野外研修②
目の前に3人。
1人は小柄な金髪のつり目。
もう1人はガタイの良い四角いお顔の黒髪。
もう1人は整った顔立ちのスラリとしたモデルみたいな人。
⋯⋯
目の前のAクラスのAグループの3人。
「えっと、よろしくお願いします。まずは自己紹介かな?」
私がつぶやくと。
「そうだね。僕は西園寺です。彼は木ノ下、彼女は小泉です。」
よーちゃんが私達の名前を伝えてくれて。
すると相手の3人は、
「Eクラスの名前なんか覚える気ない。時間の無駄。存在も無駄だなっ。」
⋯⋯金髪つり目がそう言った。
横で、四角いお顔がうなずいている。
⋯⋯
え。そういう人達なんだ⋯⋯。
「スキルは?あーEクラスだからくだらないのだよな?聞かなくていいや。
ちなみにオレは電気。
こっちは、火。」
金髪のつり目が電気。
四角いお顔が火ね。
じゃあ、こっちのモデル男子は?
「えっとこちらは?」
私が聞くと、
「小娘、お前知らないの?この方を。さすがEクラス。バカで無知。しかもブス。」
えー⋯⋯
なにそれ。
知らないよぉ。
しかもブスって初対面で言う?!そりゃ大して可愛くないけどさぁ。
私は困ってしまって
よーちゃんと海を見る。
すると、よーちゃんがこそっと、
「まなみ、あの人が堂本さんだよ。あと、まなみはブスじゃないから。」
!!ありがとう!!
で、
え?なんだっけそれ。
だれだっけ?
全く知らない人。
「まなみ!ほら、前にクラスで話題になっただろ?!」
海もコソコソ耳打ち。
⋯⋯
んー。
あっ!誘拐未遂!
思い出した!!
あれだ!ボディガードついてる人だ!
あたりをそぉっと見回した。
⋯⋯学校ではボディガードいないのかな?それとも隠れてたり?
「まったく、こんなEクラスのやつらとグループ組むなんて。時間の無駄でしかないよな。しかもこんなブス。」
「まったくだ。」
金髪つり目と四角いお顔が2人でそう言うけど。
何なのよね。この人たち。
なんかムッとしちゃった私。
またブスっていった。
名前くらい知らなきゃ困るじゃない。
これから2泊もテントですごすのよ?!
それなら。仕方ない。
ブスって言ったお礼もしないと!
「あの。お名前教えていただけないと。不便です。」
私は勇気を持ってAクラスの3人に伝えた。
「あ?必要ねーよ。ブス!ドブス!」
なにこいつ。
「じゃーいいです!適当に呼びますね。
あなた電気だから、でんでん。そっちは⋯⋯火だから⋯
あ!くるみ割り。あとそっちは、よーちゃんが堂本さんって教えてくれたので、堂本さんで。」
「おいまなみ!くるみ割りって、あれかよ?わかる!似てる。」
海が思い出し笑いしながら、即座に反応した。
そうなの。小さい頃持ってたくるみ割り人形にすごく似てるのね。
四角いお顔が。
ガクガクした顎があんな感じ。
体もあんな感じ。
そっくりなわけよ!
本当は火っていうし、炎くんとかって思ったけど。
くるみ割り人形が出てきちゃって!
横を見るとよーちゃんも吹き出していた。
「てめぇ。このドブス!なんだよそれ。」
でんでんが私に掴みかかる。
と、その腕を振り払うと、
「でんでんさん。やめてください。汚い手で彼女に触らないで。それに、彼女は、ブスではない。」
よーちゃんがそう言って私の前に出る。
海も、
「女性には丁寧に。あ。Aクラスは男クラ(男子のみのクラス)か?そういうのは習わないのか〜?意外と野蛮なんだな!」
笑っているけど、鋭い目ででんでんを見た。
「調子に乗るなよ。Eクラスの分際で!」
くるみ割りが睨みつけてくるけど。
体も大きいから威圧感あるんだけども⋯⋯
くるみ割りって思ってみると。逆に可愛い。
堂本さんって人はさ。黙って立ってるだけ。
この人は何なんだろう。
私がチラッと堂本さんをみると、私に視線を移した。
そして、ため息をちいさくつくと。口を開く。
「いい加減にしよう。今は野外研修だよ。」
ほんとにそれ。
「堂本さん!こいつらこのままでいいんですか?!」
なんかさ、でんでんと、くるみ割り、舎弟みたいじゃない?
「2人は、女性にブスと言うのは失礼だよ。そこは反省しないといけない。あと名前を教えないなら。そう呼ばれても仕方がないだろう。」
堂本さんはでんでんとくるみ割りに伝えると、
私達をみて、
「3日間よろしく。2人が失礼なことを言いました。」
そう言って私たちを見た。
え!意外!!!
ちゃんとしてるんだ。堂本さん!
好印象だよ!!
後でゆうちゃんに教えてあげよーっと。
「さて。テントは立てたから。」
テントはクラスごと。
2個のテントを立てる。
もたもたやってるから、私たち3人でさっさと、2つのテントを立てた。
あの3人そういうのできないのね。
しおり見ながらもたもたしちゃってて。
見てられないの。
日が暮れちゃうよ。
「じゃー、暗くなる前に私達で何か食べ物取ってこよう〜。
でんでんとくるみ割りと堂本さんは、お水そのタンクにくんでおいてもらえますか?」
私はAクラスの3人にそう伝えると、
バケツとリュックの中から折りたたみ釣りセット!
をもって立ち上がる。
「あ。米炊いといてください。」
海もそう言うと私の隣に立った。
米だけは学校から支給。
あとは自給自足なんだって。
なかなかいきなりのサバイバルだよね♪
Aクラスの人たちは能力が高い分、お金持ちの方々だから。
学校でも家でもチヤホヤされているんだけど。
そういう人たちに、こんな野外研修なんてやらせる必要あるのかな〜?
高校卒業したら、さらにその上の専門課程に進んで、研究者とか⋯⋯。
大企業とか、国家公務員とかエリートな道がまってるわけじゃない?
そんな人たちにキャンプなんてねぇ。
あー!だからこそ、キャンプなのかな?
普段やらないことを学生生活で経験?みたいな。
あと、Aクラスは男子のみ。
能力って、高い人は男性が多いんだって。
そういうのもあるから余計女性を見下す人が増えるんだよね。
でも。ドブスなんて言われたことないよぉ⋯⋯。
急に思い出しちゃった。
「まなみ?行こう?どうしたの?」
よーちゃんが心配そうに私を見た。
あ!いけない!今はキャンプを楽しもう!
「いこう〜お魚と木の実とりたいね〜。」




