パーティーと淡い気持ち
「あ。ここにいたんだね。」
後ろからよーちゃんの声。
振り向くと。海とよーちゃんがいた。
海の持つお皿にはたくさんの肉。
『オイ!オマエ!そんなに肉ばかり!ベンピになるぞ!やさいをくえ!やさいもトリイクゾ!ピー』 「うるせーぞ。」
海は、ピーちゃんに言い返す。
『テメーのことをシンパイしてやってんだ!テメーの保護者とシテナ!こっちコイ!!』
ピーちゃんは海の肩に止まると。
頭をツンツンして、髪の毛を引っ張る。
「いってー。やめろ!」
なんか仲良し。
ピーちゃんは海を引っ張って向こうへ行ってしまった。
「まなみ、あっちにマカロンあったよ。」
よーちゃんが私にそう言ってくれる。
「うん。ありがとう。さっき食べたよ。」
「そうかぁ」
よーちゃんは優しく微笑む。そして私の隣にいたケンケンを見ると。
「堂本さん?来てたんですね。」
いきなり、よーちゃんは私の腕を掴んで引き寄せる。
あれ⋯⋯。
慣れないヒールもあってグラッとバランスを崩した私を
「危ないよ。」
ケンケンがそっと腰に手を回して、倒れないようにしてくれた。
「あ、ありがとう。」
「どういたしまして。大丈夫?」
ケンケンの方を見て、私はなんだか恥ずかしくなっちゃう。
その瞬間
パリンっ。
何かの割れる音。
音の方をみると。よーちゃんが黙って立っていて。
あ⋯⋯よーちゃん?
よーちゃんは無言で手に持つお皿を見つめている。
その目は何も考えていないような、無心の目。
メガネの奥の目が冷たく光る。
え⋯⋯。
「よーちゃん。どうしたの?」
私の声を聞いたよーちゃんは。
「あ。ごめん。ぼーとしちゃってた。」
顔を上げたよーちゃんはいつもと同じ⋯⋯。
ケンケンはそんなよーちゃんを黙って見つめていた。
「よーちゃん。お皿ヒビ入ってない?」
手に持つお皿には亀裂が入っている。
「えー?ほんと?じゃあ取り替えてくるね。何か食べ物を見てこようかな。」
よーちゃんはそう言って微笑むと、食べ物が並ぶ方へ行ってしまう。
よーちゃん?
「まなみ?足首は大丈夫?」
ケンケンは私の足をみる。
「大丈夫だよ。」
2人で微笑み合う。
ケンケンは私を見つめて
「その服ほんとに似合ってる。着てくれて嬉しいよ。」
優しく微笑む。
「ありがとう。本当に素敵で。こんなに素敵なものいただいちゃって。いいのかなぁって。」
「似合うと思って。まなみに着て欲しかったんだ。突然送っちゃってごめんね。」
ドキドキといつもと違う温かいものが私の体を包む。
なんだろうこの感じ⋯⋯。
その時。
「まなみ〜!ちょっと2人!むこうで見てたけど!尊い!ヤバい!って思ったら手が止まらなかった!」
ゆうちゃんがまくしたてると。
私に1枚の紙を渡す。
大きさはハガキくらいの紙。
そこには
私と、ケンケンの姿。
えっ?!
「もう手が止まらなかったよぉ。」
ゆうちゃんの能力は見たものを瞬時に絵に描ける能力。
いつ見てもすごい!!動き出しそうよ!
「はい!これ!堂本さん!今度、色つけたの渡すからね!じゃ!ごゆっくり!!」
ゆうちゃんは描いた絵を渡して、さっさと向こうへ行ってしまった。
「えっ。すごいね⋯⋯これ、描いたの?」
ケンケンは受け取った絵を見て、感心した顔でゆうちゃんの絵をみつめた。
「うん。ゆうちゃんの能力だよ。」
「すごいんだねぇ。」
「Eクラスだってけっこうすごいんだよ?Aクラスはもっとすごいんだと思うけどさ。」
私がみんなの方を見ながら言うと。
「まなみのスキルはすごいよ?海くんだって。
みんなそれぞれすごいと思う。上も下もないよ。」
ケンケンはそう言って私を見る。
「うん!そうだよね!ありがとう!嬉しい!」
なんか、Aクラスの人に言われると認められてる気がするよ。
でも。AクラスとかEクラスとかなく。みんな平等ならいいのにな。
『まなみー!まなみー!ピピピー』
ピーちゃんが私の肩に止まる。
「わ!ピーちゃん!」
『オイ!お前!少しまなみに近すぎだぞ!ズウズウシイな!ピー』
「ピーちゃん。まだマカロンあるよ?食べる?」
ケンケンが、マカロンを1個ピーちゃんに向ける。
『!!!お前!ダイスキ!』
ピーちゃんはケンケンの肩の上でマカロンを食べる。
ピーちゃんかわいいなぁ。
「ピーちゃん。あまり騒ぐとみんな驚くから。ほどほどにだよ?」
私が言うと、ピーちゃんは私の肩に飛び移る。
「まなみ!ダイジョウブ!!オレ!ぬいぐるみのフリうまい!!!ピー!!
おいケンケン!!マカロンもっとモッテコイ。」
ピーちゃん⋯⋯。
「まなちゃーん!ビンゴやるよぉー。景品はうちの製品だから!」
お菊ちゃんの声。
え?!kikuchiの製品?!
あのCMの美顔器とか!マッサージ機とか!ツルツルになるあれとか?!!
やだ!!ほしい!
「ケンケン!いこう!!ビンゴ楽しみ!当たるかなぁ。」
「当たるかなぁ?僕の分も当たったら持っていきなね。」
楽しい時間はあっという間だった。




