野良猫、嵐の前の恋模様
2人分の荒い息が部屋に響く。夜斗は玲央の身体を思い切り抱きしめたと同時に彼の口に深く熱い口づけを送る。玲央はそれに驚きながらも夜斗の口づけに応えるように舌を絡めた。
「んン......ハァ......ン......」
「や、と......愛してる......。もう僕のそばからいなくならないで......」
「ハッ、心配性な飼い主様だ。安心しろ。男に二言はねぇよ」
そう言うと、夜斗は玲央の頭をわしゃわしゃとかきまぜた。玲央はそれを気持ち良さそうに甘んじて受け入れる。これじゃあ、まるで犬の様だ。夜斗は「ふふっ」と微笑むと、玲央の頬に手をそっと添える。
「お前には愛してもらわなきゃならねぇな」
「これ以上にないくらいでも愛すると誓うよ」
「それはそうと......もうあの報告書はいらねぇだろ?処分しろよ」
夜斗はそういうが玲央は頑なに頷こうとしない。なんなんだ?と思っていると、玲央はおずおずと口を開いた。
「......あれは、今まで夜斗に会えなかった分の記録だから捨てたくはない。お願い、夜斗。捨てるなんて言わないで......?」
夜斗はすっかり玲央にほだされてしまって、玲央に見つめられると「ぐぅっ」と言葉につまる。自分でも気づかないうちに、夜斗は玲央の好意に応えたいと思うようになっていたようだ。
「玲央。......遠くない未来、お前の気持ちに応えてやれるかもしれない」
「!!本当かい?!」
「だ、断定ではないけど......。お前のことは嫌いじゃない......と思う......」
夜斗の言葉に玲央は感極まって再びベッドの上に夜斗の身体を沈めた。
「ちょ......オレもう無理だぞ?!」
「そんなこと言わないで......?両想いになれるかもしれないと知って、この気持ちが抑えられるとは思わないだろう?」
「お、落ち着け!ステイッ!!」
夜斗の"待て"に大人しく聞く玲央に、夜斗は思わずキュンッとしてしまった。......なんなんだ、この気持ちは?思わず疑問に思っていると玲央が不思議そうに顔を覗き込んできた。
「夜斗?どうかしたかい?」
「い、いや!何でもない!そ、そうだ、風呂入ろうぜ?今日のお前激しくて汗かいたわ(笑)」
「?じゃあお湯溜めてくるから待てて?」
玲央はそう言うと浴室へと向かった。夜斗はドキドキする胸に思考が追い付かずにいた。まさか、これが恋?自分が誰かを好きになるなんて、もう二度とないと思っていたのに?そんな事を考えていると、玲央が戻ってきた。玲央は夜斗の様子がおかしいのに気がついて、彼の名を呼ぶが返答がない。これはどうしたものか、と思いながらベッドに腰掛ける夜斗の前に跪くと手を取った。
「夜斗?大丈夫かい?」
「!!だ、大丈夫!!......多分......」
そうは言いつつも玲央の顔をまともに見れない上、顔は真っ赤に染まっている。恋だの愛だの、もう考えられないと思っていたのに、一体どうすればいいのか......。




