二人でお出かけ?
「……あの、ユリアさん。どうして、僕はここにいるのでしょう?」
「……いや、そんな記憶喪失みたいなことを言われましても。確か、昨夜にお伝えしたものと……あれ、なんだか以前にもありましたね、似たような会話が」
それから、数日経て。
晴れやかな空の下、隣に立つ鮮やかな銀髪の美少女へと困惑しつつ尋ねてみる。すると、呆れたようなご表情でお答えが届き……うん、まあそうなるよね。あと、確かに以前にもあったよね、似たような会話が。
さて、今いるのは、なんと1000年以上前から存在しているという郊外の商店街。時間を経るごとにその光景は変わっているとのことだけれど……それでも、今でも当時の――恐らくは中世の頃の雰囲気に包まれている感じがして、思わずノスタルジックな気持ちに……いや、この表現はおかしいかな? 僕自身、当時を生きていたわけじゃないんだし。まあ、それはともあれ――そんな情緒豊かで素敵な空間に、なんとあのユリアさんと二人で訪れているわけでして。
『…………ん?』
昨日の夜のこと。
自室にて、少しでもユリアさんに助けになるべく魔法の練習をしていると、ふとコツコツと窓を叩く音が。だけど、その音には覚えがあって。窓を開けると、果たしてそこには鮮やかな銀色の毛を纏う優美な鳩の姿が。そして、この鳩さん――正確には、この鮮やかな銀色を見ていると不思議と親近感を……まあ、理由なんて流石に分かってるけども。
さて、本日のご用件だけれど――この可愛い鳩さんが持ってきてくれた手紙を受け取り中を見ると、なんと鳩さんのご主人さまたるユリアさんからのお出かけのお誘いで。
『…………ふぅ』
一度、深く呼吸を整える。……うん、ちょっと落ち着いた……かな? さて、返答だけども……うん、もちろん緊張はする。だけど、流石に――
――キイイイイイイイイ。
『うわっ!!』
卒然、耳をつんざく音が。そして、このものすごく不快な音もまた以前に覚えが――
【あっ、ちなみにですが、万が一にもお断りなどするようであればその手紙から五分おきに――】
「もういいよこのパターン!!」




