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ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
2章 忍びの村と雷の目覚め
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31話風柱ジガワ

―――風城 地下通路―――

アルタ「それは、僕じゃない。くっ…既に魔物に入られているぞ」

ハル「おそらく、変装の魔物ですね」 

兵「でも、一体何処から?」

 兵達はハルの方を見る。

 

ハル「(僕ら5人の中に既にあの魔物がいたのか?でも、モチ村でルカの水魔法とマナの光魔法をこの目で見ている)」

兵「デネブ様が手招きしたという可能性は?」

アルタ「ゼロではないがありえない」

 

兵「モチ村にも能力を持った魔物がいました、サクラ村でデネブ様が能力にかけられた可能性もあります」

アルタ「では、仮に変装の魔物が来ていたとしてなぜ僕に成りすましたその魔物はデネブを拘束した?むしろデネブは白で戦力を減らす為にその魔物が埋めたと予想するよ」

ハル「自分もそう思います」

アルタ「デネブを助けよう」

 彼らのいる地下に警鐘が鳴り響く。

アルタ「こんな時に…これも相手の作戦か。敵襲だ」

ハル「聞いていたよりも早いですね」

 その警鐘は風柱達が城へ向かっていることを表していた。


―――風城内 正面入口―――

ベガ「デネブとアルタはどこいったんだよ」

ワカ「先程アルタさんがあちらの方へ走って行くのを見かけました。デネブさんは昨日から見てないですね」

兵「アルタ様とハル君はただいま地下におります」

ベガ「なんでそんな所に、しょうがない今は時間がないから僕とワカさんで前線に行こう」

ワカ「わかりました」

 

ルカ「第二迎撃部隊は任せてください」

ベガ「君の実力は信頼しているよ、頼んだ」

 ベガとワカは城を出て、前線の隊に合流する。襲撃が予言より一日早かったが既に万全の準備を終えていた。しかし、三銃士2人不在の迎撃に兵の不安は増長された。


ベガ「(やっぱり僕じゃ、皆安心してくれないか)」

 

 高い塀の上に立つ兵達は、骨の馬に乗り進軍してくる魔物軍へ魔法を放ち攻撃する。まだ相当距離があるので魔法を当てれるのは一部の高等魔法使いだけだった。それを見たワカは塀の上の魔法迎撃部隊に声を掛ける。

 

ワカ「魔法部隊の皆さーん!こっちが届くって事は逆に…」

 そう言いかけた内にワカの真上にいる2人の兵が炎の矢を腹にもろにくらいその勢いで塀から落ちてくる。

 

ワカ「まずい…。つむじ風の術」

 2人が床にたたき付けられないように風のクッションを作る。そしてすぐに2人は医療隊に運ばれていく。

ワカ「僕を塀の上に案内してください」

ベガ「わかった」

 そうしている瞬間にも風柱達は徐々に城に近づいて来ていた。

 


バート「アハハハ、当たったぁ。今のは最高だったなぁ」

トフム「流石イエス成果」

風柱「正面にいるという事は魔法狙撃の兵の中でも上級の奴だったはずだろう」

中長「こっちの左翼の魔物30体程あいつらにやられたねぇ」

 

バート「で、結局あの扉誰開けんの?」

風柱 「俺が行こう」

 風柱は駆ける骨の馬の上に立つ。

バート「先に悲鳴聞きたかったけど、開けてもらった方が城内の強者の声が聞けそうだから譲るよ」


―――塀の上―――

ワカ「あれが風柱ですか。モチ村に現れた魔物もいますね」

 ワカは双眼鏡で風柱達を見ている。そして確かにその狭い視界に捉えていた風柱の姿が消える。

ベガ「!?」

 塀の上に立っていた50人を超える兵達が体の至る所から血を吹き出し倒れる。

 

ワカ「(今僕の剣になにか金属が触れた)」

 塀の上にいたワカは小さな竜巻に変わり消える。

 その光景を塀の下から本体のワカが見ていた。塀の上にはベガ以外立っている者は1人としていない。

ワカ「お前が風柱か」

風柱「お前は中々の腕だな。よく受けきった、そしてそれも風で作った分身とはな」

 

 誰の目にも捉えられなかった風柱がワカの目の前に姿を現す。両手にそれぞれ鎌を持っており、先程分身は半分勘で風柱の鎌を刀で受けれたもののカーブのきいた鎌が分身の腹を刺していた。

 

ワカ「扉は開けさせませんよ。(まさか僕が1番先に柱と対峙することになるとは)」

 塀と城の間には50人程の兵に加えてワカがいる。塀上正面の兵はベガ以外全滅したので、左右担当の兵の一部が正面にまわってきていた。

 魔物の軍団はあと1、2分で塀に到着する。

 

ワカ「風分身の術!」

 ワカは2体の分身を出し、2人が風柱に走りよる。

風柱「術は面白いが、浅はかだ」

 風柱は向かってきたワカの分身を無視し奥の1人の喉を掻っ切る。しかし本体と思っていたワカは竜巻になり風柱の左腕を取り込む。

 

風柱「(釣られたな。引っ張られる)」

 風柱が振り返った時には、既に2人のワカが飛びかかってきていた。風柱は咄嗟に右腕を横に振る。その目にも止まらぬ所作は風を斬る。そして斬る風が生まれる。

 

 ワカの分身は消え、本体の腹に横一文字の切り傷が刻まれる。

ワカ「がはっ。(これを使って一瞬で塀の上の兵の皆を斬ったのか)」

 風柱は自身の魔法で左手をワカの竜巻から抜き、扉の方を見る。そこには20人ほどの兵が立ち塞がっていた。

兵「相討ちになったとしても止めろ!塀の外の事はベガさんに任せるんだ」

風柱「暑苦しいな」

 

 兵を睨むその姿は、カマキリにも見えるが蛇にも見える。兵達の緊張が高まる。

風柱「風斬網・かまいたち」

 

 風柱が扉と兵から距離を保ったまま両手の鎌を小振りに動かし続ける。そこから放たれる風の斬撃が次々と兵を斬っていき扉を傷つける。

 

ワカ「皆さん!剣を構えて急所は外してください!」

 ワカは風柱の後ろから声をかける。

風柱「対処法としてはハズレだ」

 風柱はその高速の振りの動きの中に後方への振りを混ぜ始め、ワカにも斬撃を放つ。

兵「倒れる訳にはいかない。死守せねば」

風柱「心意気だけは一流だな」

 

 風柱は動きを止め、2本の鎌を連結させ一本にする。その武器は、元々連結すれば大鎌になる様に設計されていた様に見える。そして大きく振りかぶり巨大な斬撃をとばす。扉を守る兵の1人が大きな声をあげる。

兵「前線部隊隊長カラマツ!命に変えても守る。風結層!!」

 風の壁が、柱の風の斬撃を押し返す。

 

風柱「立派だったな隊長さん」

 しかし風の壁は2つに割られ、隊長は斬られる。その隊長に合わせるように周りの兵も風を体に纏い自ら壁となる。全員の力でその巨大な斬撃を防ぐが、無情にも二撃目三撃目の巨大な斬撃が扉を割り、入り口をがら空きにする。

 

バート「ギリギリセーフ」

 魔物軍は馬の足を止めずに塀の内側へと進軍する。

トフム「こいつノー成果」

 トフムの巨大な手の中には血だらけのベガの姿があった。

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