虹色のドア
「まなみ様。力がみなぎっておりますね!」
え?おじいさんにそう言われた瞬間。
パリンっと耳のピアスが割れて床に落ちた。
「ええっ!?割れた?!」
慌てて拾おうとしゃがむと。ピアスは砂のように砕けてしまった。
?!えどういうこと?!
「あぁ。あなたの力を支えきれなくなったようですね。少々お待ちくださいね。」
おじいさんはそう言って部屋を出ていった。
割れちゃった。お守りっておじいさんにもらった虹色に光るピアス⋯⋯。
『ピーまなみ?キニスルナ!お前の力を支エラレナイダケダ!ピー』
ピーちゃんが私の肩に乗ってそう言った。
え?どういうこと?
でもなんか身体の中がモヤモヤする。苦しくはないんだけど。あまりいい気持ちじゃない⋯⋯。
『まなみ!大丈夫か?!ピー』
「ピーちゃんなんか⋯⋯気持ち悪いかも⋯⋯。」
私はその場に座り込む。
「大丈夫ですか?!お待たせしました。これを。」
おじいさんは私の手に何かを乗せる。
何?これ。
よく見ると
「ネックレス?」
ピアスと同じように虹色に輝く石のついたネックレス。ピアスの時と違い、ドロップキャンディくらいの大きさで、透明感のある石だった。光が当たると虹色にキラキラ光る。
「これって⋯⋯」
「まなみ様のお母様から預かりました。あなたの力が戻る時に渡してあげてほしいと。これは、力を安定化させて、まなみ様を守るからと。さっきまなみ様に力を返してきたから⋯⋯と、おっしゃっていました。」
私はさっき会った女の人を思い出した。あの人が⋯⋯お母さん⋯⋯。
「お母さんからの⋯⋯。」
私はネックレスを首にかける。フワっとした感覚。体にあるモワモワとした力が落ち着いて、体にスッとなじんでくる。
気持ち悪さが、スッと消えた。
その瞬間⋯⋯聞き覚えのある声が耳元でした⋯⋯
『⋯⋯未来のまなみ。あなたの力があなたを苦しめることがないように。ママからのお守りよ。大好きよ。まなみ⋯⋯。』
え?
⋯⋯この声はさっき聞いたあの声⋯⋯
ピーちゃんがパタパタと私の周りを飛ぶ。
『まなみ!力!安定シタ!!スゴイ!ピー』
私は自分の体に力がみなぎる感覚がした。
「さて。まなみ様これからどうされますか?」
夢の洋館の中
ソファに腰を下ろす。
やることはまずひとつだけ。
「まずは⋯⋯お菊ちゃんと桜井君を助けたい。一度ケンケンの所に戻ろう。」
『了解ピー!』
でも、どうやって?ここは夢の中。私はあの部屋から出られない⋯⋯。
「お菊ちゃん達の所にどうやって行こう⋯⋯。」
私は考え込む。夢の中で何かできてもどうにもならないよね。
「まなみ様。ここはまなみ様の夢と現実の間。強く望んだ所へ行くことができます。」
え?
どういうこと?
『ピーお菊達のトコロへ強く望メバ。ソコに行ける!ソレガまなみの能力の1つだ!』
ピーちゃんが大声で答える。
「まなみ様。強く行きたいところを念じて、このドアを開けて下さい。あなたの力が導きます。」
おじいさんがそう言って、私の目の前に現れたドアを指差す。
⋯⋯お菊ちゃんと桜井君がいる所へ行きたい!
ドアに手を触れた瞬間。体に電流が走るような感覚。
ザワザワと体の中から力が湧き出して。ドアが虹色に輝き出す。
私は光り輝くドアを開ける。
⋯⋯
「すずり!!」
「り?りー⋯⋯リンス!」
「ス⋯⋯す?スリ!」
「えーまたリ?!んー!リンゴリンゴ!」
「え〜桜井君なにそれ〜。リンゴ2回目〜。」
ドアの中入るとそこは⋯⋯薄暗い所。
目の前に⋯⋯しりとり?をしている人がいる?
「えっ?!」
桜井君とお菊ちゃんとの声がこだまする。
「まなちゃん?!」
お菊ちゃんが立ち上がる。
「お菊ちゃん!桜井君!よかった無事で!!会いたかったよ!2人とも!ケガとかしてない?!」
私は2人に抱きつく。
『ピーオレも!オレもイルゾー!ピー』
ピーちゃんも私達の中に入ってくる。
「まなちゃん!どうしてここ?!え?!なんで?!」
お菊ちゃんが私を見てそう言うと。
『まて!スグ戻れ!ヤツがクルゾ!まなみドアを開けて!ケンケンの家だ!ピー!』
ピーちゃんが話を遮る。
え?!
ケンケンの家!
とにかく戻ろう!!!
私はケンケンを頭に浮かべて。
ケンケン!!!
ドアが虹色に輝いた。
「来て!2人とも!」
私はお菊ちゃんと桜井君の手を引っ張る。
そのままドアの中へ⋯⋯。
⋯⋯
「きゃぁ~!」
ドンっっ!!!ガッシャン!!
「痛たたたた⋯⋯。」
そこは大きな食堂のテーブルの上。
わ!ティーカップ割れてる!
「え?!ここどこ?!」
見回すと。
「ま⋯⋯まなみ?!」
ケンケンと海が目の前にいた。




