ラブとライク
「いらっしゃ〜い。あ!まなみちゃんも一緒なんだ。お菓子用意して待ってたよ!」
桜井くんの家は私達の家から歩いてすぐなの。
でも、よーちゃんの家の近くでもあるから。
見つからないようにいかなきゃいけなくて。
鳥人間・海の能力をつかって、鳥さんが色々見張りとかをしてくれたんだよね。
無事に桜井くんの家についたってわけ。
「桜井。悪かったな。夜に。」
桜井くんの部屋に私と海とピーちゃんとでお邪魔させてもらって、一息ついて。話をしているとこ。
「ううん。ぜんぜん。あ。お菓子たべてね。このクッキーお取り寄せなの♪おいしいからっ。」
桜井くんはニコニコしながらお菓子を指差す。
『おお!キガキクナ!桜井!しかも!ウマソウダ!ピー。』
ピーちゃんはテーブルの上でお菓子を選んでいる。
そんなピーちゃんをニコニコ見ながら桜井くんは話を続ける。
「⋯⋯で。さっきの話なんだけどね。まなみちゃん。
ぼくさぁ、まなみちゃんに電話する前に、お菊ちゃんち行ってきたんだよ。」
ええっ?!
放課後にお菊ちゃんの家へ行ったってこと?!
「桜井くん。どうだったの?」
「うん。お菊ちゃんちで話を聞いたらさ!
中学卒業して留学してます。って言われちゃってさ!びっくりじゃない?!
やっぱ、なんか変なんだよ!
だから急いでまなみちゃんに電話したんだよね。」
そうだったんだ。
存在はあるけど、ここにはいないことになってる⋯?てことは、お菊ちゃんはどこかにいるってことだよね?
それだけはわかって、私はちょっとホッとした。
「それで、クラスの他のやつにも聞いたんだろ?」
海が桜井くんにそう尋ねると。桜井くんは悲しそうな顔をして口を開く。
「うん。聞いた。
でもさぁ、まなみちゃん以外、みんな今日の欠席はなしだよ〜って言ったんだ。」
そうなんだ⋯⋯。
海がハッとした顔で口を開く。
「そうだ!桜井!洋平なんだって?」
!そうだよ。よーちゃんは⋯⋯
するとキョトンした顔で桜井くんは
「え?洋平くんには連絡してないけど?」
ええっ?!
「なんで?!」
「だってさぁ。お菊ちゃんって、洋平くん嫌いじゃん?あ~嫌い?苦手かな?まぁそんな感じ。だからしなかったの。
よく悪口いってるし。
あ。僕たち仲良しなんだよね。帰りにカフェでお茶するんだけど。そこのケーキが絶品で⋯⋯。今度行こうね♪
で、その時にね、洋平くんのこと、胡散臭いイケメンクソ眼鏡ってよく言ってたからさぁ。」
えー!そうなの?!
クソ眼鏡とまで?!
知らなかったぁ。
桜井くんは続けて話し出す。
「なんかねえ。まなみちゃんのこと好きすぎるのがムカつくんだって。
しかも胡散臭い!っていつもいっててさぁ。
絶対似合わない!っていつも怒ってたよ。
胡散臭いイケメンクソ眼鏡野郎!って。あんなのより海くんのがマシ!って。だからまなみちゃんには、眼鏡クソヤローはやめなって言ったとかいってたよ?ふふふふ。
まぁ、イケメンなのは認めてたけどね。
あれは、まなみちゃんを幸せにできる男じゃない!っていつも言ってたよ。
まぁ、まなみちゃんのこと好きだからさぁ〜お菊ちゃん。ライバルってことなのかなあ?でも、ケンケンくんのことは、かなわないとか言ってたけどね。
でも。僕に言わせると、洋平くんってさ、まなみちゃんのことはラブじゃなく、ライクだと思うけどねぇ。
あぁっ!お菊ちゃんがまなみちゃんのことを好きなのは内緒ね?!」
桜井くんはそう言ってえへへへって笑った。
胡散臭いイケメン眼鏡って⋯⋯。
前に海推しって言ってたけど⋯⋯マシって⋯⋯。
「なぁ。桜井、洋平の⋯⋯そのラブじゃないってどういう意味だ?」
海がせんべいを食べながら、桜井くんに聞いた。
確かにそれ気になった。
「え?海くんがわかんないの?!」
桜井くんはキョトンとした顔で海を見た。
『ピー!海!テメーバカだな!ソコに愛がナイ!ってコトダロ!』
ピーちゃんが横から口を挟んで海の頭を突っついた。
「いてーな。どういう意味だよ!」
「まぁまぁ。ピーちゃんも落ち着いて。
ん〜そうだなぁ。洋平くんのあれは、まなみちゃんへ執着。そこに、好きとか愛とかじゃない感じ。
海くんはまなみちゃんにほら⋯⋯。ねぇ?
目がね、口ほどに物を言うのよね〜。そんな感じかなぁ。」
⋯⋯。
『まなみ?ドウシタ?』
黙っている私の頭の上に乗ってきたピーちゃん。
「ん?なんかよくわからなくて。」
『そうか⋯⋯。よーへいか?アイツ、まなみが好きナワケデハないんだよ。ピー』
ますますわからなくて。
私は考えていると。
桜井くんが私を見て、口を開いた、
「ごめんねぇまなみちゃん。変なこと言っちゃって。でも、お菊ちゃんの女の勘はものすごく当たるから。だから、イケメン眼鏡がクソってことは本当だと思う。」
お菊ちゃんの女の勘は納得。
それはわかる。
「でもほほ⋯⋯ほら!細かい話はとりあえず置いといてさ!
まず、何でみんなが菊池を忘れたのか?まず!それだよな!」
⋯⋯海が焦るように口を挟む。
『オマエ!動揺シスギダゾ!アホが!落ち着け!クソが!ピー』
ピーちゃんが呆れたように海にそう言った。
そんな海を見ながら桜井くんが
「ふふふ。
でも確かに。何でみんながお菊ちゃんを忘れちゃったんだろう。」
そう言って私達を見た。
『桜井!ココからはオレがハナス!ピー』
ピーちゃんがテーブルの上にドンっと座ると。
私達を見回した。
『お菊のことをワスレタノハ、スキルを使われたカラダ。ピー』
え?!
「ちょっと待ってピーちゃん?人を忘れさせる能力ってこと?!
そんな能力があるってこと?」
うちのクラスにはそういう能力の子はいないよね?
私は考え込む。
『まなみ!人を忘レサセルのじゃない。記憶操作のスキルだ。ピー』
記憶操作?
初めて聞く能力。
『ソノ能力は、超特別クラスの極秘スキルだ!人の記憶ヲ操作スル。危険な力だ!!
まなみ!海!オモイアタルコトあるだろ?!ピー』
⋯⋯あ。
私と海は顔を合わせる。
「私達の幼馴染の記憶!」
『ソウダ!もうズット前から、そうやって操作サレテルンダ。ピー』
⋯⋯そんなこと。
「ピーちゃん!どういうことだよ!?どうして?」
海がピーちゃんに顔を近づけてそう尋ねると。
『顔が近いッテバヨ!』
海の顔に蹴りを入れるピーちゃん。
『ソコから先はケンケンがハナスってよ。ピー』
ピーちゃんがそう言った瞬間。
フワっと私達を優しい風が包む。
「え?!」
びっくりして辺りを見回す私達。
『ごめんね。いきなり。ソコは危険だから。』
優しい風の中から、声が聞こえる。
⋯⋯ケンケン?!ケンケンの声だ!
『ケンケン!オレが!力を貸すゾ!コイツらお前の元へ運ぶ!ピー!オマエの力を貸せ!』
ピーちゃんがそう叫んだ。
ピカッとピーちゃんが光り輝いて⋯⋯。
私達の目の前は黄金色に輝き出す。
眩しい!!!
ギュッと目をつぶった瞬間⋯⋯。
フワっと体が浮く感じがして⋯⋯。
「えっ?!えええええっ?!」
感覚はまるでジェットコースター。
ものすごい勢いで体が飛ぶ?感じがした。
「わ!わわわわ!なにこれー!気持ちいいー!」
桜井くんのはしゃぐ声。
私達!もしかして空?飛んでない?!
『静かにツカマッテロ!』
目を開けると。ピーちゃん?!
何倍にも大きくなったピーちゃんの背中に私達は乗って空を飛んでいた。
『ほら!ついたぞ!』
大きなお屋敷というか⋯⋯もうお城?!と言うくらいの大きな敷地に大きなお家の2階のテラスに私達は降り立った⋯⋯。




