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2/2

おかしいなー、とは思っていました。


私の親しい子爵令嬢の主催するパーティーに出向いてみれば、あの高慢ちきで伯爵以下は人とも思ってないような姉が出席してるではありませんか。


お茶会ならともかく、パーティーに踊れない姉が出てくることは滅多にありません。


どうしたものかと友人の令嬢と共に首を傾げていましたら、姉に呼び出されました。


「エリクシア、アタクシの控え室に来なさい」


いくら美人だからってそんな意地の悪い笑みを浮かべた人に誰が着いていくんでしょうか?


姉妹なだけあって身分に差はありませんし、強いて言うなら隣国の王子の婚約者である私の方が上なくらいですから。


公爵家の娘たる私が予定より早く帰れば子爵家にいいはずがありません。かと言って朝まで留まるのは得策とも思えませんので、仕方なく自由解散が認められる北の刻までねばりました。


その後、当たり前のようにさっさと帰ることにしました。


なのに、予想通りと言えば予想通りに、柄の悪い護衛と共に姉が私の馬車を襲撃してきたのです。


子爵家は身分が低いため、王都に構える別邸は郊外付近にあります。


しかも、こんなに堂々と貴族であることを主張する馬車や衣装では並の兵士なぞ素通りするしかありません。


要するに、救援は期待できないということですね。


私の護衛は精鋭を揃えたつもりですが、何分人数が足りません。


いえ、それ以前に…桁外れに強い人がいるのでしょうね。


仮にも公爵家の令嬢につける護衛が人数に差があるとはいえ防戦一方なのですから。


迷わず逃亡を図りますが、退路は一向に見出だせませんでした。


きっと姉は本気で私を殺しにかかっているのでしょう。


ああ、本当に、馬鹿な姉。


いくら侯爵夫人でも王族でも、隣国の王族と婚約している私に手を出したら普通に考えて極刑、良くて幽閉なのに。


現代日本とは異なり月明かりしかない地面に黒々と血が広がっていく様がどこか遠くに感じます。


姉が笑っているからか。


私は苦しくないからか。


頬を掠める血飛沫はもう冷えきっているからか。


これは、まだ、死とはとおい。


あのときとは、ちがう。


だから、だいじょうぶ。


お互いの護衛が傷付き、息絶えていく中、自分の心が硝子の箱に仕舞いこまれていくように閉ざされていくのがわかります。


私は冷静ではないけれど、落ち着いていました。


「あら、まぁた逃げますの?あの時アタクシを身代わりしただけありますわ」


きっと状況を私よりも理解していない姉は勝ち誇った笑みで私を見下します。


それにしても姉なんかを身代わりにできるような事に巻き込まれた記憶がないんですけれど、どういうことなのでしょう。


5人いた精鋭が一人ずつ減っていくのを努めて無感動にやり過ごし、姉の真意を伺い活路を探します。


私はまた死にたくないのですから。


「ほら、お得意のだんまり!お前はそうやっていつもいつもいっつもアタクシのことを馬鹿にするのですわ!」


いやだって、貴女…実際問題として馬鹿じゃないですか。


姉が13歳にもなって掛け算(しかも、1×1ですからね)が出来ないことを知った私の気持ちわかりますか。


貴女に同情できるんだと初めて知りましたよ、ええ。


「お母様が殺されてアタクシが襲われそうになってもクローゼットの中に隠れて、なんて卑怯なの!姉の危機には命を張るのが(げぼく)の仕事でしょうよ!」


何言ってるのか、理解できないんですけれど。


色々とうちの姉は終わっています。


当時、私は襲撃に居合わせていたのすら初耳なのですが。


というか、6歳の小娘にどうしろと言うのです?


貴女、12歳ですよね。


「しかも、アタクシが貰うはずだったお母様の宝石を勝手に奪って!!!」


お姉様、本当に同じ言語喋ってます?


クローゼットに隠れてたって状況からして、私に預けただけですよね?


むしろ、狭いところに入りたくないと騒いでお母様を困らせる姉しか想像できないんですけれど。


「あれはお前なんかではなく、アタクシにこそ相応しいの、返しなさい!」


返すも何も、存じ上げません。


そう言おうとした途端にずきりと頭が痛みました。



真っ赤な炎、真っ赤な血、真っ赤な空。


細い隙間の視界から覗くのはみんな怖い夢。


くらいここなら大丈夫。


ははうえはすぐ起きる。


あねうえはすぐ泣き止む。


このきらきらは守らなきゃ。


でもこのままじゃきっと見つかっちゃう。


かくさなきゃ。



なんだか思い出したら苦しくなりそうな、遠い昔に鍵をかけて隠した記憶がざわめきます。


「お父様もお兄様もお前が忘れてるなんて言ってるけれど、隠してるだけなのはお見通しなんですからね!!!」


今の今まで忘れていましたよ。


6歳なら私は前世を思い出してすらいない、本当に小さな只の女の子だったはずです。


そんなトラウマ確定な記憶なんて捨てて当然だと思うんですけれど。


「なんのことか、さっぱりですわ、お姉様」


はっきりと覚えていないけれど、貴女が母の言うことを聞かなかったせいで母が亡くなったのは察することができましたけれどね。


それでも、細切れの記憶には無色透明な涙型の宝石がありましたが、どこにやったのかは覚えていません。


震える足が見えないので生まれて初めてドレスに感謝しつつ、必死に様子を見ます。


いつの間にか、癇癪を起こす姉と私をぐるりと柄の悪い護衛達が囲んでいました。


低ランクの傭兵どころか、スラムのゴロツキという言葉が似合いそう。


欲望にギラつく目は明らかに規定の報酬で満足するようには見えません。


…猛烈に嫌な予感がします。


「いいからあれを早く渡してよ!!!あれさえあればアタクシはこんな動かない足とオサラバできるんだから!!!あれがあればこの足は治るのよ!!!」


はい、爆弾発言いただきましたー!


目を血走らせて頭をかきむしる姉の口を今すぐに塞ぎたいです。


姉の護衛もといゴロツキの顔がさっと変わりました。


そりゃそうですよ、筋が切れて二度と治らないような足が治るなんてどれ程価値あるものか。


治癒魔法なんて自然回復力を底上げするだけのもので治る足じゃないのは、貴族で金があっても動かないままの現状からまるわかりでしょう。


しかも、私の予想が正しければ目の前のゴロツキに姉は自分の身分を明かしてません。


位の低い貴族だとか余計な嘘をついています。


王族だと最初から言ってくれているのでしたら、ゴロツキだってこんな目はしないでしょう。


「早く頂戴よ、妹なんだものアタクシの為に命くらい簡単に捧げられるでしょう?」


いや、本当、なにを言っているのです?


駄目です、もう駄目です。


宝石と命がイコールになってるのも、何も接点がないような妹を自分のもの扱いするのも意味がわかりません。


姉はゴロツキの雰囲気が変わったのにも気付いていませんし、余計なことを喋るばかり。


どうやってこれで生き抜けばいいのでしょうか。


姉の浅はかさを侮ってました。


王族でも死亡フラグがつきまとうんですね、皆キチガイなんですね、街君。


流石です。


「お姉様、先ほども申し上げましたが、そのようなものは存じておりません」


もうどうやったら生き残れるのかさっぱりわかりません。


いっそ諦めてしまいたいほどです。


けれど、心の奥底がどうしようもなく死を拒絶して生きたいと叫びます。


それなのに、現実はどこまでも無情でした。


「嘘を言うのも大概になさい!『愚者の涙』がお前の体内(なか)にあるのはわかっているのよ!!!」


ちょ、なんてことを。


そ宝石って、愚者の涙でしたの?!


そう言えばたしかに、スチルの中の愚者の涙は透明な涙型の石でーーーー!!!


しかも、私の体内ってどういうことなのでしょう?


よみがえったばかりの記憶では、私は混乱の中で母から託された宝石をどうにかして隠さなければと幼いながら思い詰めていた。


小さい子が飴玉程度の宝石を隠そうとしたなら、どうするでしょうか?


みるみる組上がっていく仮定に寒気が走ります。


でも、そう考えれば辻褄が合うのです。


王族につらなる者である私の魔力が異常に少ない理由。


魔力を無尽蔵に溜め込む愚者の涙が体内に入っていたとしたら?


幼い私が隠そうとした場所が口の中で、それを飲み込んでしまったのならば。


それが王族故の膨大な魔力を吸い続ける為に体外に排出されずに癒着しているのだとすれば。


スラムで主人公が見つけた夥しい量の惨殺死体の中にあった身分の高い女の遺体。


それを「火葬」しなければ愚者の涙か見つからなかった理由は。


ゴロツキの目の色が完全に変わったのと同時に、避けようのない死亡フラグがはっきりと見えました。


未だに状況を掴めていない姉の後頭部をゴロツキの一人が強かに殴り、下卑た笑みを浮かべて包囲を狭めてきます。


「お前ら、これは持って帰るぞ。愚者の涙がナカに本当に入ってやがるか確かめてやろう」


「そりゃいいな!!!入ってなかったとしてもこんな上等な貴族女なんか滅多に手に入らねえから高く売れるな」


「んじゃあよ、姉の方は味見したあと売ってよ、どうせバラす妹の方は好事家を集めて解体ショーでもしようぜ」


耳を塞ぎたくなるほど最低の会話。


ぐったりとした姉は直ぐに抱えられ、リーダーとおぼしき一際醜い男が迫ってきました。


「それ以上近寄るのはおやめなさい」


ヤニ臭さの混じる例えようもない臭気に顔をしかめて、後退りながらも、精一杯の虚勢をはりました。


どうにかして、スラム入りは阻止しないといけません。


私は死にたくないのです。


「そんな口きける立場だと思ってンのか、あア?」


ゴツゴツした手に顎を上げられ、もみあげの中にひきつれた大きな傷跡の残る醜悪な男が凄んできます。


私だって、こんな言葉で生存率が上がるなんて思ってません。


それでも、動かずには、いられないのです。


いても立ってもいられないような、死への恐怖だけが空回りして、自分で自分が制御できません。


「狂った姉の言う通り、愚者の涙のような伝説の品が本当にあるとでも思っているのですか」


どうにかして、隙を、隙を作らなければ。


「あってもなくても関係ねえよ。解体ショーやれば金は入るんだ」


ニタリと目を細める男。


「益が見合っていませんよ。私とそこの姉はフィルガー公爵家の者です」


身代金要求でもなんでも死ぬよりはマシだと身分を明かしました。


最も、信じてもらえるとは思っていませんでしたが…


「んなン、知ってらあ」


男は周囲にいるゴロツキを見回して爆笑しました。


予想外の展開に身を強張らせる私を嘲りの入った笑い声が包みます。


「むしろ、王族なら丁度いいくらいだぜ?義勇の藍なら知ってるんだろ?」


男が見せつけるように首筋に彫られた藍色の刺青を曝しました。


「王族ってなら、もうフィルガー公爵夫人を殺ってる。良かったな?俺達、知り合いじゃねえか」


この男があの隙間の向こうの赤い空間にいたかどうかなど、記憶にありません。


けれど、低俗な、最低なことを、さも誇らしいことであるかのように語る男の顔が、存在が許せないと思いました。


腹の奥にぐるりと熱が渦巻き、空気に熱が移るような感覚。


全身の血が沸騰するような怒りが沸き上がり、気が付けば魔法を行使しようとしていたのです。


魔力の血が薄いスラムでは魔法を見る機会も少ないのでしょう。


固まっているゴロツキに向かって王族としては少ないながらも、十分な量の魔力を解放しようとしたその刹那。


遠巻きにしてたはずの、ゴロツキの一人である青年に押さえつけられていました。


後ろに纏めて固められた腕がギリギリと音を立てて痛みます。


決して柔らかくない地面に顔を押し付けられた私はようやく魔法を力ずくで止められたことに気が付きました。


青年の突然の動きに呆けていたゴロツキも暫くして私が何をしようとしていたか気付いたようです。


「こんのアマぁ!!!」


いきり立った男が青年に押さえつけられていた私の頭を蹴りつけました。


固く閉じていた口が衝撃で開き、砂と共に地面に広がっていた冷たい血液が入り込ん来ました。口のはしが切れて溢れた私の温かい血と混じり激しい不快感に襲われーーーー脳裏に、伊美奈として体験した「死 」が過ります。


自分という存在が消えていく感覚。


思考が遠く曖昧になり、世界から切り離される絶望。


車に衝突した伊美奈(わたし)は口の中に残る不快な血の味さえ朧になり、誰かが喚く声にさえすがって、それでも否応なしに訪れる死に恐怖したのです。


「死…ないっ、死なない…」


温かくもなく、冷たくもない、あのただ無に近づく瞬間が何より怖い。


また、まだ、死にたくない。


死にたくない、死にたくないのです!!!


王都が滅びようともいいと思っていたのも、この世界に生を受けてからひたすら足掻いたのも。


生きていたいから。


死にたくなくて、生きたくて、私は混乱していました。


男が再び私を蹴って踏みつけても、私の口は生きようと必死に、それこそ勝手に動きました。


「わ…しは、死…っ痛、……みだ、をっ?!」


設定の話をしても仕方ないし、男は一切聞いていませんでした。


それでも私は文にならない言葉でも喋り続けます。


「王都…滅…ぼっ、がぁ、まで、死な………」


王都が滅ぼされる、そのままでいいのか、死ぬんだぞ。


とでも言いたかったのでしょうか。


普段の口調もなにもない、剥き出しの言葉を途切れ途切れに言ったところでピタリと衝撃が止まりました。


状況がわからず、固まっていると男が糸が切れたように倒れたではありませんか。


ゴロツキ達がリーダーが突然倒れたことに気が付き一足遅れて駆け寄りました。


「どうしたんだ……っ!」


どさり。


駆け寄ったゴロツキの一人が男に触れる前に地に伏して、恐らく、事切れてしまいました。


あまりの展開についていけなかったのでしょう。


私も同じですよ。


ゴロツキは私のせいにして、一斉に襲いかかろうとします。


けれど、それもまた叶いませんでした。


一瞬だけ巨大な魔力が動いたかと思うと、男と同じように全てのゴロツキが急に倒れて物言わぬ骸になってしまいました。


私は痛みも口の中の不快な感触も忘れて、ぼうっとしてしまいます。


思考が追い付きませんでした。


「ねえ、君」


いつの間にか存在すら忘れていた青年の声。


なますに切られた護衛と綺麗に息絶えたゴロツキが重なりあう奇妙な空間に響く彼の声は不気味なほど澄んでいました。


「君 、さっき、なんて言ったのか、訊いていいかな?」


丁寧な壊れ物を扱うような手つきで仰向けにされている間にどの自転の事か考え、ゆっくり喋ります。


なぜか、暴行を受けていた時よりも命の危険を感じるんですよ。


「死ひたくなひと、言ひまふぃた」


口が切れててマトモな言葉にはならない、それでもしゃべらなければ。


蹴られている時に目を閉じていたせいか、ただの月の光が眩しくて目が開けれません。


……腫れてて開かないだけですけれど、眩しくのは本当でした。


「その後です」


焦れったい、と訴えるような声に急かされてモゴモゴと口を動かします。


「王都を、滅ぼしゃ…」


そこまで言ったところで、青年の顔が近付いてきて息ができなくなってしまいました。


別にキスされたわけではないです。


ただ、その、深紅の瞳に思考が持っていかれたのです。


確か、この世界で深紅の瞳を持つのはたった一人。


「ふ、ふふ…ははは!やっぱり、そう言ったんですね、そうですか、ははつ」


生まれて初めて仲間を見つけた幼子のように無邪気な笑みを浮かべる異様に整った顔。


一瞬だけ感じた膨大な魔力と深紅の瞳。


まさか、まさか、まさか!


「嬉しいな、王都を滅ぼすなんて、僕以外にも考える人なんていたんですね」


うっとりと、玩具の手入れをするようにして私に触れる青年は。


「弟とは違って『死』を拒むのに、僕と同じことを考えているなんて。なんて、面白いーーーー」


紛れもない、殺人鬼。


「死」を通してでしか愛を感じない、王都を滅ぼすなんて馬鹿げたことを本気で実行する男。


後に語られる殺人鬼、そんな彼は私をじっと見つめて魔力にものを言わせて強引に治療してきました。


無理矢理に肉を作り替えられる痛みに呻くのさえ興味深く見つめてくるんですが。


「君の名前はエリクシアですよね?王都を滅ぼすのなら僕も同じです。公爵家なんかにいてもつまらないでしょう?ちょうど助手が欲しかったんです…僕と一緒にいきましょう 」


この殺人鬼は葬儀屋ルートでの弟に対する執着からわかる通り、一度気に入ったものは離しません。


この青年は断れば私をあっさり殺すでしよう。


…死ぬという選択肢が選べない私には、イエスかハイしかありません。


「…はい」


私の答えに満足気に頷いた殺人鬼は天使のような微笑みを浮かべて囁きました。


「僕の名前はアルクライト…アルと呼んでくださいね」


あれ、不思議です。


あだ名の許可ってかなり後半のイベントですよね?


おかしいです。


この乙女ゲームにおいて王族は生存フラグだったのに。


でも、実はスラムで死ぬことになっていて…


それがどうして殺人鬼に拾われたりしてしまったのでしょう?


えっと、日本にいるわが親友の夢見巫女さま。


改めて土下座でもなんでもしますので、助けてくださいませんか?


おまけ


街君で一番明るく簡単な肉屋ルートについて。

読まなくていい設定です。



肉屋


最も人口が多い配色たる、茶髪にヘーゼルアイの青年。


力仕事をこなす上に、狩りを実益ありきの趣味にしている為、体格はしっかりしている。


明るくお調子者だが、正義感のある好青年(当然、病まなければ)。


一般人なので、別に顔がいいという設定はない。が、肉屋はそれなりに儲かる職業なので、あと数年経ち収入が安定すれば結婚相手には困らないと思われる。


肉屋ギルドには6歳から所属しており、昨年ようやく徒弟を卒業した。


肉屋ギルドへ入ったのは村の同年代で一番獲物をさばくのが上手かった為。


零細肉屋の親方の元で働いている。


村では親が狩人だったせいか、野性動物を狩って自身の働く肉屋で販売したりもする。


魔法も剣もでこない。肉包丁はでてくる。


雑貨屋の主人とは犬猿の仲らしく、彼にはよく突っかかっている。バットエンド嫉妬イベントの原因。隣家なので仕方ない。


ストーリーが進むと食人衝動を感じるようになる。トゥルーエンドでは食人衝動に犯されることなく、主人公とは健全な恋愛をするが、バットエンドではカニバリズムに走る。


主人公を食べようとするものと、主人公に自分を食べさせようとするものがある。


バットエンド1→カニバエンド。

肉屋の親方夫婦の死亡。

主人公が肉屋の餌食となる。嫉妬イベントを発生することも条件となる。


バットエンド2→カニバエンド。

親方夫婦の生存や好感度は関係ない。嫉妬イベントを発生させなかった場合のバットエンド。

主人公が肉屋を食べてしまい、発狂後自殺。トゥルーエンドに分岐失敗すると発生。


バットエンド3→カニバエンド。

肉屋の親方夫婦との好感度低下、もしくは死亡。さらに主人公との好感度が一定を下回ると発生。

食人衝動に目覚めた肉屋が殺人を犯した現場を発見し、役人に通報すると発生。しなければ、バットエンド4に移行。


バットエンド4→カニバエンドの3の分岐。

肉屋の殺人を役人に通報せず逃亡した最中、街を恐怖のどん底に突き落とすことになる殺人鬼に殺される。導入以外は全キャラ共通のバットエンド。


ノーマルエンド→肉屋の狂気に気付かぬまま、親方夫婦の養子となり健やかに過ごすことになる。

主人公の好感度があまり高くないこのエンド。

肉屋は主人公を親方夫婦の家族と見なし、妹として存在を勝ち取った為死なない。その後も殺人鬼に殺されるか、肉屋が捕まり処刑に巻き込まれない限りは死なないと思われる。親方夫婦生存が前提なため、これもトゥルーエンドとの分岐である。


トゥルーエンド→肉屋の狂気を解消し、悩みも解決した場合のエンド。

主人公の活躍により、危うく道を踏みとどまった肉屋と結婚する。親方夫婦も存命で、極めて明るく健全な家庭を築き上げることができる。ある選択肢を選び、親方夫婦が存命でなければならない。

このルートでは親方夫婦の命と関係が極めて重要になるが、彼らの生存フラグは初期の雑貨屋主人との会話で分岐するためめんどくさい。


親方は55歳だが、その奥方は30歳。


生存分岐会話では、雑貨屋に奥方と訪れた際に「店内を見て回る」ではなく「じっとしている」を選ぶことで死亡する。店内に殺人鬼が来訪しており、うっかり奥方が妊娠したと漏らしたために殺されてしまうのだ。話を聞かせないために「店内を見て回り」殺人鬼の気を逸らさなければならない。

好感度に一切影響しない選択こそが何よりも重要だという作中の事実をつきつけるイベント。


追加で言うなら、トゥルーエンドでもその後も攻略キャラが生きてるとは限らない。どのキャラでもアフターストーリーが発生するかは作中の選択肢次第。

選択肢を間違っていると殺人鬼に目をつけられるたり、エンド後王都で暮らして殺人鬼の本格化する活動に巻き込まれるため。



アフターストーリー→トゥルーエンドをある条件を満たした上でクリアすると発生。

雑貨屋での会話に加え、魚屋での会話で分岐する。やはり、好感度は関係ない。イベントの一環で魚屋を訪れた際、店内にいる青年やその客達との会話で「葬儀屋さん」を選ぶと発生する。(殺人鬼が誰かに似ているという会話を多くの人を交えて話しているシーン)

内容はありきたりな新婚のバカップル爆発しろ。な展開。引っ越し準備をしたり、普通にいちゃつくだけ。楽しくもなんともない。一言で言えば、親方夫婦のお節介さんめ☆



肉屋の狂気は前半で好感度を上げすぎないない限り、主人公個人に固定されることはない。

ただ、肉屋として働くうちに普通の肉に飽きてくるのが原因である。(店のために仕入れるジビエを自前で調達してしまう理由についてのイベントにて)

カニバの衝動が確実に主人公のみに固定されるため、ある意味被害は少なくなるのでトゥルーエンドに次ぐハッピーエンドはバットエンド1。


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