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神様が操る能力①

「良かった無事到着だね。怪我はない?さぁ、中に入って」

テラスに降り立った私達を迎えてくれたのは、ケンケン。

『ふぅ〜ヘトヘトだぁーピー』

ピーちゃんはどんどん小さくなって、そのまま倒れ込む。

「ピーちゃん!大丈夫?!」

慌てて抱き上げる。

心なしかいつもより小さくなってる感じがする⋯⋯。

『まなみ!ツカレタだけだから。心配するな!モンダイナイ!ピー。

しばらくチカラは使エナイから⋯⋯もうネル!』

そう言ってピーちゃんは目を閉じた。

ピーちゃん!すごい力を秘めてたんだね⋯⋯。

私はピーちゃんの頭を撫でる。

ピーちゃんは気持ち良さそうに眠っている。

「あんなに大きくなるなんて、びっくりだよ。」

「すごいな。ピーちゃん。」

海と2人でピーちゃんを褒めていると。

桜井くんが後ろでポソっとつぶやいた。

「⋯⋯ケンケンくん。相変わらず。私服姿もかっこいいねぇ。しかも大きなお家で⋯⋯。お菊ちゃんちもすごいけど。ケンケンくんの家はそれの倍だよねぇ。」

た、たしかに。

お庭で迷子にならない?ってくらい広い⋯⋯。

「ありがとう。とにかく、座って。紅茶入れたけど。どうぞ。ケーキもどうぞ。」

ケンケンに声をかけられて。フワフワのソファに座る。

ホッと一息。

はぁ⋯⋯紅茶美味しい。

「それで。話の続きなんだけど。」

海がそう言ってケンケンを見た。

「うん。菊さんの存在の記憶が消えた話だよね?

記憶操作のスキルって話は聞いたよね?」

私達は頷く。

うん。ピーちゃんがそう言ってた。

ケンケンは話を進めていく。

「記憶操作のスキルは、極秘スキルだから。存在は一部の人しか知らないスキルなんだ。

この国の中枢にいる。つよい力だ。国を裏から操る力。」

国を裏から⋯⋯。

すごい力なんだ⋯⋯。

「そんな力⋯⋯とても恐ろしいね。記憶を操作するなんて⋯⋯なんでもできちゃうじゃない。」

桜井くんがそう言ってケンケンを見る。

「そうだよ。でもね。記憶を操作できても。これから起こることを操作はできないよね?

それをできる力があるんだよ。そのせいで、今回のことが起こったんだと思う。」

え?それって⋯⋯。

目を見開いた私をみて。ケンケンは頷いた。

「予知能力だね。」

予知能力?そんな力があったら何でもできちゃう。

海は私の隣でびっくりしたような声をあげた。

「おいおい。そんな漫画みたいなスキルがあるのか?きいたことねーぞ!それも、極秘スキルなのか?」

うん。そうだよね。そんな能力聞いたことない⋯⋯。

「そうだね。そのスキルも極秘スキルだね。

この世界には、世界を動かす大きな能力がいくつかあってさ。」

ケンケンは紅茶を一口飲むと。私達を見回して。続きを話しだした。

「いくつか大きな力があるんだけど。例えば僕の家系もその一つだね。治癒の力。すべてのケガや病気を治すことができる力。

不治の病までも治すことができる強い治癒のスキルは、この国の中枢の補佐として携わっている感じかな?」

へぇぇ。すごいスケールの大きな話で。

私はびっくりしてる。

海も、桜井くんも言葉が出ない感じ。

「つづけるね?

その中で世界を裏で操る記憶操作の一族⋯⋯。

西一族っていうんだけど。西家だね。その一族は記憶操作のスキルを持った者の中で一番力の強い者が当主になる。その力を使って、代々国を動かしているんだよ。

そして、西家が自分の力を強固なものにするために欲しい力が、予知のスキルだね。」

「予知って、お菊ちゃんみたいに勘とかそういうのとは違うの?」

桜井くんがケンケンに問いかける。

たしかに!お菊ちゃんの女の勘もそういうかんじだよね?

!!だからさらわれたってこと?!

「いや。菊さんのスキルは、『勘』だね。ちょっとやな予感するなとか、もしかしたら雨降るかもとか⋯⋯みたいな、当たるか、当たらないか分からないもの。それが『勘』

予知っていうのはさ、これから起こることが、わかる能力。当たる当たらないとかじゃないんだ。いつどこで何が起こるかが分かってしまう力だよ。」

!!そんな力があるの?!

「でもさぁ。この人のことを予知したい〜とか、この先を知りたい〜とか都合よくできるものではないんでしょ?パッと明日の夕飯を予知するみたいなそういうものじゃないの?勘は当たらないこともあるけど、予知は当たるみたいな?」

桜井くんがそう言って、テーブルの上のケーキを食べる。

すると、ケンケンは首を振ると答えた。

「突然浮かぶ予知能力とかではなく。この先を予知したいと願ったものを見ることのできる能力なんだ。」

えー?!

そんな力が⋯⋯。

「嘘だろ?そんな力があったら!世の中思いのままじゃねーか!」

海が興奮して叫んだ。

そりゃそうだよ⋯⋯。

ケンケンは海をみて答えた。

「もちろんすべてを予知できるわけじゃないみたいだよ?この先の少しを予知できるとか。制限はあるみたい。」

そうなんだ。

「で、そのスキルの一族もあるってことか?」

海がケンケンにそう尋ねた。

「うん。そのスキルの一族は東一族っていうんだ。

東家だね。ただ、予知能力は、僕達の治癒とか、西家の記憶操作とちがって、気まぐれで、何代かに1人しかでないんだ。しかも女性にだけ。ずっと産まれなくて、いきなり産まれたりね。

そのスキルが産まれると⋯⋯歴史が大きく動くから。沢山産まれたら世の中もおかしくなるよね?だから、神が帳尻を合わせてるのかも?とか言われているんだよ。ただ、東家からしか産まれることはない。突然他で出てくるスキルではないんだ。」

へぇ。

まるで神様が操っているみたいな。不思議な能力⋯⋯。

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