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ライトノベルがドチャクソ売れたので、俺をイジメていた女子連中に自慢する痛快ざまぁwww  作者: 伊藤テル


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【02 風間来水】

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・【02 風間来水】

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「弁護士用意したから、俺と会え!」

 開口一番、風間来水の電話番号にそう言うと、明らかに風間来水の声で、

「溜口か、溜口だよな?」

「溜口幸次! テメェら風に言えばダメチンコだよ!」

「自らダメチンコって言うな。というか弁護士か、覚悟しているよ。溜口の家か、どこかで会議スペースを借りるか」

「喫茶店だよ! 新潟駅の前の! あの! レンガっぽいとこ!」

「そんなオープンな場でいいのか? 会議スペース借りたほうがいいんじゃないか?」

「さっきから言ってる会議スペースってなんだよ!」

 風間来水は「あー」と少しメンドクサソウに声を出してから、

「貸し会議室とか、ミーティングスペースとか、ワークスペースとか言うヤツ。レンタルスペースというか」

「そういうの全部知らねぇよ! とにかく喫茶店だ! 松岡実奈と河合愛を呼んだとこ!」

 風間来水は「いっ」と言葉をガン詰まりさせてから、

「実奈はまだしも愛も呼んだのか? おい、アタシの電話番号教えてないだろうな」

「教えてないわ! 電話番号のメモは家だから!」

「じゃあいいけどさ、喫茶店で本当に良いのか? 会議スペース、アタシが借りなくていいか? いつも使ってるとこあるからさ、すぐ予約できると思うし」

「密室でまた蹴ったりする気かコラぁ! 喫茶店! 絶対喫茶店! パンケーキ食えるし!」

 風間来水は頷いてから、

「なるほどね、密室が嫌というわけか。溜口の気持ちを考えることができていなかったわ。じゃあ有明喫茶な」

「よく知らんけどそこぉ!」

「喫茶店の名前知らな」

 の時点でスマホの通話を切ってやった。時は金なりだから。俺は忙しいから。

 俺は頭良いので、保険として、断られた時の用心にいつでもすぐシコれるように、AVを無音で流しながら電話していたのだが、喫茶店に集まることになったので、モニターを消してシューゴー住宅から出て、新潟駅前のレンガの喫茶店へ行くことにした。

 でも河合愛の時みたいに、すぐ来るとも限らないので、全然シコってからでも良かったかと思って、ちょっとだけ家のほうに戻ったけども、でも、もう全然勃っていないので、やっぱり喫茶店のほうへ行くことにした。

 喫茶店の前に着くと、明らかに風間来水のような女が立っていて、相変わらずエロい女ではあるな、と思った。

 別段谷間の開いた服といった感じじゃないが、タイトめに服を着ていて、出るところは出ていて、出るとこ出てるって喧嘩かよ、謎かけしてやろうか。

 出るところ出ているとかけて、喧嘩ととく、その心は巨乳、ってわけ(巧い)。

 とにかく巨乳なんで、今すぐに揉みたいわけだが、その前にちゃんと話が揉めないといけないので(巧過ぎる)、揉めに揉めてから揉もうと思っている(鬼レンチャン)。

 一緒に喫茶店に入り、コーヒーをそれぞれ頼んだところで風間来水が、

「弁護士ということは、お金のクメンができたのか」

「何だよクメンって。クレメンスかよ」

「お金を用意してアタシを訴えるということだな」

「その前にだ! 俺はな! ドチャクソ売れているライトノベル作家になったんだよ!」

 風間来水は目を大きく見開いた。今まで一番良いリアクションに俺も何だか嬉しそうになる。

 これはちょっと、凄い謝罪が喰らえるかもと思いながら、

「ライトノベル作家になったんだよ! ドチャクソ売れているな!」

「そ、そうか、溜口もそうだったのか」

 かなり動揺しているように目が泳いでいる。そんな激しくバタフライしたら巨乳が揺れるだろ!

 ばるんばるん。

 ばるんばるん……否、ぶるんぶるん。

 ぶるんぶるん。

 ぶるんぶるん。

 ぱぁ~い。

 お! ぱぁ~い。

 ぶるんぶるん。

 ぶるんぶるん。

 ぶるんぶるん。

 ぶるんぶるんぱいぱい、じゃ、有名な曲になってしまうな、ジャスラックが黙ってないぜ。

 爆乳ヤンキーの歌詞になってしまう。手島優がセンターだったアイドルグループ・爆乳ヤンキーの。

「なんて、タイトル、だ」

 明らかに動揺しているようにそう言った風間来水。

 これはもう言ってやって、謝罪をスリーセブン分頂けるかな。

「この本だよ」

 俺はウエストポーチから『放課後逆転ストロボライト』を見せると、急に溜息をついた風間来水。何だかポカンというか本官といった感じだ。

 まるで『本官はこの程度では屈しないであります!』と叫ぶ巡査長みたいな感じだ。

 急に何か軟化しやがって(巧い)。何なんだ、何なんだ、カレーに付けるモノは勿論ライス(美味い)。

 風間来水は何だか俺をさけずむ目で、

「出版社の、担当者の名刺とか持っている?」

「見ても分かんねぇだろ!」

「いや持ってるかどうか聞いているんだけども」

「名刺なんて無くても顔パスだよ!」

「アタシの電話番号のメモみたいに、家にあるとかじゃなくて?」

「違う! 家にある!」

 何だコイツ。冷静に論破しようとしてきやがって。河合愛とはまた別の種類の変態だ。

 でも俺は負けない。絶対に負けないんだ。

「家にあるよ! あたりめだろ! 名刺持ってるし! でも顔パスだし!」

「ぶっちゃけ、溜口が書いた小説じゃないでしょ、それ」

「俺が書いた小説に決まってるだろ! 作者名を見ろよ! 溜口荒野! 俺しかないだろ! 内容も知ってるかっ?」

「そっか、読んだんだ、その小説」

「読んだよ! というか書いたし!」

 風間来水はいつの間にかきていたコーヒーカップに手を掛けて、余裕な感じで飲んだ。

 妙に画になる。唇がピンク色でエロいからかもしれない。というかここはちょっとギアをあげるか。

「俺さ、弁護士用意できるからお金あるから。全部慰謝料払わせるぞ」

「ちょっと溜口さ、ライトノベル書くには日本語下手過ぎ。ちゃんと小説読めているの?」

「舐めんじゃねぇよ! 俺のこと高校時代にダメチンコって言っていたなぁ! 風間来水!」

「あんま自傷行為すんな、自分のことをダメチンコなんて言わなくていいんだよ」

 と呆れるようにそう言った風間来水。

 何だよ……全然きいてねぇじゃん……松岡実奈みたいなもんじゃないのか、コイツ……ずっと河合愛の腰巾着だったのにさ……。

 風間来水は一息ついてから、

「つーかさ、そのライトノベルさ、書いたのアタシだから」

 ……は? ……いやいやいや、コイツ何を言っているんだ……意味分からん、風間来水がライトノベル? そんなはずなぁっ!

「これ出版社の、担当者の名刺ね。渡邊さん。渡邊さんがさ、何か全部自分の手柄みたいに言って、若者向けのニュースサイトにインタビュー載せてもらっていたけども、全然そんなことないから」

 渡邊菊一(わたなべ・きくいち)……あのニュースサイトで見た名前と一緒だ……一緒ということは……!

「偽造だ! オマエ! 『放課後逆転ストロボライト』の作者騙るために偽造の名刺持ってんだ!」

 すると風間来水はスマホを無言でイジってから、

「これ、その渡邊菊一さんがユーチューブのメディアに出て、喋った映像ね」

 渡邊菊一がユーチューブのメディアで喋っている映像だ。音声をそのまま流している。イヤホンつけて聞けよ、聞きたいなら。

 風間来水は続ける。

「声覚えた? んでスマホのアタシの記録。渡邊さんとアタシが喋った会話の録音ね」

 スマホをイジって録音ファイルのようなモノをこちらに見せながらタップして、流れてきた音声は目の前にいる風間来水と渡邊菊一さんの会話だった。

 いや、いやいや!

「そんな会話の録音しているの怪し過ぎるだろ! 作ってきた音声だろ! ディープフェイクだろ!」

「いや普通に議事録として。会話全部録音してんの。ほら、出版界の慣例として編集者は議事録作ってくれないから」

「それっぽいことばかり言うな!」

「溜口って本当にライトノベル書いてる? 編集者紹介してあげようか、まあ今のところは渡邊さんしか紹介できないし、渡邊さんあんま有能じゃないけども」

「編集者……!」

 風間来水はフッと余裕そうに笑うと、

「書いているなら編集者紹介してほしいでしょ?」

「別に! 今はいい!」

「そもそも書いていないんだぁ~」

 と、つまらなそうに息をついた風間来水。

 いやいや、俺だってホントは”書きたい”し、でも書いては消してで全然完成しないし。

 風間来水はまたスマホをイジり始めていて、

「渡邊さん、ちょっと高校時代の友達がさ、渡邊さんの言葉に感銘を受けたからって喋りたいんだってさ。今、かわるー」

 と言いながら、俺の前にスマホを置いた風間来水。

 どうやらあの、耳じゃなくて、スピーカーみたいになるモードだったようで、向こうから声が大きめに聞こえてきた。

《溜口さんのお友達ですねー、というと風間さんのお友達といったほうが分かりやすいですかねー》

 俺はもうゲロ吐きそうになった。

《ちょっとー、風間さんのお友達ぃさぁん、返事してくださーい……ちょっとぉ! 風間さん! イタズラやめてくださいよ! 僕をイジらないでくださいよ! もー!》

 本気で怒っているといった感じじゃなくて、馴れ合って楽しんでいるようだった。

 あの、渡邊菊一の声で、こんな柔らかい声で、え、え、えぇ……チンコもう萎えた。ずっと勃起していたと言っても過言じゃなかったけども、もうダメぽ……。

「ゴメンゴメン、ちょっと緊張しちゃったみたい。また掛けるかも」

《僕も一応忙しいんですからねー、ではまた次の打ち合わせでー、放課後逆転ストロボライトの続編、考えておいてくださいよー》

 何なんだ、渡邊菊一って……そんなもう、風間来水が書いたということを全部盛りで言わなくてもいいじゃないか、こんな死体蹴りしなくてもいいんじゃないか。

 風間来水は勝ち誇ったような顔で……じゃない、妙に落ち着いた顔で、

「で、溜口の話ってなんだ」

 何なんだコイツ……完全に余裕過ぎて、落ち着きやがって……冗談じゃない……俺は、俺は……心底ツライ高校時代だったんだよ……それを、それを……俺じゃないって言い切りやがって! 俺が書いていないって言い切りやがって! あぁもう! つか……つーか、つーかさぁ!


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