腕で雷を防御するがダメージを負う。
ワカ「さすが三銃士、忍村の先生として負けてられませんね。風分身!ハリケーンの術!」
3人のワカから放たれる風は、大量の魔物を吹き飛ばし塀にたたきつけ、あまりの勢いに扉から塀の外まで飛ばされた者もいた。油断していたバートも塀にたたきつけられる。
風柱「(大長落ちは、やはり俺達には劣るな。)その扉破らせてもらう」
巨大な鎌を振りかぶる。
風柱「大喰い かまいたち」
ワカ ベガ「まずい!」
その巨大な斬撃は扉へ向け直進する。
ルカ「必殺 追天水壁[リ・リアガード]」
ルカの出した巨大な水の壁はかまいたちに負け2つに分けられるが巨大な壁を次々と出し防ぎきる。
風柱「この技を止めるか」
風柱の左右から、ベガとワカが斬り掛かる。
風柱「螺旋 かまいたち」
再び2本の鎌に分け、回転しながらかまいたちを放つ。その早業をワカとベガは見切り、飛び上がりかわす。
ワカ「(この反応と動きの速さを超えるには、裏をかくしかない。)ハリケーンの術」
ワカの風は柱ではなくベガの背中に当たる。そしてワカは魔法の使いすぎで地面に膝をつける。
ベガ「(最高の追い風だ。)雷刺一閃!」
風柱の肩を貫く。心臓を狙ったが柱の反応の速さで肩へとずらされていた。
ルカ「(当たった)」
バート「ちょっとさ調子乗りすぎなんじゃない?炎連網」
先刻まで塀に叩きつられていとバートが扉へ向け魔法を放つ。
ルカ「(また雷になる?)」
炎の波は岩へと変化する。炎の波が通ったところの草は当然のように燃えて焦げている。
バート「さぁ、オープン」
ルカは水魔法で岩を止めようとするが、2人の剣士が岩を砕く。
ルカ「ハル!」
ハルとアルタがルカの前に立ち塞がり、岩を砕いていた。
バート「また、邪魔しちゃってさー。くどいんだよ」
風柱「夜嵐 かまいたち」
アルタとハルの登場で希望を見出した兵士達の顔が曇る。アルタとハルとルカ以外の兵が大量の斬り傷を付けられ倒れる。
バート「アハハハ、最高だよ。阿鼻叫喚だぁ」
トフム「柱大成果」




