野外研修⑧
「んん。キノコご飯ヤバいな! 激ウマ!」
でんでんはキノコご飯に首ったけ!
「釣りたての魚も激ウマ〜。」
くるみんは、魚を何匹も食べてる。
気に入ってもらえてよかった!
夕飯は6人で料理。
まぁ、炊き込みご飯と魚焼いて⋯⋯とかだけどね。
でんでんと、くるみんは⋯⋯ほんっとに何もできなくて。笑っちゃった。
お米石鹸で洗うの?って聞いたしね!
堂本さんも、同じようなものだったけどね。
やっぱ、Aクラスの人達はさ、能力が高いから、お金持ちが多いらしいってほんとね。
使用人がみんなやってくれるって。くるみんが言ってたよ。
そしたら海がね。
『何でも人にやってもらうと、何もできなくなって、ボケるぞ!』って脅かしてた(笑)
でも、そんな雑談もできるようになったから。
良かったのかな?
でも今日は疲れちゃって。
適当に話をして盛り上がって、みんなテントでぐっすり寝てしまった。
でも⋯⋯私は目が冴えちゃって。
また、ひとりテントの外。
ぼーっと星を見ていた。
「また。寝れないの?」
後ろから声。
「堂本さん。」
堂本さんが、私の後ろにいた。
「じゃあ。ちょっと内緒話をしよう。」
フワっと私の周りに何か温かいものが⋯⋯
これは⋯⋯
風の結界?
「色々あったけど。楽しかった。」
堂本さんはそう言って私の隣に座る。
「あ。私もです。」
「でんでんに、くるみん。ねぇ? 僕にもあだ名つけてよ。あだ名なんかつけてもらったことないから。」
堂本さんは私にそう言ってフワっと笑う。
「えっ⋯⋯名前知らないし⋯⋯。」
「あぁ。堂本健一。よろしくね。」
「けんいち⋯⋯じゃあ⋯⋯ケンケンだ。」
「ふふふ。ケンケンか。ありがとう。生まれて初めてだよ。あだ名って。なんかくすぐったいね。」
堂本さんはそう言って空を見上げる。
キラキラ光る星空。
「えっと。堂本さん?」
「ケンケンでしょ?」
「あっ。ケンケン⋯⋯」
「なぁに?」
ケンケンは、嬉しそうに私を見る。
「ケンケンは⋯⋯。私の能力⋯⋯危険って言ってたよね?」
「あぁそのこと? 夢は記憶のデータバンク。そう言われているよね?」
「うん⋯⋯」
確か、夢は自分の覚えていなくても頭の引き出しにあるデータからできるって言うよね。
だから夢って結構バカにできないって聞く。
「その夢をあやつれるスキルなんて、僕は聞いたことない。ましてや予知夢なんて⋯⋯。」
そう⋯⋯なの?
「でも。ケンケン! 私!操れたりはしないよ?」
「ものを持ってきたりはできるとか?」
⋯⋯。
ギク。
「そ、そんなことないよ。」
「ふぅーん。そう。でもね、気をつけて。君のスキル。
今日みたいなことを学園が気がついたら。色々調べられるだろうし。自由はなくなると思う。
学園はさ、色々な専門機構も持ってるグループだから。この高校だけじゃないからさ。だから、目をつけた能力は、研究対象になったりするんだ。」
「え?? 私、Eクラスだよ?け、研究対象!!?」
「うん。だから気をつけて?
でも。ステータスがほしいなら。Aクラスにおいでよ。クラスメイトになろう。慣れたら慣れたで居心地はわるくないかも。
みんなにチヤホヤしてもらえるよ?
僕も⋯⋯まなみとクラスメイトになりたいな。」
ケンケンは私を見てそう言った。
「え〜。私はいまのままでいいなぁ⋯⋯。」
「そっか。」
あれ⋯⋯
「今⋯⋯名前。」
「ん? まなみ。君の名前だよね? 昼間、彼らが君のことそう呼んでた。」
「あ。うん。私の名前です。」
「間違えてなくて良かった。」
「えっと。ケンケンは複数能力あることは、内緒なの?」
ケンケンは星空を見上げながら答える。
「うん。あとから気がついたスキルだからね。成長するにつれて、スキルは進化したりするでしょ? そういう感じで分かったから。誰にも分からないようにしてた。」
そうなんだ。
でも。自由がなくなるのはやだなぁ。
「ケンケン、自由がないって、放課後お出かけしたりとかしたことないの?」
「うん。ないなぁ。まなみは、放課後どっかいくの?」
「ん〜いくよ。友達とケーキやさん行ったり。お買い物行ったり。」
これ終わったら、ゆうちゃんとケーキいくし。
「そっかぁ。いいなぁ。」
「行ったことないの?」
そっか⋯⋯
ボディガードとか付いてるって言うもんね。
のんびりケーキなんか無理なのかな?
「今度さ、連れて行ってよ。」
「え? いいけど。」
「ボディガード撒けるようにしとくね。」
えええっ?!
しれっととんでもないこと言った。
「ボディガードさんも一緒にいっちゃうのは?」
「ふふふ。いいかも。じゃあ約束。」
ケンケンは私に小指を向ける。
「あ。指切り?」
「うん。こういうのもしたことないから。新鮮。指切りしよう。」
私は自分の小指をケンケンの小指に絡めると。
「えっと。指切りね。」
ケンケンと指切りをした。
「さぁ。そろそろ寝ないと。明日で終わりだけどね。楽しかった。
また、学校で会おう。」
ケンケンはそう言って立ち上がる。
フワっと風が抜けていく。
見上げると
さっきよりキラキラ星が輝いていた⋯⋯。




