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幼馴染にわたしは?って聞かれてないって言ったら幼馴染が速攻でもうひとりの幼馴染とつきあいだした⁉︎  作者: 猫の集会


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2/3

ごめん

 オレは、てっきりリョウは、茜と付き合っているのかと思っていた。



 しかし、リョウの彼女は…全く知らない人だった。



 オレたち三人は、同じ高校なのに、リョウの彼女は別の高校だ。



 どうやら、バイト先で知り合ったのだとか。


 茜は?


 茜は…どうなったんだ?


 リョウに聞いてみた。


 すると、

「茜は、幼馴染だ」

 って真顔で言ってきた。


 幼馴染だけど…


 茜って…リョウが好きなんじゃないの?


 茜は、大丈夫なのだろうかと心配になり、茜のクラスをそっと覗きにいってみると、窓際で友達と楽しそうにきゃっきゃと笑っていた。


 窓際だからだろうか。


 笑顔がとてもキラキラしているように、オレにはうつる。



 全然大丈夫そうじゃん。


 その日の帰り道、偶然前に茜が歩いていた。



 この前のこと、まだ怒ってるかな?


 ちょっと様子見のために、話しかけてみた。



「おっす、元気か?」

 と。


 すると、茜はムスッとしてオレをジロリとみたあとに、

「あーあ。辛い、辛いなぁ」

 って辛くもなさそうに言ってきた。


「なんだよそれ…辛いんだか辛くないんだか、わかんねーよ」

「辛いよ。だって…わたし…いまさらだから言っちゃうけど、ほんとは、好きだったんだからね。どう責任とるつもりよ」


 …


 じっとオレをみつめる茜。


 …


 仕方なくない?


 それは、オレじゃなくてリョウにいうべきでは?


 水族館三人で行ってたら告白成功したかもとでも?



「ごめんなさい。オレには、責任とれないです」

「ふーん、ひどいな…てかさ、聞かせてよ。ごめんなさいの理由を」


 …


 理由か…


 オレには、関係ないから?


 それとも…


 理由は…


 …


「やっぱり、そういうのって…なんだろうな。オレにもよくわかんねーよ。でも、茜は…よく頑張ったし、これからもいい出会いがあるはずだよ」

「うん、そっか。ありがとう」


 珍しく茜は、しおらしかった。  



 それからしばらくした、夜の十時。



 茜から電話がかかってきた。


「あの…寝れない」

 そんな電話は、はじめてだった。


 もしかしたら、いつもはリョウにこの電話をしていたのかもしれない。


 でも、リョウは彼女がいるし…茜は、リョウにフラれてしまったのだから、なおさら電話なんかできないし、辛いのだろう。



「いいよ、電話するか」

「ありがとう…あのさ、ごめんね。」

「なにが?」

「だって…本当は、迷惑だよね…」

「そんなことは、ない…けど」

「優しいな…時也は…グズっ」


 ん?


「茜?泣いてる?」

「うっ、ううん。そんなこと…ないよ?へへ…」


 茜は、昔からそうだ。


 強がる時は、必ずへへって笑うんだ。


「いいぞ」

「…へっ?」

「泣いていいよ。オレが今日だけ受け止めてやるよ」

「複雑ー……でも、ありがとうね。」



 幼馴染同士だから複雑?


 まぁ、いい。


 泣きたきゃ泣けばいい。


 ためたらためただけ、あとで心が取り返しつかないことになりかねないからな。


「恋愛ってさ、両思いならドキドキして、キュンとかあるけど、そんないっつもピンクとか赤い恋愛ばっかりじゃねーよな」

「うんっ…グズっ…」

「茜は、…次はさ、黄色よりの恋をしなよ」

「どんなよ…」

「黄色よりの赤って茜色なんだよ。知らない?」

「へえ、知らなかった。」

「まさか、時也からそんなアドバイスもらえるとか思わなかったな。てか、わたしってさ…しつこいよね…」

「そう?」

「うん…わたし、時也が幼馴染でよかった。幼馴染じゃなかったら、ヤバい人だった。てか、幼馴染だからって、甘え過ぎだよね。」

「そんなことないんじゃない?」

「ほんと?」

「うん。」

「優しい…やっぱり優しいよ…だからこそ、余計に辛い」

「なんでだよ…こういう時こそ、頼っていいだろ」


 …


「うんっ…グズっ。あのね、もう電話しない。でも、今日だけ寝落ち電話がしたい」


 …


「寝落ち電話か。……正直、そんなことしたことないけど…まぁ…やってみる?」

「うん。わたしさ、時也の声も好き。ずっと…ずっと聞いていたいくらい落ち着くの。」

「声もってなんだよ」

「だって、好きになるっていっぱいが重なってミルフィーユみたいにギュッてなって恋の濃い重なりになるんでしょ?」

「ほう…。」


 …


 ん?それは…ん?


 なんか、オレのこと…好きみたいに聞こえんじゃん。


 あれ?


 今…リョウのこと言ってる?


 ん?


 どういうこと?


 だれの声が好きで、なにがミルフィーユ?


 …


「あれ?茜って…」


 リョウに失恋したんだよね?って、聞けるわけない。


 てか、オレ…のこと…


 …


 え?


 でも、オレはフッてないし…なんなら告白するつもりは、これっぽっちもない。


 好きだけど、茜とはつきあわない。


 そう決めている。


 だから…


 だから、深掘りしないほうがいい。


 このまま、目をつぶって…


 そのまま…


 なんか、茜とくだらない会話したりして…

 

 恋の話からズレて、くだらない会話から…

 

 

 …


 ⁉︎



 気づいたら、オレ…寝てた⁉︎



「あっ…茜?」


 シーン


 通話は、繋がったままだったけど、茜も寝てるっぽい。


「おやすみ」


 小声でおやすみを言って通話を終わりにした。



 次の日、茜はちょっとだけ目が赤かった。



 そして、学校の廊下ですれ違うときに

「昨日は、ありがとう。わたし、夢で時也におやすみっていわれて、すごく幸せだった。だからもうあんなことしないね。じゃあね、ありがと」

 と微笑んだ。



 オレは、やっぱり知らないうちに茜をフッたんじゃないかって思う。



 あのときの、軽いノリの…


 わたしなんかどう?ってやつがほんとうの告白だったとしたら…


 そして、オレがないって軽く返したのが、茜を苦しめていたんだとしたら…


 だったら、今すぐ茜の手をひいて、オレも好きだって言いたい気持ちは、少しある。



 でも、それはいうべきじゃない。


 だって、オレは…



 オレは…

 

 ムリなんだ。

 

 ごめんな、茜。


 続く。

 

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