自慢の幼馴染
「まーちゃん!!起きて!」
んんんんっ。
いい夢の時は起きたくないなぁ。
ママがゆさゆさ揺らすから。
うっすら目を開ける。
「まなみ!海くんと洋くんが来てるわよ!」
ええー?
「え?!そうなの?!ママ!もう朝?!」
「もう~何度も起こしてるのよ?」
ママの呆れた顔。
やばー!
朝7時!
7時5分に家を出るのに!
私は全力ダッシュ
目にも止まらぬ勢いで制服に着替えて、
ママが口酸っぱく『日焼け止めはしなさい!ママみたくしみだらけになるよ!』っていうので⋯⋯。
日焼け止めをぬって、
玄関に駆け出す。
玄関には、
海とよーくんが立っている。
「わー。2人ともごめんねー!!」
靴を履きながら謝る私。
「まったく毎朝だな。お前。目覚ましもっと買え!」
呆れたように私を見るのが、木ノ下 海。
海だ。
「大丈夫だよ。まなみ。あんまり慌ててるから、寝癖ついてるよ?」
優しく私の髪の毛をすいてくれるのは、よーちゃん。
西園寺 洋平。
よーちゃん。
2人は私が、生まれた頃からのご近所さんで、ずーと一緒。
「まったく。お弁当わすれないでね。気をつけていくのよー?今日も2人ともイケメンねぇ。」
慌てる私にお弁当をわたして、2人をのんびり見つめるのは私のママ。
まぁ、海とよーちゃんはイケメンなのよね。
海は日焼けした健康的なイケメン。
よーちゃんは知的なイケメン。
2人とも私の自慢の幼馴染なんだ〜。
私はポケットからクッキーを取り出すと。
「んーやっぱママの作ったクッキー激ウマ〜。さぁて、行きますか〜。」
と、後ろからママの声。
「まなみ?ママ、クッキーなんか⋯⋯?あぁ!またあれね⋯⋯。まなみ!!」
「はっ。はーーい。ごめんなさぁ〜い。
ママ!行ってきまーす!」
慌ててクッキーを飲み込むと玄関を飛び出した。
学校は3人とも同じの公立高校。
一つ違うのは⋯⋯
「おっ。無能トリオじゃん」
学校の門を入ると通りすがりに嫌な言い方。
そうなんだよね。
私たちはみんなスキルっていうのを持って生まれる。
いろんなスキルがあって。
スキルは3つに分類されるの。
上級スキル。
これは病気を直したりする治癒とか。
電気を作ったり。
簡単に人ではできないすごいスキル。
生活・雑用スキル
これがこの世界の人の大半って言われてるの。
あったら便利だけと。やろうとしたらやれるもの。
たとえば⋯草を一瞬で刈り取るとか!
米をフッカフカに瞬時に炊くとかさ。
ママのスキルもこれなの。お水を出す。
ママはそのスキルをつかって公務員として働いている。
で。3つ目は⋯
無能力スキル
上記に属さないスキルをみんなまとめてそういうんだけどさあ。
ハズレスキルって言われてて⋯⋯。
たとばねぇ。
同じクラスの高橋くんは
「チキンナゲットをいくつ食べても太らないスキル」なの!
わたしはものすごいって思うのね。
だだだって!太らないんだよ?女子高生の憧れよっ?!
私!高橋くんに握手求めちゃった!
『乙女の夢です!!』って。
でもね。そんな食べる必要もないし。誰でも食べれるものを沢山食べれるからなんだってことで。
無能スキルなんだ。
それで。私たち3人も⋯⋯
海のスキルは⋯⋯
「お。あいつの頭の上にフン落とすってよ!うひひひ。」
そばを飛ぶハトを見つめて海が悪〜い笑みを浮かべる。
すると
「ぎぁぁぁ」
さっきの嫌な言い方をした男子の頭にハトのフンが落ちた。
グッジョブ!ハトさん!
「さすが!ハト男!」
「まて。まなみ!ハト男はやめろ。」
海の能力はハトの声が聞こえる能力。
すごいんだよー。
雨降るよ〜とか聞こえるみたい。
でもハトの声が聞こえるのがなんなの?
ってわけで。それも
ハズレスキルなんだ。
「海。ハトさんさすがだね。こういうとき僕は仕返しできないもんなぁ」
にこやかに笑みを浮かべるよーちゃんのスキルは。
「あのねぇ。よーちゃん?そしたら鉛筆早刷り大会で打ち負かしてやればいいよ!
か!鉛筆キンキンにとんがらして、机にならべておくとかは?!」
「ぷっ。それいいなぁ。洋平!」
よーちゃんはニッコリ笑うと
「そうだね。2人ともありがとう。」
よーちゃんのスキルは
鉛筆を削るスキル。
鉛筆削り使わないで削れるの。
もうね。小学生の時なんか。毎日削ってもらってたの。
しかもね!ゴミでないんだよ!チョーエコ!
チョーすごい!
でも。鉛筆削れるだけなんて。
ハズレスキルなんだって。
ゴミも出なくてエコなのに⋯。
でもねぇよーちゃんは。
ものすごい頭がいい!
学年首席!
高度な能力がない人が首席になるのはよーちゃんが初なんだよ!
だからよーちゃんだけはみんなハズレスキルとは言えないんだよね。
もう知力がスキルじゃない!!って感じ。
で⋯⋯
私。私のスキルは⋯⋯
この中では一番しょぼい。
便利もなければエコでもないの。
『夢を見る』
それだけ⋯⋯。
ほら寝と夢見れるよね?それ。
でも。一緒に寝たら同じ夢を見れるお得はあるよ?(笑)
ただ。夢は誰でも見るからさ。そんなスキルはゴミとか言われてる。
でも、うちはママが!
『夢を見るスキルなんて他にないものなんだから!素晴らしいのよ!』
って小さい頃から褒めてくれるから。
私はこのスキル嫌いじゃない。
馬鹿にされるけどね⋯⋯




