番外編〜恋鳥の囁き〜
「桜井くんはさあ〜好きな人いないの?」
お菊ちゃんがの~んびり尋ねてきた。
お菊ちゃんはまなみちゃん大好きで
頑張ってほしいんだよね〜
なんてハンバーガーショップで話をしてたら急にだ。
急に聞くなぁ⋯⋯
「ん?うーん。ヒミツ」
ぼくはそう言って笑った。
「えー桜井くん。僕の話ばっか聞いてるからさぁ、たまには桜井くんの話を聞きたいわけよ」
お菊ちゃんはそんなこと言いながら目の前のハンバーガーにかぶりつく。
「んー」
ぼくは話をそらそうと、ポテトを手に取る
「僕さ、知ってるんだよね。」
え⋯⋯
いきなりお菊ちゃんがぼくをみて言うから一瞬止まってしまった。
知ってるって何をだ?
な、何を知ってるんだ?
「お菊ちゃん?」
ぼくはお菊ちゃんを見つめる。
「桜井くん、好きな人いるじゃん?」
⋯⋯
お菊ちゃんのスキルは、女の勘⋯⋯
勘が鋭いからなぁ⋯⋯
「でも、人に言えない恋だよね?ヒミツの恋の匂いがする」
⋯⋯
お菊ちゃんはそう言ってニッコリ笑った。
う⋯⋯うーん。鋭い。
「漫画の見過ぎだよ。お菊ちゃん」
ぼくは笑ってごまかす事にした。
お菊ちゃんはジーっとぼくを見つめる。
お菊ちゃんは女の子みたいな雰囲気をカモしだしてるけど⋯⋯
外見も線も細くて、可愛らしい顔立ち⋯⋯
でも、本当は結構男らしいんだよな。
美少年なんだけど
好きな人⋯⋯まなみちゃんを思いっきり守れる力を持ってる。
まぁさ⋯⋯まなみちゃんは本当可愛いもんなぁ⋯⋯
でもさぁ、鈍いんだよ、あの女は⋯⋯
ケンケンやらお菊ちゃんやらの気持ちにまったく気がついていない!
⋯⋯海くんの気持ちも。
ほっとにニブチンなんだよ!あの子は⋯⋯
「ちょっとぉー桜井くん?何ボーっとしてんの?!」
お菊ちゃんがぼくの顔を覗き込む
「ん?あぁ。ごめん!今さぁおかわりに、あの⋯⋯『恋鳥の囁きで包まれるバーガー』気になってる」
ぼくが指をさして言うと⋯⋯
「ん?!なんだって?!桜井くんはポエムになっちゃうから⋯⋯」
お菊ちゃんはそう言ってメニューを見つめる
「なーんだよ。わかんねーの?簡単だそ!『濃厚チキンタルタルバーガー』じゃん?」
後ろから声がする
「海くん〜遅いよ〜あ!まなちゃーん!こっちこっち!」
お菊ちゃんが嬉しそうにそう言ってぼくの後ろを見る。
振り返ると
海くんとまなみちゃんがいた⋯⋯
「あはは〜海くん正解〜」
「よっしゃー!」
海くんは嬉しそうに笑う。
「海くんはさぁ〜桜井くんのポエム解読マスターだよねぇ」
お菊ちゃんが感心したように言った。
「ごめんね遅れちゃって!」
まなみちゃんが、お菊ちゃんの横に腰掛ける。
そして、ぼくの横を指さしながら
「海はそっち座ってね!海さぁ〜桜井君と、チキンタルタルバーガー買ってきなよ〜私の分もね〜私、オレンジジュースも!」
まなみちゃんがそう言って、チラっとぼくを見て微笑む。
え?!
ま⋯⋯まさか⋯⋯
このニブチンが?!
ぼくはまなみちゃんをじっと見つめる。
まなみちゃんはそんな視線に気がついたのか、ぼくを見つめて、もう一度ニッコリ。
天使のような可愛い微笑みを向けた。
この笑顔に海くんはやられてるんだな⋯⋯
しかし⋯⋯ほんっと⋯⋯悔しいくらい可愛い顔してる⋯⋯
でも⋯⋯まさか⋯⋯ね
「じゃ!海くん並び行こうか〜」
ぼくが立ち上がると
「おー」
海くんがぼくと、レジの列へ向かう。
「えー?じゃー僕も!アイスクリーム食べたいから行ってくる〜」
立ち上がろうとしたお菊ちゃんに
「お菊ちゃんも海に頼めばいいよ。2人とも〜アイスクリームも〜よろしくね!」
まなみちゃんはそう言って手を振った。
「まさかね⋯⋯」
「桜井?どーした?行こーぜ?」
海くんがぼくを見て歩き出す。
「結構並びそうだ」
何人かの並ぶ列を見てぼくがつぶやくと
海くんはメニューを見てニヤリと笑った。
「ん?あぁ、じゃーメニュー当てやろーぜ!お前のポエム当て!お前のポエムオレがみんな当ててやるから!」
「ふふふ。いいね!」
海くんと一緒に列に並んで
メニューを見る。
みんなで過ごす楽しい時間。
一緒に列に並ぶ心地よい時間⋯⋯
バカみたいに笑い合う時間⋯⋯
⋯⋯この時間ずっと続くといいなぁ〜
『ピー!オレ!オレもチキンバーガー!ピー』
海くんの鞄の中でピーちゃんの声
「⋯⋯ともぐいだ⋯⋯」
海くんと顔を見合わせて笑った。
楽しい時間はまだまだ続く⋯⋯
番外編お読みいただきありがとうございます!
いくつか番外編今後も投稿予定です!
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