野良猫、最初の男4
夜斗はいつも通りWordとExcelの勉強をして、昼ご飯を買いにコンビニへと言った際、株投資の雑誌が目に入り、それも購入する。おにぎりを食べながらその雑誌をぺらぺらとめくる。ややこしいが夜斗の興味を惹かされる。昼食休憩をとり終えると再びパソコンへと向き合うのだった。集中していると、"ピンポーン"とチャイムが鳴ったので、ヨウタが帰って来たか。と思い、玄関に出迎えに行く。
「おかえり、ヨウタ。」
「ただいま、ヨル。それじゃあ、これに着替えて。」
「?これってスーツ?」
「言っただろう?フレンチに連れて行くって。一応ドレスコードがあるから急遽だけどスーツ買ってきたよ。多分サイズは大丈夫だと思うから。」
そう言うとネイビーのストライプのスーツを渡してきた。「オーダーメイドじゃなくてごめんね。」と言うヨウタだったが、これもこれで高そうだ。
「...なぁ、オレ、テーブルマナーとかわかんないんだけど...。」
「大丈夫。僕がいるんだよ?僕に合わせて食べていれば大丈夫。」
「...そういうもん?」
夜斗は少し不安に思いつつもヨウタの言葉を信じることにした。そうして夜斗はスーツに袖を通すと、ヨウタの前でくるりと回って見せた。
「うん。いいね!ヨルにはネイビーが似合うと思ったんだ。僕の目にくるいはなかったよ。」
「...なんだそれ(笑)」
夜斗は思わず笑みを零した。そして2人はタクシーに乗り込みヨウタが予約したというフレンチの店へとやって来た。
「いらっしゃいませ。あぁ。お待ちしておりました。今日はこれまた可愛らしいお連れ様ですね。」
「あぁ。彼はこういう店が初めてというし大目に見てやってくれるかい?」
「もちろんですよ。さぁ、こちらの席へどうぞ。」
そうして席に着くと次から次へと料理が運ばれてきた。夜斗はヨウタの見様見真似で食事を進めていく。ヨウタはそんな夜斗の様子に満足気だ。
「なんだ。全然問題ないじゃないか。」
「先生が良いからじゃないの?」
「それって僕の事褒めてくれてるのかな?」
ヨウタはとてもご満悦な表情を浮かべて問いかけてくる。そんなヨウタに夜斗は面倒くさそうな顔を向ける。
「ハイハイ、褒めてる褒めてる。」
「ちょっと、なんでそんなに面倒くさそうな返しなのさ(笑)」
「...別にそんな事はありませんヨ?」
夜斗は出されたオレンジジュースを口に含むとオレンジの味を味わう。その様子にヨウタは、「所々見せる所作が丁寧な子なんだよなぁ。」と感心する。そして、デザートまで食べ終えると会計を済ませ店の外へと出る。
「ふー、初めて食ったけど美味かったぁ。」
「お気に召したようでなによりだよ。また来ようね?」
「...ん。」
帰りはヨウタが酔いを醒ましたいからというので歩きで帰った。こんな夜も悪くはないんだな。そう感じた夜斗であった。




