内緒話とバーベキュー
お菊ちゃんの別荘はほんとにすごくて!!
プールでみんなで遊んだあとは、広いテラスで、バーベキュー。
本当に!すごい!豪華!!
みんなとたくさん話して食べて大満足してしまった。
しかもね!
でんでんはゆうちゃんを気に入っちゃったみたいで。んふふふふ。
飲み物とってきたり食べ物とってきたり。
かいがしく動き回ってる。
「でんでーん。お肉焼いて。」
「おー!」
いそいそとゆうちゃんの言うことを聞いてる(笑)
「でんでんくんは彼女をきにいっちゃったんだね。」
私の隣にケンケンが来てそんなことを言った。
私たち2人。テラスの端でジュースを飲みながら話を始める。
「本当だね。なんかでんでんも普通の高校生って感じでさ。なんかAクラスとかEクラスとか、関係ないよね。ちょっとホッとしちゃった。」
AクラスとかEクラスとか大きな壁みたく思ってたから。
話せばみんな同級生なんだなって。
こんなふうにみんなで仲良くできらいいのに。
能力とか関係なしに。
「うん。そうだね。」
ケンケンはあまりお友達もいないって言っていたから。
AクラスはAクラスで大変なんだろうな。
「ケンケンはクラスではどんな感じなの?」
私が聞くと、ケンケンは遠い目をしながら答える。
「そうだね⋯⋯。
こういう風に雑談とかはしないかな。みんなでお互いのスキルを観察してるみたいなさ。
野外研修とかで君たち3人を見てて、羨ましかったよ。いまもそう思う。
スキルなんかない世界に生まれて、自由に生きたいよね。」
「⋯⋯ケンケンは自由が欲しいの?」
ケンケンは私の問いかけに、小さく微笑むと
「自由ってどんなのだろうって思うよ。でも、今こうしてるのも、自由な時間かな?って感じる。
初めてだよ。こういうの。
ありがとう。でんでんくんもああ見えて、貴重なスキルなんだよ。
結構不自由な生活だと思う。
だからあんなに楽しそうに過ごすのをみたのは初めてだな。彼も嬉しいと思う。」
そうなんだね⋯⋯。
「どの能力になるかなんか生まれなきゃわからないのにね⋯⋯。持った能力でこんなに差があるなんて。」
私がそう言ったその瞬間。
フワっと私の周りに暖かい風が舞う。
あ⋯⋯これ。
「うん。こんなところでごめんね。内緒話になっちゃうから。」
「ケンケン?」
「能力は、遺伝もあるんだよ?」
ケンケンはそう言って私を見る。
え?そうなの?
「私、能力は何を持って生まれるか生まれなきゃ分からないって習ったよ?」
「そう⋯⋯。表向きはね。」
ケンケンは、私を見てそうつぶやいた。
どういうこと?
「例外があって。つよいスキルは遺伝する。うちは代々男子に治癒のスキルがでているよ。」
え?!そうなの?!
知らなかった。
「うちは、ママは水なの。だから私は水を使えないから。そういうのは遺伝しないのかな?」
「生活スキルはしないね。でも⋯⋯まなみのお父さんは?」
「うーん。産まれたときにはもういなくて。どうも、無能スキルだからママと私を捨てて出ていったみたい。」
ケンケンは驚いたように私をみる。
「本当に?そうなんだね。ごめんね。聞いてしまって。」
「いいのいいの。ママだけでとても幸せに育ててくれてるから!」
「そっか。それは良かった。」
ケンケンはフワっと笑った。
「ケンケンさっきの遺伝の話ね。」
「うん。強い能力はね。だから、こうやって、Aクラスとかにね、分けて管理されてるんだよ。でも。強い能力が全然関係のない能力から生まれることもあるんだ。だからそこはまだ研究中なのかもしれないね。
Aクラスは、研究対象みたいなものだよ⋯⋯。」
⋯⋯そうなの?
AクラスはAクラスでそんなふうに管理されているって話をきいて。
私も能力のない世界に生まれなかったなぁって思った。
「でも。まなみと友達になれてうれしいよ。今後も仲良くしてほしいな。」
ケンケンはそう言って私に右手を差し出す。
「もちろん!!」
右手を出して握手。
なんか、くすぐったいな。
優しい風がフワっと消えていった。




