同じ夢を見ている?
目の前に広がる山
⋯⋯ここは⋯⋯
山の中の⋯⋯
お城みたいな建物⋯⋯
「ここは⋯⋯」
私は、扉を恐る恐るあける。
ギィィィィ
低い音をたてて、扉が開く。
扉の奥に広がっていたのは、光と静けさに満ちた大きなホールだった。
高い天井からは繊細なガラスのシャンデリアが下がり、やわらかな光が足元の深紅の絨毯を優しく照らしている。
壁際に並ぶ白い大理石の柱と、そこに飾られた金色のフレームの絵画が、まるで古い絵本の中の世界に来たかのような落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
正面の奥には、緩やかな曲線を描く大きな階段。
静まり返った空間の中で、そのすべてが優雅で美しく、どこか幻想的な空気を纏っていた。
「⋯⋯ここはどこ?」
私は階段を上り、2階の正面にある大きな扉を開けてみた。
そこに広がっていたのは、落ち着いた雰囲気の広い書斎だった。
壁一面の本棚には古い本がずらりと並び、奥の大きな窓からは月明かりが静かに差し込んでいる。部屋の中央には重厚な木製のデスクと革張りのソファが置かれ、ふわっとほのかに甘い香りが漂っていた。
「⋯⋯ここは⋯⋯」
見たことのない部屋⋯⋯
と⋯⋯
「まなみちゃん!」
声をかけられて振り向くと
「えっ?!」
そこには⋯⋯
ケンケンの⋯⋯
「堂本さん⋯⋯」
ケンケンのお兄さんがいた⋯⋯
「まなみちゃん。来てくれたんだね?うれしいよ⋯⋯僕の夢にようこそ!」
⋯⋯
え⋯⋯
ここは⋯⋯
彼の夢の中ってこと?
私が驚いて目を見開くと
堂本さんは微笑む。
「君がここにいるということは、夢の世界ってことだよね?」
堂本さんは私に近づくと、私の手を取った。
「いらっしゃい⋯⋯」
自然に手の甲に口づける。
「!!やめて!」
私は慌てて手を振りほどく。
「ふふふ。まなみちゃん。何しに来たの?」
堂本さんは私をじっと見つめる。
何しにって⋯⋯
「あ、意識して来たわけじゃないんだね?じゃぁ、また、来て?君が望めば、来れるよ?それが君の力だからね。はい。これプレゼント」
堂本さんはそう言って
私の手に何かを握らせる。
「そろそろ目が覚めちゃいそうだ。またきてね?」
⋯⋯
そう言われて、目の前が一瞬暗くなり⋯⋯
「?!」
気がついたらそこは私の部屋のベッドだった。
「夢⋯⋯」
え?!
閉じていた右手を開くと⋯⋯
「これ⋯⋯鍵?」
金色の可愛らしい鍵だった。
「ボス?」
不意に声を掛けられ振り返る。
あぁ、うたた寝をしていた⋯⋯
「ダイか⋯⋯」
僕が尋ねると
「寝室でおやすみになられたほうが⋯⋯」
「そうだね。ありがとう。もう下がって」
1人になり先ほどの夢を思い出す。
テーブルの上に目をやる
「鍵が⋯⋯ない。」
屋敷の鍵がなくなっている。
あぁ、さっき、まなみちゃんに渡したんだった⋯⋯
「まさか、夢に現れるとはね⋯⋯いや⋯⋯もしかして⋯⋯夢を飛び越えて、ここに来たのかな?」
壁一面の本棚の奥の大きな窓からは月明かりが静かに差し込んでいる。
部屋の中央には重厚な木製のデスクと革張りのソファ。
ソファから立ち上がり窓へ向かう。
「また会おうね⋯⋯」




