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異世界坊主  作者: 乱義
2/7

輪廻

第一話では、突如として現れた「坊さん」による救済劇を描きました。


しかし、圧倒的な「奇跡」に見えたあの出来事も、世界の基幹システムから見れば、単なる**「エラー処理」と「リソースの再分配」**に過ぎません。


なぜ彼は現れたのか。あの日、洞窟のバックエンドでは何が起きていたのか。

その「仕様」を、システムログから紐解いてみます

ある異空間にある全てを司る[真理]というシステム。その端末群、仕分けシステム『ENMA』が忙しくログを吐き出す。



**仕分けシステム ENMA**


ENMA>#

「命が解放されました。徳>A の条件を満たしたため、ご褒美システム『Paradise』へ受け渡します」

「命が解放されました。徳=A のため、RinneA処理を実行」

「命が解放されました。徳<A のため、RinneB処理を実行」

「命が解放されました。-徳 のため、リペアシステム『Gigoku』へ受け渡します」


その仕分けは無慈悲に、徳の数だけが判断基準。ただひたすら命を仕分けしていった。


**Gigoku {G-1} エリア**


も、もう嫌だ。誰か助けてくれ。


何がなんだかわからない。何度ゴブリンに喰われたことか。痛い、苦しい……。

だが、気がつくとまたここにいる。そこは洞窟の奥、行き止まりの場所だ。いつの間にかここにいて、ゴブリンに襲われ、食べられて。

そして、またここにいる。


今は

同じような境遇の奴らと

洞窟の中を逃げ回りゴブリンに反撃をして何とか生き延びている


なんなんだ、ここは


何度も死んでは生き返るので生き返った奴らとは顔見知りになる


自分が死なないように犠牲にした奴らはそれを覚えていて

今度は俺が犠牲にされる


そんな永遠に続く日々を過ごしている


諦めた奴らは死を受け止め生き返っては

そのままゴブリンに身を任せた


そしていつの間にか生き返らなくなって消えてしまう


そんな消滅は嫌だ今度こそ生き残ってやる

この洞窟の一番最後には出口があって自由に生きられる世界がある


そう思うしか希望はねぇ


**システム Gigoku**


Gigoku>$


「警告 {G-1} にて 徳<B によりゴブリンに変換された数が許容数を超えました」


「{G-1} リペア数<<ゴブリン  により 全リペア失敗の可能性大」


「Buddhacloudより救済者の誕生を確認」


「救助要請を発信」


「受理されました」


「救済者が{G-1}に転移されます」


「救済者の{G-1}への転入を確認」


**Gigoku {G-1} エリア**


薄暗い洞窟の中でやっとの事で俺たちは仲間を蹴落としながらも

結構先までやってきた しかしここでゴブリンの大群に襲われる


数が違いすぎるこれはまた振り出しに戻ってしまうのか


洞窟の先から光が見える


出口なのか?


「光が見えるぞ!! あっちに逃げろー」


誰かが叫ぶがその光へ行く穴の大きさは小さい


われ先にとその穴に入ろうとするから なかなか前に進まない

後ろの方がゴブリンにかじられながら


「速くしろー速く行ってくれー」


と悲痛の叫びを上げる



そんな中


俺といつも仲良くしてくれた相棒が


穴の前を立ち塞ぎゴブリン達に立ち向かう


「ここは俺に任せて速く逃げろ」


彼が食い止めているうちに何とか穴に入り込む


「あー  痛い あー」

彼は断末魔の叫びを残し

その後声は聞こえなくなった


穴の中ではこれまた我先にと進むので穴の壁で全身がズタズタ

それでも何とか穴を抜けたその先には


なんか不思議な格好した人が手を光らせているだけ?


へ? 誰?


そう思っていると誰かが叫ぶ


「そこの光の人、助けてください! このままではゴブリンに食べられてしまいます!」


えっ、この光ってるだけの人、俺たちを助けられるのか?

そう思った瞬間、案の定、彼は脇の穴に逃げ込んでいってしまった。


自分たちの集団が血だらけになりながら穴を通り抜けた後には、体が小さいから楽々と追いついてきたゴブリンたちがいた。

もうダメか。そう思った瞬間。

ゴブリンたちは、光る穴を目指して一斉に走っていった。


危機一髪での回避。

そうか、あの光る方は私たちを救うため、ゴブリンを一手に引き受けてくださったんだ。今まで感じたことのない感謝の念が湧き上がる。


その後、不思議な音色の声がその空間を包み出す


光の穴の光がどんどん神々しく光り出す


穴の入り口付近に溜まっていたゴブリンが

人の姿に変わりだす


「あっあいつは俺をゴブリンに投げて自分だけ逃げていったヤツだ」


「私はあの人に殴られてゴブリンの餌にされた」


ああ、自分たちの中でもたちが悪かった奴らだ生き返ってこないから

穴を抜けて外に逃げられたと、生き返ってこないからこそ逃げる道があると思っていたのに


みなゴブリンになっていたんだ


そして俺たちのなれの果ても。。。。


光る人が出てきた


自分たちを一通り見た後

「オンコロコロ・・・・」


何か呪文を言った後 彼の前に光の球が現れ

上に上がり弾けた


その光は傷ついた人々に降り注ぎ傷を癒した


穴を通った時の傷が全て治った


彼は何者なのだ


「あなた様は、ヒールも使えるのですか?」


誰かが訪ねる


その瞬間、大きな光が彼を包み、消えた。


残された自分たちはお互いを見合わせ、薄笑いを浮かべた。

そしてゆっくりと立ち上がり、洞窟の先を目指して歩き始めた。



**システム Gigoku**


Gigoku>$

「{G-1}のゴブリン数が許容範囲内に戻りました」

「{G-1}での開放された命を再度ENMAに受け渡します」

「命が規定数に達するまで優先的に{G-1}への振り分け処理を実行します」

「{G-1}より救済者の転出を確認」

「{G-1} でのリペア作業を再開します」

「Buddhacloudに感謝の念を送信」

「受理されました」

「{G-1} No.0544 自己犠牲により徳の数が加算されます」

「{G-1} No.0544 徳の数が規定数に達したため再度ENMAに受け渡します」


次回は坊さんの日常を少し紹介したいと思い、構想中です

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