やっぱり異変?
「……あの、ユリアさん。先ほど、一週間前から僕の衣装を仕立てた、と仰っていましたよね?」
「……それなら、どうしてその時点でなく、昨夜になって突然お誘いを、と疑問に思っているのですよね?」
「……はい」
それから、少し経過して。
僕の問いから察してくださったのだろう、先回りして僕の疑問を確認なさるユリアさん。……うん、本当にありがたい。
さて、改めてだけど……ユリアさんのお話から察するに、少なくとも一週間前には既に僕を誘ってくださるご意思があった、ということ。だとしたら、今しがた彼女自身が仰ったように、どうして昨夜になって突然お誘いを、というのが僕の疑問で。
例えば、一週間前の時点で僕を誘うと決めていたものの、なかなか誘えずについに昨夜に――という可能性も皆無とまでは言えないけれど……でも、僕がユリアさんをお誘いするのであればともかく、彼女が僕を誘うのにそれほどの緊張があるとは――
「……なにせ、貴方ですから」
「……へっ?」
「なにせ、貴方にはどうにも気弱なところがありますから。なので、一度承諾してくださっても、当日までの時間が空いてしまえば、何かしらお断りする理由を考える時間を与えてしまいますから。……尤も、失礼なことを申しているのは承知の上ですが。申し訳ありません、ハンス」
「……ああ、そういうことですか。いえ、謝らないでくださいユリアさん」
そう、仄かに微笑みお話しになるユリアさん。……うん、確かに。僕なら、そんなふうに思われても仕方がない。そもそも、昨日だって最初はお断りしようと考えていたくらいだし。だけど――
「……ですが、やっぱりお断りしたくないなあと。なにせ、ユリアさんからのお誘いなのですから」
「……そ、そうですか……」
そう、微笑み口にする。……うん、やっぱり断りたくないよね。なにせ、恩人であり友達でもあるユリアさんからのお誘いなのだから。……いや、友達は僕が勝手に思いたいだけなんだけども。……ところで、それはそれとして――
「……あの、ユリアさん。もしも、本当に熱がおありなのでしたら――」
「もういいわそのパターン!!」




