野外研修①
「うーん。ミステリアス?」
私は前を歩くよーちゃんをみながらつぶやいた。
定期試験が終わって、
女の勘も冴え渡り!
大っ嫌いな世界史もまぁまぁな結果!
相変わらずよーちゃんは学年1位!
さすがだよねぇ。
そして!
今日はとうとう野外研修の日なんだ。
今日は制服じゃなくて、ジャージ。
荷物は少なめにして、身軽にしてるけど。
それなりにある荷物。
薄紫色のリュックを背負って。
よーちゃんと、海と学校へ向かっている。
ママが帰ってきたら唐揚げにしよう〜って嬉しいこといってて!楽しみ!
とか
そんなこと思いながら、ふっと、お菊ちゃんと話したことを思い出しちゃってたの。
「なーにブツブツいってんだ?」
海が私の横でのーんびり問いかける。
「ん?ううん。何でもない。キャンプ楽しめるかなぁ?って。
魚釣ってたべたいなぁ。」
「うん。いいね。木の実も採ろう!」
よーちゃんが振り返って笑った。
「う、うん。」
あれから、お菊ちゃんのミステリアスとか、海推しとかの話を思い出して。
ちょっとよーちゃんを意識しちゃう。
愛があるとかないとかは、置いておいて、
ミステリアスってところにね。
他人が見るとそう思うのかなぁ?
ミステリアスってなんなんだろう。
「まなみ?何かあったの?」
心配そうによーちゃんが私を見る。
「確かに。お前何か変だぞ。」
海も頷く。
う。私は思い切って口を開く
「よーちゃんはイケメンだけど。ミステリアスなとこが素敵。って。言ってる人がいて⋯⋯。
ミステリアスってどんなかなぁ?と思っただけなのね。えへへへ。」
海推しとかそのへんは省略!
「ミステリアス?なんだそれ(笑)
オレからしたら、桜井だぞミステリアスなのは!意味わかんないこと口走る。しかも最近、内容が危なすぎる!」
あー。なるほどねぇ。
「ねぇ?まなみ?誰がそんなこと言ったの?」
よーちゃんが不思議そうに私を見る。
んんん。
それは言えない。女の秘密!
「ん?忘れちゃった!」
「そう?ならいいんだけど。はやく学校へ向かおう。遅れちゃうよ?」
よーちゃんはそう言って笑った。
ミステリアスじゃないよねぇ?
優しいけど。
野外研修の行われる山には、バスで行くんだけど。
バスは、クラスごと。
バスの中では、Aクラスのグループがどんなかとかそんな話をみんなでしていた。
私も心配。知らない人だし。
Aクラスってちょっと怖い。
「でもさぁ。うちはうちらで3人いるし!Aクラスのと合わなくてもなんとかなるよ!だから大丈夫!」
ゆうちゃんが、大きな声でみんなに言った。
みんなそれを聞いて頷く。
そうだよね!
大丈夫だ!
「ねー海く〜ん。しおりの3ページの、
『貴方の指先で、その柔らかな、けれど、どこか強張った聖なる布の「端」を、愛おしむように、優しく、けれど決して離さぬよう、
しっかりと掴む』
の、これってどんな感じ?」
「おまっ!!ちょっとしおり見せてみろ!どこの箇所だ!」
桜井くんと、海はいつも通りワイワイやってた。
⋯⋯たぶん。テントの立て方じゃない?それ。




