女の勘とお守り
「本当にA定食なかったねぇ。」
食堂で、ママの作ったお弁当を広げながら、B定食を食べるよーちゃんと海と話をしてる。
「さすがお菊だな!」
海はB定食の生姜焼きを食べながら自分のことのようにニコニコしてる。
『本日都合によりA定食はおやすみ』
って張り紙が食堂にしてあって。
まぁ、思ったのは。やっぱりねぇ、って。
だって、お菊ちゃんだもん。
女の勘は当たるのよね!
だから、女の勘をバカにしてはいけない!
「で。そのピアスのことなんだけど。」
よーちゃんは一息つくと、そう言って私を見た。
「あーオレも朝気になってた〜。」
ええっ?!海も?!
「んと。寝てるときにその⋯」
モゴモゴと答える私。
海がそれを見て呆れたように、
「あ〜。持ってきちゃったのかよ〜?また〜?」
ちちちちがう!!
とってない!とってないっ!!
今日はもらったんだもん!持ってきてない!
とってない!!
「もらったって言ってなかった?」
よーちゃんが私を見てそう尋ねた。
「う。うん。もらったの。お守りにしろって。」
私が小さな声でこたえると。
「マジか〜」
「!!もらえるようになったの?」
2人は驚いたように私を見た。
「うん。なんか今回は⋯そんな感じ。」
「でも。いったいなんだろうね、それ。ちょっとごめんね。」
よーちゃんは私のもらったピアスに手を伸ばす。
ピアスはひと粒の石のシンプルなピアス。
「触ってわかるのか〜?」
海が横から口を出す。
「わかんないけど。面白い色だよね。見た目は無色だけど、光が当たると虹色に光る。とても綺麗な石だね。初めて見るよ。
変なものではなさそうだけど⋯よくわからないものだし心配だよね。」
よーちゃんにそう言われると、急にそんな気がしてきちゃう。
大丈夫かなあ⋯⋯。
すると、私の後ろの席でご飯を食べていたお菊ちゃんとたっつんがこっちにやってくる。
「まなみちゃん〜B定食も美味しかった。」
たっつんは満足そう。
「よかったねぇたっつん。」
お菊ちゃんは、じぃっと私をみると。
「まなちゃんまなちゃん〜♪新しいピアス似合ってるねって言おうと思ってたの。
それ、すごいい!ぼくの女の勘がぴーんと来ちゃった。んふっ。プレゼントだよね?良いお守りだね。」
お、女の勘恐るべし。
えっと。
「えへへ。ママからもらったの。」
「わーママから?!素敵!ぼくもママにピアスほしいって言お〜っと!じゃ、あとで教室でねぇ〜」
2人は手を振ってその場を去っていった。
「なぁ、洋平。お菊もああ言ってるし。いいんじゃね?」
「まぁね。」
女の勘はあたるのだ。
「でもね?まなみ。むやみやたらに、もらったら駄目だよ?」
よーちゃん⋯⋯とっても心配してるんだけど、
そんなことわかってるよぉ⋯⋯。
でもあれは。なんか強制だったの。
声も出せなかったし。
「うん。次の時は気をつけるね。」
私達はご飯を食べて午後の授業のために教室へ戻った。
うとうとうと⋯⋯。
世界史の先生の長〜い話を聞いてると、ものすっごく眠くなるのよ!
と、
あれ?!
私はこの間の夢の洋館の前にいた。
え?!夢?!
やば!私寝てる?!!
「まなみ様。どうですか?お守りは。」
洋館から、白髪の年配の人
⋯⋯おじいさんが出てきた。
眼鏡をかけていて。
でも目元はとても優しそうな人。
「あああ。あの。」
は!今回は声を出せる!
「あの!夢から持ってきちゃったので。幼馴染の二人に不審がられました⋯⋯。」
つい正直に話してしまった。
「そうでしたか。申し訳ございません。幼馴染のお二人は、大切なお友達ですか?」
「はい!とっても大切です。」
「それはそれは。お二人にもと、差し上げたいのですが⋯⋯。あいにく今は材料がありません。近いうちに。とお伝えください。」
「え?」
そう言って微笑んだおじいさんは
だんだん姿が薄くなっていって⋯⋯。
「あ!まって!!」
ガバっと顔を上げた。
ガタンっと机が大きな音を立てる。
「おーい。小泉〜何を待つんだ〜?質問かー?」
はっ!
先生が突然立ち上がった私を見て呆れ顔で言った。
「あわわわ。違いまーす。つづけてくださーい。」
慌てて席につく私。
私⋯⋯寝ちゃってたんだ⋯⋯。
授業にこんなこと滅多にないのに⋯⋯。
「まなみ?どうしたの?もしかして寝てた?」
後ろの席のよーちゃんがクスクス笑いながら私を見る。
「えへへへ。寝ぼけちゃった。ケーキ食べる夢みちゃった。」
「お昼食べたばかりなのに。ふふっ、帰りにケーキ食べて帰ろうか。」
よーちゃんってば優しい〜。
ケーキ食べて帰るのは大賛成!




