忘れられない記憶
「まなみも海も今日は先に行っちゃったの?」
学校の教室でよーちゃんが私達のそばへ来てそう言った。
「え?えっと。あのね。」
私はついもごもごしてしまった⋯⋯。
その時⋯⋯。
「洋くん!洋くん!昨日の数学のノートみせてぇ〜」
桜井くんが横から口を挟む。
わ!ありがとう〜桜井くん。桜井くんのナイスなフォローで救われた私。
やっぱり、よーちゃんをごまかすことって難しい⋯⋯
「桜井くん。いいよ。」
よーちゃんは桜井くんににこやかに答えるとノートを出した。
「わーありがとう〜。このさ、タンタタンって熱く激しい愛の舞をした箇所なんだけどね。」
ん?なんかよくわかんないことを言い出した⋯⋯
「ん?あぁ。加法定理だね。ここはね。」
「え?!真実の愛の歌ってこと?!すごい!」
よーちゃんは、うーんと首を傾げつつも桜井くんに説明をし始めた。
桜井くんの書いてあるものを全てポエム?で読んじゃう能力って、無敵かと思うよ⋯⋯。
「おい!そこオレにも教えて〜。意味が不明だったんだよ。そこ〜!まって!最初から!ゆっくり!!! あと、桜井ちょっと黙れ!意味がわからなくなりすきる!これは愛の話じゃねー!足し算の話だ!」
海も慌てるように中に入ってワイワイ始めた。
私は落ち着いて1人になって、クラスを見回す。
うーん。
お菊ちゃんのことを言う人はいない⋯⋯か。
一度廊下に出て考えてみようかな。
私は教室から離れて廊下に出る。
クラスはいつもと同じで。お菊ちゃんだけがいないけど。誰も何も言わない⋯⋯。
なんかさみしいよね⋯⋯。
と、
「まなみちゃ〜ん。あのね。」
たっつんが私の方にお菓子を持ってニコニコしながらやってきた。
「たっつん美味しそうなクッキーだねぇ。」
「うん。これね⋯⋯えっと⋯⋯えっ?!わぁぁぁ!!」
たっつんの髪がいきなり伸びる。
おどろいたら髪が伸びるたっつんなんだけど。
え?!なんで?!
「わわわわ!まなみ!ハサミ!ハサミ!」
ゆうちゃんがハサミを2個持ってかけよって来る。
私はハサミを受け取るとたっつんの伸び伸びの髪の毛を切る。
「たっつんどうしたの?驚くようなこと私言ったかな?」
私が聞くとたっつんは髪の毛をさらにうにゅうにゅと伸ばしてしまう。
⋯⋯どうしたんだろう⋯⋯。切っても切っても伸びてくる髪の毛。
「たっつん?なんかあったの?」
「まなみちゃん。ぼく⋯⋯なんかこのクッキーで、大事な友達のことを思い出しちゃって⋯⋯」
!!!もしかして!
私は、あっ!て思ったの。
お菊ちゃんと食べたクッキーなのかも?!
だから思い出したのかもしれない。
「たっつん、ひとまず落ちって。私も同じことを思ってると思うんだ。ひとまず内緒にできない?」
私はたっつんの耳元てそうつぶやく。
「まなみ、たっつん驚かしちゃったの?」
ゆうちゃんは髪の毛を切りながら私にそう言ってきた。
「えっと」
「あ、もしかして⋯⋯たっつんもなんか変な感じしたんじゃない?クラスが」
ゆうちゃん?
どういうこと?
「ゆうちゃん変な感じって?」
「ん?うーん。これ、文化祭の時に描いた絵。」
ゆうちゃんは私に絵を見せる。
!!お菊ちゃんとよーちゃんと桜井くんの3人のアイドル姿の絵だった。
「ゆうちゃんこれ!」
「うん。なんか変なのよ。文化祭のスリートップの絵なんだよね。あのさ、おき⋯⋯」
ゆうちゃんがお菊ちゃんって言おうとした瞬間。
私は
「まって!!その続きは後でしたい。今は言わないで?」
そっとゆうちゃんに耳打ちした。
やっぱり忘れてなんかいないんだ?!
ケンケンに伝えなきゃ。
どうやって伝えようか。携帯電話を取り出すと電話をするか迷っていた時。
『ピー今、ケンケンに伝えたピー!』
ピーちゃんが私の肩に乗った。
ピーちゃん。すごい!
「ピーちゃん!」
『今はマダナイショ!分かったな!2人トモ!お口チャック!!イイナ?!ピー』
ゆうちゃんとたっつんにピーちゃんは囁くようにそう言うと。
教室の海の所へ飛んでいった。
『海!バーカ。バーカ。何度説明シテも理解デキナイー!洋平!時間のムダーピー』
ピーちゃんは海の頭ので楽しそうにピーピーはやし立て始めた。




