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ドキドキと奪還と

「ママ!無事だったの!」

私はママに駆け寄る。

すると⋯⋯

「!!まなみ様!」

ママは私の前で深く頭を下げた。

え?

どういうこと?!

「ママ?」

「まなみ様。奥様と旦那様の命でお守りしておりましたが。この度、西家の洋平様とご婚約。おめでとうございます。東家の使用人としてではありますが、心よりお祝いを申し上げます。」

深々と頭を下げる。

え?どういうこと?

何が目の前で起きているか理解ができない私⋯⋯。

「はーん。やっぱりねぇ」

お菊ちゃんが隣でママを見ながら呟いた。

「お菊ちゃん?何が?」

「だって、ケンケン言ってたじゃない?まなみちゃんのママが、西家にまなみちゃんがいる話をしたって。まなちゃんが東家のお姫様って報告をしたってことだよね?」

⋯⋯確かに。言ってた⋯⋯。ママが言ったってよーちゃん言ってた⋯⋯。

「もしかしてママはやっぱり!」

「うん。洋くんに記憶操作をされてるね。しかも、使用人としての記憶にね。」

そんな⋯⋯

「ねえ!ママ!」

私が近寄ると

「まなみ様?落ち着いてください。どうかされましたか?」

他人行儀に微笑むだけ。

私は言葉も出ず立ちつくす。 

こんなのママじゃない。

「まなみ様。洋平様より、まなみ様とご婚約の際は、まなみ様付きのメイドとしてお仕えするように命じられております。洋平様へご連絡いたしますので、こちらでお待ちいただけますか?」

ママはそう言って深々と頭を下げる。

ママはメイドなんかじゃない!どうして!どうしてこんなこと。

「ねぇ?メイドなんかいいから!思い出して!ママ!」

私がママにそう言うと

「まなみ様?何のことでしょう?」

ママは静かにそう答え首をかしげる。


「まなちゃんっ!説得は後!このままだと洋くんに連絡されちゃうよ!」

お菊ちゃんが私の耳元でつぶやく。

するとその姿をママは一瞬、じっと見つめる。

「!ふぅん。」

お菊ちゃんはニヤっと笑うとママをじっと見つめ。

そして私の腰に手を回した。

え?!なに?!

「まなちゃん。こっち向いて?」

え?お菊ちゃんの方を向いた瞬間。

チュッとほっぺたにキスされた。

!!!!えー?!なになに?!

「おおおお、お菊ちゃん!?」

「しー!静かに!見てごらん?」

え?

言われてママの方を見ると。

ママは目を見開いてお菊ちゃんを見つめている。

「じゃー反対側も」

え?お菊ちゃんは私をギュッと抱きしめると。

「まなちゃん⋯⋯」

小さくつぶやくと、反対側のほっぺたにもチュッとキスをした。

きゃぁぁぁ。

ななななに?!

ふわっと抱きしめられたんだけど。お菊ちゃんは華奢で小柄な感じって思ってたけど。私をすっぽり抱きしめちゃうくらいの大きさで⋯⋯。

ドキドキしてしまって⋯⋯

「おおおおお菊ちゃん!」

私が腕の中でオロオロしてると。


「ちょっと!あなたっ!何?!うちのコに何してんの!!」

バシ!!

えっ?!私の目の前でママがお菊ちゃんの頭を思いっきりはたき倒していた。

え?!

「いててててて。やっぱどこの馬の骨か分かんないやつに目の前でこんなことされたらぶん殴りたくなるよね。母親だもん。

でもさぁ、まなちゃん、僕を意識してくれたでしょ〜?んふふふ。うれしいなぁ。」

え?お菊ちゃん?

と、突然大きな声がした。

「えっ?!まなみ?!え?!ここはどこ?!」

目の前のママはいつものママの雰囲気で、私を見ていた。

「ママ!」

私が駆け寄ると。

「まなみ?!ちょっと!それよりそこ子はだれ?!昼間っからハレンチな!親の顔が見たいわ!」

ママ?

「えへへへ。ごめんなさぁーい。まなちゃんのママ。僕、菊池です。」

お菊ちゃんはテヘって笑うとママにそう言った。

「ママ!大丈夫なの?!ねぇ?!」

ママは私の顔を見て。

「え?何が?え?!ここはどこ?!」

ママは急に頭をうーんと押さえて、置かれてる状況に気がついた感じでオロオロしだした。

「ママ聞いて!大変なの!」

私はお菊ちゃんとざっと状況を説明する。

ママは目を見開いて驚いて。

お菊ちゃんに謝った。

「そんなのはいいから!まずはここを脱出しよう!」

お菊ちゃんは私の手をとって走り出す。

ママは後ろからついてくる。


廊下は⋯⋯思ったより静かで。シーンと静まり返っている。

そこには海達はいなかった。

もしかして、下に?

「急いで下へ向かおう!」

私達は長い廊下を駆け出した。

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