第二部 プロローグ
誰もいない静寂の部屋。
カツン⋯⋯と、無機質な足音が冷たい床に響く。
薄暗がりの中を歩み出た一人の男。
彼が足を止め、小さく短く短気混じりに吐き捨てた。
「⋯⋯おい」
「――はッ、こちらに」
呼びかけが終わるより早く、背後の影の中から、息気すら感じさせない男が一意に膝をついた。
「⋯⋯『東の姫』が目覚めたらしいな。確証は取れたのか?」
「はっ。まだ力は不安定ではございますが、覚醒の兆候、間違いございません!」
「ふん⋯⋯下がっていい。」
静かな言外の圧に促され、従者は文字通り影に溶けるように気配を消した。
静寂が戻った部屋で、男はゆるりと窓辺へと歩み寄る。
ガラス越しに見下ろす世界を前に、口元を愉悦に歪めながら低く呟いた。
「東の姫が、やっと目覚めたか⋯⋯」
瞳に怪しい光を宿し、男は遠くを見据える。
「⋯⋯欲しいな⋯⋯」
その声は小さくそして力強い声だった。
その刹那⋯⋯
空が明るく光る。
その声は小さく、それでいて世界を侵食するような力強さを帯びていた。
その刹那―――ッ!
ズ ガ ァ ァ ァ ン ッ ッ !!
紫煙を孕んだ激しい閃光が暗雲を切り裂き、遅れて腹に響くような轟雷が世界を揺らした。
光に照らし出された男の顔には、狂気を含んだ笑みが浮かんでいる。
世界の均衡が崩れ去る音が、遠く雷鳴とともに響き渡っていた。
本日より、いよいよ第二部が開幕します
新たな波乱……!?
パワーアップしたまなみたちの物語を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!
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