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ライトノベルがドチャクソ売れたので、俺をイジメていた女子連中に自慢する痛快ざまぁwww  作者: 伊藤テル


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【15 平穏無事】

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・【15 平穏無事】

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 ある日、二人でソファーに座っている時に、ふと来水が、

「そう言えばあの時、キスで勃起したよね」

 と言い出したので、

「あの日のことはノータッチでいこうぜ。暗くなるだけだよ」

 と俺が顔を背けると、来水が小声で、

「じゃあ暗くして始めちゃう?」

 と甘えるような声で言ってきて、俺は溜息交じりに、

「そういうのいいから」

 と窓の外のほうを見ていると、来水の手が伸びてきて、俺の頬を掴み、強制的に来水のほうへ顔を向けられてしまった。

「アタシがキスしたらセックスしたくなる?」

 そう改めて言ってきた来水に、俺は正直に答えることにした。

「そんなことより服を着た人間スタイルでずっと一緒にいたい」

 来水は頬を膨らませて、

「婚前交渉はしないってことね」

 と言ってきたので、

「そうそう。その通り。俺は来水のことが本当に大切だからな」

 と言うと、来水は「好きだよ」と言うと、ノーモーションでキスをしてきた。

 俺は急いで顔を離して、

「おい!」

 と語彙ゼロで叫んでしまうと、来水が、

「だって上書きくらいはしておかないと」

「そりゃまあそうかもだけど!」

「ほらね、正解だったでしょ」

「……まあ不正解ではないか」

 ちょっとした沈黙後、来水がこう言ってきた。

「というかさぁ、幸次ってば、俺が放課後逆転ストロボライトを書いたとか言い出してさぁ」

「それこそ暗くなるわっ、その話はもうやめてくれっ」

 と照れ笑いが出てしまった。

 さすがに恥ずかし過ぎるから。

 そんな自分に思ったことがある。

 そう言えば俺、すぐにキレなくなったような。

 俺もついに、少なくても人間にはなれたのかもしれない。

 あの頃は本当獣というかケダモノで、オナニーしかしていなかったけども、こうやって人間と会話できる、普通の人間に。

 相変わらず、キスは自発的にはできていないし、手を繋ぐことも全然していないけども、一緒にいるだけで幸せだからそれでいいのかもしれない。

 すると来水が急に申し訳無さそうに、

「セックスさせてくれないのって、やっぱり幸次にシコらせるイジメとかさせていたせいだよね」

「だからもうそういう話はしなくていいだろ。それよりさ、最近あったあのニュースの話だけどさっ」

 でも多分、そのことが抵抗感として残っているとは思う。

 でもいつか一緒に、愛を確かめることだって……いやそもそも、こうやって一緒にいるだけで愛を確かめられているじゃないか?

 セックスが全てじゃない、気持ちと気持ちが通じ合っていればそれでいい、と。

 俺は本気でそう思っているんだ。

 幸せな日々は甘い生活。

 でもそれだけじゃ、やっぱりダメなんだと思うこともあって。

 このままじゃきっと俺はまだまだダメチンコなんだと思う。

 だから俺はある日、夕ご飯終わりに、来水へこの話を切り出した。

「やっぱり社会勉強のためにも、毎日何時間かはコンビニのバイトをしたいんだ」

 すると即座に来水が、

「いいよ、そんなことしなくて。だって家事という仕事をしてくれているし、ニュース調べてアシスタントもしてくれているじゃん。仕事はしっかりしているんだよ?」

「でも、もっと、外の仕事も知らないとダメなような気がするんだ。いや今更社会勉強って高校生みたいなこと言って、と思うかもだけども、俺まともに働いたことないからさ。一回接客業というヤツをやったほうがいいんじゃないかなって」

「何かそういう言説あるけどさ、一回接客業したほうがいいって。でもしなくていい人生ならしなくてもいいんだよ。仕事って生きるためにするだけで、経験としてやったほうがいいとかないよ? 好きに生きていればそれでいいんだよ?」

 来水はあの手この手の言葉で俺を止めようとしてくる。何よりも来水の言い分のほうが正論だと思う。

 でも俺はもっとちゃんとした人間になりたいんだ。そのことを言語化する能力は無い。来水のようにどんどん言葉が湯水のように沸く人間じゃない。

 だから一点突破しかないんだ。

「俺はちゃんと社会を勉強したい。来水の邪魔にならないように家事もアシスタントもするから、毎日数時間は外に仕事へ行きたい」

「そう言ってバ先の女子と知り合いたいんじゃないのぉ?」

「俺はそんなことしない」

 と目を真っ直ぐ見て言うと、来水は伏し目がちに、

「それは知ってるけど……」

 とトーンダウンした。

 とにかく俺は真面目にそう考えているんだということを愚直に何度も何度も説いた、末に、やっと来水からのお許しも出て、俺はついに近くのコンビニで働くことになった。

 面接も合格できたのは本当に良かった。まず一歩、さらに人間に近付けたような気がした。

 コンビニは覚えることが本当に多くて四苦八苦。

 商品の品出しもすればレジもする。人が少ない時にレジ横スナックの揚げ物を揚げるわけだが、人がいない時というものは無いので、結局並行作業になってしまう。

 さらにこのレジというものは、目の前の商品のバーコードを読み取るだけではなくて、通販などのコンビニ払いというものもあり、動作が複雑なのだ。

 それ以外にも、事前に調べた情報によると、公共料金や税金も払うことができるらしく、その方法も覚えないと、と思っていると、年下の女性店長が言うには、

「こっちでも知らないような手続き系の支払いは、お客も知らないから覚える必要は無いよ」

 と言ってくれて、そこはちょっとだけ安心した。

 それでもやらないといけないことが多くて、記憶力がやや不安だ。

 とりあえず日常茶飯事的業務だけ、みっちり教え込まれて、今はコンビニのバイトを毎日四時間くらいやっている。

 年下の女性店長からは、

「バイト入る時間少なめだけども、何か夢に向かってやってんの?」

 と聞かれて、なんとも答えられず、薄く笑みを浮かべていると、

「ゴメン、夢ハラだったわ」

 と謝られて、何か笑ってしまった。

 年下の女性店長も吹き出しながら、

「変なこと言った、これは本当に」

 と笑い合って、何か普通の会話が他人ともできている感じが自分の中で本当に良かった。

 その後、年下の女性店長から、

「あのトラックの運ちゃんは女性に優しいから、あたしがいる時はあたしに言ってくれれば大丈夫」

 とか、

「タバコを番号で言わないジジイいっぱいいるでしょ? だから人気の銘柄は覚えておいたほうがいいかも」

 とか、

「このコンビニはスナック揚げるだけで、米炊かなくてもいいから、そこは気が楽でしょ。店員の手なんて絶対銭で汚れているもんだしな」

 とか、

「つか接客業初めて? 舌打ちしてくる客いるでしょ、あういうの人間じゃないから、動物だから気にしなくていいから」

 など、いろんなことを教えてもらって、本当に有意義にコンビニのバイトができていると思っている。

 特に悩みも無く、毎日コンビニのバイトができている時に事件が起きてしまった。


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