表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/26

野外研修⑦

「君は⋯予知能力なのか? 夢で見たっていったね? ⋯⋯!予知夢?!」

静寂を破ったのは、堂本さん。

「⋯⋯」

私はなんて答えていいかわからない。

どうしよう⋯⋯。

「小泉さん。君のスキルは⋯⋯Eクラスに置いておいてはいけない。危険なスキルだ。」

堂本さんが私に近づくとそう言って、私の目の前に立つ。

「あ⋯⋯。待って。」

私は辺りを見回す。

ママと誰にも言ったら駄目って約束。

それにここは学園の敷地。

先生たちが見ているかも⋯⋯。

「心配ないよ。あの怪物が出たときに、風で結界をはった。今はこの中のことは、見えなくなっている。それより、君のスキルなんだけど。予知夢? 予知能力かな? なんでEクラスに?」

結界まで張れるんだ⋯⋯。

すごい⋯⋯。

でも、さっき⋯⋯危険なスキルって⋯⋯言った?


私はかすれる声で答える。

「え? 予知夢? よくわからない。たまたまなんとなく弱点が分かったってだけで。」

しどろもどろになる私。

「たまたま? そもそも君のスキルは?」

堂本さんがじっと私を見る。

「私は夢を見るだけ。大したことないの。それだけ。ただのEクラスだから!

本当に無能スキルなの。」

絶対に細かいことを話しちゃいけない気がした。


「そんなことより。堂本さん。あなた、複数スキルなんですか?」

よーちゃんは私を庇うように前に立つと、堂本さんにそう尋ねた。

複数スキル。

普通ひとつのスキルしか持たないんだけど、稀に複数のスキルを持つ人がいるらしいの。

でも本当に珍しくて、めったにいないって言う。

私は話だけしか聞いたことがない。

そんな人がいたら、国は絶対にその人を離さない。

特にAクラスのような能力なら⋯⋯。

「あぁ。治癒と風。2つを持っている。」

そう言って堂本さんは私のほっぺたに触れる。

「え?」

「すりむいていたから。」

温かい何かがほっぺたに当たると、私のすり傷は消えていた。

「治癒の能力と、風。2つなんですね?」

私が言うと、堂本さんはゆっくり頷く。

「そうだね。風は、生活スキルだから。スキル的には大したことないんだ。だから、隠し通していたんだけどね。これ以上自由がなくなりたくないから⋯⋯。

⋯⋯そうだね。僕のスキルのことと、君のスキルのこと。お互いに見なかったことにしよう。内緒だ。」 

堂本さんはふっと笑って私を見た。

私は小さく頷く。


と、その時。

「んんんん⋯⋯。」

向こうででんでんとくるみんが起き上がる声がした。


「は!さっきの!怪物は?!」

でんでんが起き上がる。

堂本さんはそばに行くと。

「やっと起きたか。疲れて眠ったときは、びっくりしたぞ。何か変な夢をみたのかな?」

え?!

堂本さんは2人にそう言って。

「でんでんくん。くるみ割りくん。テントへ戻って夕飯の支度をそろそろしよう。君たちのお昼寝を待っていたから遅くなってしまったよ。」

堂本さんはそう言って私達を見た。

うん。夢ってことにできるならそのほうがいいよね。

「でんでんと、くるみん。疲れた〜ってお昼寝はじめちゃったんだよー?でもね〜私も心地よかったからウトウトしてたよ。森って気持ちいいよね。」

私がそう言って2人に笑いかけると。

2人は顔を見合わせて。

「夢?」

そして辺りを見る。

辺りは静かな森。

鳥のさえずりが聞こえる。

気持ちのいい風が吹き抜ける⋯⋯。

「そっか夢か⋯⋯。」

2人はそれ以上何も言わなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ