野外研修⑤
目の前に大きな怪物。
はじめは5メートルくらいの大きさだったの。
大きなツノが頭に3個生えて、2本足で立っている怪物。
顔はあまり良く見えない。
その怪物は火を吸ってどんどん大きくなる。
光が当たると、またどんどん大きくなる。
なに?! これ!!!!!
すると右耳のこめかみのところが赤く光る。
あそこはなぁに?
⋯⋯
「きゃっーー!」
ガハッ!
私は起き上がる。
はっ!! 夢か⋯⋯。
「まなみ? 大丈夫?」
隣で寝ていたよーちゃんがそう言って起き上がる。
「あ。うん。なんか変な夢見ちゃって⋯⋯。」
「どんな?」
よーちゃんが私の顔を覗き込む。
「夢? 怖いやつか? 面白いやつか?」
海も起き上がって私に尋ねる。
「ん〜なんか怪物が出てくる夢。でも、あんまり覚えてないかも。」
なんか、うっすら覚えているくらいなの。
「大丈夫だよ。嫌な夢は人に話せば消えちゃうよ。気にしない気にしない。」
よーちゃんがそう言って、私の頭を撫でる。
⋯⋯そうだね。気にしないようにしよう。
私は両手でパンっとほっぺを軽く叩いた。
うん。スッキリさせよう!
「そうそう! ただ水に釣り糸を落とすだけじゃないのね。時々そうやって、魚に餌っぽく見えるように動かしたりするの。」
でんでんと釣りをしながらアドバイス。
「お? おお⋯。」
「ほら! でんでん! 引いてるぞ!」
海が横から言うと、
「おおお!!」
ああっ、いきなり引いたら駄目!
「あーゆっくりね! 焦らない!」
でんでんはゆっくり引き上げていくと。
「おおおお! 釣れた! 魚動いてる! すごい!!」
うんうん。すごいすごい!!
あれから、みんなで釣りしに行ったの。
堂本さんが「みんなで釣りをしようよ」「わからないから、教えてもらおう。」って言ってくれて。
でんでんもくるみ割りも、素直に私達の話を聞いてる。
なんか昨日が嘘みたいね!
普通に楽しいこと同じじゃん♪
「もっと釣りたい!」
でんでんが張り切って釣りを続ける。
「あ! くるみ割り⋯⋯くるみん! くるみん! 引いてる! 引いてる!」
「え?! どーすんの?! これ!」
意外と楽しんでるじゃん!
「結構釣れたねぇ。でんでんもくるみんもたくさん釣れたじゃん〜すごいよ!」
私がバケツの中を見て言うと、2人は誇らしげに笑いながら、
「まぁな! 釣り楽しいなっ!」
「ほんとだな!!」
2人で口々にそう言った。
昨日は仲良く話すことなんかできないって思ってたけど。
まぁ、何とかなってきた感じだね。
「まなみ。木の実も取りに行こうよ!」
よーちゃんがそう言うと、
「おおお! 行く! 木の実!」
でんでんも張り切ってよーちゃんの方を見る。
「じゃあさ、みんなで行こう〜。せっかくだからね。お魚はちょっと置いといてさ。」
「だな!」
6人で森の中へ入っていった。
森の中は涼し気。
木の間から太陽の光が漏れてきて。なんか幻想的。
鳥の声もする。
「あ! あの木の実!美味しそう〜。」
私が指差すと、
「おお! ちょっと高いとこにあるな! じゃーオレ登って落とすからさ。拾え〜。」
海がどんどん登っていく。
野生児! 海! さすが!!!
「おおおおお。すげーなおい。」
でんでんとくるみんが海を見て驚く。
「ほんとだね。彼はすごいね。」
堂本さんも木をスルスル登る海を見つめてつぶやいた。
「おーい、でんでん! くるみ割り! 落とすぞ〜拾え〜。」
でんでんとくるみんは楽しそうに落ちてくる木の実をキャッチしてる。
「まなみ! このキノコも食べられるね。」
よーちゃんが指さす。
「うん。おいしいやつだ〜。」
炊き込みご飯にしたい〜!
「こっちは?」
堂本さんはカラフルなキノコを指さす。
「あっ。それは駄目。毒キノコだ。触らないで。」
よーちゃんが、堂本さんに伝える。
「すごいなぁ。」
んふふふふ。
「おーい。木の実たくさん取れたぞ〜」
でんでんが両手に抱えてやってくる。
「今日はさ。キノコの炊き込みご飯と、お魚と、果物で。豪華にできるね!」
私はキノコを堂本さんとたくさん取った。
「オレっ。キノコの炊き込みご飯好きだ!」
くるみんがそう言って、私の取ったキノコを持ってる袋に入れていった。
美味しいのできると思うよ〜!!
森の中はとても穏やかで。気持ちがいい。
一仕事終えて。
グーッと体を伸ばしたその瞬間⋯⋯。
奥から、
ドォォォン
何か大きな音がした。




