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ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
2章 忍びの村と雷の目覚め
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19話 大長について

―――魔王城 大会議室―――

 そこには魔王とドクターと先日魔物にされたボンバ、そしてゼルガとツトガを含め約10体の魔物が立っており、その中に拘束された女忍長の姿もある。

 

ドクター「大長入れ替え戦の前にこの『結界』を糧にする」

 人類にとって最悪の空間で意識を保っていられる女忍長は既に常人の域を脱している。自身がオミクロン島のどこにいるかも分からず、逃げられる相手では無い事だけは分かっていた。

ゼルガ「この者の『結界』は『貫通』を防ぎました。相当な守りの能力です」

 ゼルガは普段の荒い口調を隠す様に取ってつけたような丁寧語を使って魔王に話す。

 

 魔王は女忍長に手を伸ばす。女忍長の手足は拘束されており逃げられない。

女忍長「(どうにかして忍村に連絡を取りたいが、まずはこの場を切り抜けるしか…)」

 魔王が触れる一瞬前に自身に結界をはる。

ドクター「防いだ」

 先日、魔王に触れられた男は姿を消したが女忍長は『結界』で防いでいた。

魔王「我の『吸収』を防ぐか」

女忍長「(能力なら、対抗できる)」

 

 女忍長は、結界を大長達と魔王とドクターの前に作り扉から逃げ出そうとするが、大男の大長が結界の壁を全く障壁とせず通り抜けて来る。

女忍長「(私の能力も無敵ではない、貫通もされる。なら他の能力に負ける場合もある訳か…勝ち目はない。だが諦めない。)お前たちをいつか討ち倒す者達が現れる。それは遠い先ではない。そして忍村の未来の芽達がお前たちに一矢報いるだろう。百重結界 棺結晶!」

 

 女忍長は自分の体を丸ごと結界で囲み、その数は百枚にのぼる。結晶のような厚い結界の塊の中心に体力を使い果たし昏睡状態になっている女忍長の姿がうっすらと外から見える。

 しかし、大男の魔物が結晶に手を当てると結界の壁をすり抜けていき、女忍長の首を掴む。

魔王「そいつに触れられるのはお前だけだ。しかし殺してはならん。とりあえず地下牢にでも入れておけ」

ドクター「かしこまりました」

 結晶の地面が紫の扉になり、落ちていく。

 

大長3「いい能力だったよね!そりぁあ僕ら相手に勝ち目は無かったけどさ!」

 子供のような姿の魔物がボンバに話しかけるが無視される。

大長3「そっか、ごめん緊張してるよね。これから死ぬか大長になるかの戦いだもんね」

魔王「ボンバ。大長9から7の内1人を選べ。お前が勝てばその番号をお前にやろう」

ボンバ「7で」

大長7「キシシシ、またボクですか。どいつもこいつもより高い地位を得ようと野心を出すけど、キシシシ毎回ボクに殺されるんだ。お前もコレクションに入れてやる」

 

 丸坊主の魔物とボンバは前に出て、向かい合う。

ドクター「はじめ!」 

 ボンバは手に熱を溜めながら、大長7に駆け寄る。そして顔面に爆発するパンチを打ち込む。

大長4「(荒く見えて美しい突きだ)」

 煙の中からボンバの腕を大長7が掴む、彼の顔に傷はない。

大長7「キシシシ、いつものパターンだな」

 大長7の腕は石化している。その硬い腕でボンバの顔を殴り飛ばす。

ボンバ「ちっ」

大長7「石化しろ!」

 

 大長7の出すビームをボンバは横に転がり回避する。そのビームの当たった床が石化している。

ゼルガ「(あの重いパンチ喰らってビームをかわせるか。しっかり鍛えてんな)」

ボンバ「(俺にもできるのか?ビームなんか出した事ない気がするが)」

 石化した手での連撃をボンバは丁寧に捌く、そして大長7の腹に重く蹴りを入れ蹴り飛ばす。

 

大長7「(石化で守ってさらに重量が増えたボクを蹴り飛ばしただと!?)」

 ボンバは手のひらからビームを放つ。

ボンバ「(出た!)」

 大長7は両手を石化させクロスしてビームを受けると、ビームを喰らった箇所が振動し膨張し始め破裂する。

 

大長7「な、なんだよこれ。ぐあぁ」

 狼狽える大長7に、ボンバは空中で縦回転してかかと落としを顔面に直撃させ、大爆発を起こす。

大長7「ボクが負けるはずは…」

ドクター「大長7死亡により、ボンバの勝利」

大長3「ボンバ!これで君が大長7だね。おめでとう!」

ボンバ「ありがとな」

大長3「初めて返事してくれた!嬉しいなぁ」

ボンバ「ん?」

 ボンバの手は石化している。ただ、力を抜くと元に戻る。再び今度は腹筋に力を入れると胴体が石化する。

大長3「能力を奪えるの?すごい!」


 大長とは、強い人間を捕まえて魔物化した存在である。歳はとらず既に何十年も同じ数字の座にいる者もいる。大長落ちと言われる例でいうとメルムは9番までに入る実力はないが、その能力の使い勝手から殺されたり、魔王に『吸収』されていない存在である。実際忍村ではメルムの能力のせいで敗北したと言っても過言ではない。


 大長は魔王直属の魔物であり、柱の様に人間の国を統治したりなどはせず、ただ任務をこなすだけである。大長1と2と4は常に魔王城内で護衛しており、子供である3だけは城をでて好き勝手やっている。光国を襲ったのは闇柱の他に大長数体であった。先程ボンバに殺された『石化』の魔物も光国襲撃の内の一体であり、光国民が数多く石化させられてしまっていた。大長は能力を使いこなし、加えて基礎的な戦闘能力の高い魔物である。能力を持つという点では柱より優れており、今の大長6のどっちかが水柱と戦っても、水柱に勝ち目はない。過去に大長を撃破出来た人の中にアズサとシュルガがいる。女忍長は過去に大長8を撃破した経験があり、その時の知識を元にゼルガとツトガと戦っていた。

 大長を倒せる人が何人いるかで、人類の運命は変わってくるのだ。しかしハル達はまだ危険視さえされていないのが現状である。

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