野良猫、昔話2
今日も退屈な学校生活が終る。そしていつも通り公園へと足を運ぶ。すると、昨日の少年がブランコに乗ってボーっと空を眺めていた。しかし、こちらに気がつくと、パァっと表情を明るくして、こちらへと走ってくる。
「よっ!やっぱり来てくれた!」
「約束したからね。......そういえば名乗ってなかったね。僕は京極 玲央。君は?」
「オレ?オレは天ヶ瀬 夜斗!皆はヨルって呼んでくる!だからお前もヨルって呼んでくれ!」
そういうと、夜斗は玲央の手を掴みブランコへと戻った。そして、"どちらが高く漕げるかゲーム"を始める。玲央は高いのが得意ではないため、勝ち目のない勝負だった。案の定、夜斗の勝ち。
「玲央、お前根性ねーな!もっと頑張って漕がないと!」
「高いの得意じゃないんだって......」
「それじゃあ、次は......」
夜斗が次の遊びを考えていると、見慣れない顔の男児が近づいてきた。
「おい!お前!ボロボロの格好してる癖にこの公園で遊んでんじゃねーよ!」
「あ?お前、見ない顔だな」
「今日からこっちに引っ越してきたんだよ!せっかくいい公園を見つけたと思ったのにお前みたいなビンボー人がいるとか!お前どっか行けよ!!」
そう言うとその男児は夜斗を突き飛ばした。そして、次の狙いを玲央に定める。が、玲央の格好がきちんとした身なりであったため、仲間に入れようと声をかけて来た。
「おい!お前はビンボーじゃなさそうだな?オレ達の仲間に入れてやるよ!」
「僕が?君たちみたいな野蛮な奴らの仲間に?冗談じゃないよ。ヨルに謝れ」
「何偉そうに......!!お前もぼこぼこにしてやるよ!」
男児はそう言うと、玲央に殴りかかってきた。が、寸でのところで夜斗が男児に殴り返してやった。そしてそのままボコボコにした。
「な、なんだよぉ......!痛ぇよぉ......」
「これはせーとーぼーえーだ!お前の方から殴りかかろうとしてきたんだからな!」
夜斗がふんっと息をつくと男児とその取り巻きたちは逃げるように走り去っていった。そして、夜斗は玲央に手を差し伸べると、笑顔を向けてきた。
「もう大丈夫だからな!」
「......まるでナイトみたいだったよ」
「ハハッ!じゃあ玲央は王子様だな!今度からオレが玲央を助けてやるよ!」
そんなやり取りをしていると、夜斗の友達がわらわらと集まってきた。夜斗は友達に玲央を紹介すると皆玲央の事を歓迎した。
「ヨル。ありがとう!こんなに楽しいのは初めてだった」
「大袈裟だなぁ。ま、今度からみんなで遊ぼうぜ!」
「うん!」
そう言うと夜斗は「今日はもう帰らなきゃ」と言って去って行った。夜斗だいればもう寂しい思いはしなくていいんだ。そう思うと玲央のこころはぽかぽかとした。




