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せっかくヒロインになったのだから私が好きな人と愛し合います

 この世界の神殿は前世で言うと「国境なき医師団」が一番近い。

 だが前世と少し違って、それぞれの国に必ず中心となる神殿が存在しているから海外派遣はないってことだ。

 そして魔法世界ではないので魔法を使えるのは「聖女」だけになる。

 だが「聖女」が存在する国と存在しない国があるので「聖女」の地位は高いし、保護対象になっている。


 私は超希少(ちょうきしょう)品種(ひんしゅ)の聖女になったのだが、能力を高めるための修業「正式なお祈り(一時間半)」で忙しい。

 だからといってMyダーリンに何もしないわけがない。

 Myダーリンが訓練でヘバッている時は爆睡中に隠蔽魔法で忍び込んで治癒と体力回復と騎士として成長を助けるための魔法をかけたり、(くじ)けそうな時は私成分の補給をするためにぶつかったり、偶然を装って手作りのお菓子をあげたり、優しい言葉をかけたりと短い時間だが交流しておいた。


 お互い三年の月日を神殿で過ごし、物語の進展通り18歳でようやく再会した。


 私は聖女ヒロイン定番のピンク色の髪に空色の瞳をした大きな目と低身長でありながら日本産小説らしくロリ要素の入った胸の大きい聖女様に成長した。

 元あからさまな方であるMyダーリンは銀色の髪と濃い青い瞳をした「なんでストーカーなの?」と読者から嘆かれる凛々しい美丈夫(びじょうぶ)に成長している(勿論、剣の腕前は一級品)。


「今日から聖女様の専属の護衛騎士を任命されました、アビス・エトラと申します」


 (ひざまず)いても凛々(りり)しい姿に腰砕けになりそうだが、私が笑顔を見せると恥ずかしがって(うつむ)くアビスは可愛い。

 背後で私の補助をしてくれている神女達はアビスの美貌を褒め称えてキャーキャー言いつつ一緒に働けることに興奮しているが、アビスが好きなのは私なのだと声を大にして言いたい。


「アビスさん、これからよろしくお願いします。私のことは「ユニ」と呼んで下さい」


 私がアビスの目の前に手を差し出すと、アビスが顔をあげてそっと手を握り返してくれた。

 私がアビスが跪いているのをいいことに(かが)んでアビスの唇を奪ってしまったのは仕方ないのではないのかと思う。


「せ、せ、せ、聖女様?」

「嫌でしたか?私は前から好きですけど」


 ま、正確には前世からなんですけどね。

 厨二な私はアビたん推しだった、読みながら「ヒロインはそのままアビたんに監禁されてしまえ」と願ったクチだ。

 そんな私がヒロインなのだから「我が推しであるアビたん♡を幸せにする」の一択で生涯を捧げるに決まっている。


「自分も大好きです!自分の人生は聖女様だけのために使いたかったので聖騎士になったのです」

「嬉しい!」


 抱き付くとアビスが失神してしまったので寝室に連れ込んだ。

 護衛騎士だから寝室に連れ込んでも護衛中という屁理屈でもヒロイン補正なのか反論もされずに通った。

 一緒にお昼寝とばかりにノビているアビスと共に同じベッドで寝る。

 途中「どわッ!」とアビスが言ったので目が覚めた。

 確認するとアビスはまたもや失神したらしく体の力が抜けて眠っているように見えた。

 なので私は再び腕枕♡でアビスが目覚めるまで待つことにした。


(推しをこんな至近距離で眺められて最高♡)


 起床後は晴れて両想いになっているのでセクハラし放題な私は終始カチコチなアビスの色々なところを見させて、触らせてもらった。

 異性の体への興味は18歳なのだから普通にある、アビスも合意だし私は脱がなかったので服の上からだがアビスも私を思う存分、触ったしキスもしてきたしアビスの好みの下着の色も教えてもらったので私だけが欲望に忠実なわけではないと思う。



 恋を発展させるために頑張る私は翌日、日の出前に聖水汲みを終わらせた。


「アビス、沐浴に行きます。護衛ですので私の側から離れずに同行しなさい」

「はい」


 私はアビスを案内して男子禁制の聖女区域にある森に行った。

 目的地は崖になっていて上から細い滝が流れ落ちている場所だ。

 沐浴を行うための場所は大理石で四角く造られていて水が溜まるようになっている、水は(あふ)れないように地下に流れていく仕組みになっていて浴槽より深くて水深は常に1mくらいあるので沐浴のための階段がある。


「神秘的な場所ですね」

「ここはね、聖女と聖女に認められた者しか入れないんですよ、大神官では無理なんです」

「聖女様にお認めいただけて嬉しいです」

「認められた理由を今、見せますね」


 そう言ってから私は厚めのマントを脱いだ。

 着ているのは沐浴専用の白くて薄い生地のワンピースなのでいつもなら下着着用しているが今日はアビスを誘惑するために何も着ていない、マントを脱ぐとアビスはうっすら透けている胸や下半身に釘付けになっていた。

 アビスは無表情なままだが耳が真っ赤だ、ちゃんと誘惑になっているらしく私は安心だ。


「そのように煽情的(せんじょうてき)な格好で沐浴なさるのなら護衛が必要なのも理解できます。……一つ疑問が、聖女様は今までお一人で沐浴なさっていたのですか?」


 アビスは(こぶし)を握り締めているので頭の中で想像している誰かに嫉妬しているのかもしれない。


「この場所に今まで誰も連れて来たことはありませんよ、それに沐浴は神聖魔法で隠蔽して行っていました。これからはアビスがいるから余計な力を使わなくても大丈夫ですね」


 アビスがホッとした顔をした。

 私だって誰かに沐浴中の姿を見せるつもりはない。

 神ではなく聖女信仰をしている盲信者も存在するし、他国の聖女を誘拐しようと狙う輩もいるので自己防衛は怠らない。

 それに、これから重要なことをしようとしているのだから今だって隠蔽している。


「とても信頼していただけて恐縮です」

「護衛騎士なんだからシッカリ私を見ていて下さいね」


 笑顔でお願いして水の中に入って行く。

 水に濡れて益々、服は透けているし体の線も(あらわ)になっているのだが私はアビスに見せつけるべく狙ってしているのでアビスにガン見されて恍惚としてしまう。


(神様ゴメン、聖女なのに異性に対する欲望(まみ)れで。でも大願(たいがん)成就(じょうじゅ)家内(かない)安全(あんぜん)子孫(しそん)繁栄(はんえい)はいいことだから見逃して)


 沐浴終了で大理石の縁に立つアビスの元に向かい、差し出してくれている手を握る。


「聖女様、聖女様がとても美しく神々(こうごう)しいので自分は今、女神と対峙(たいじ)している気分です」


 アビスは夢の中にいるような表情をしている。


「その女神から愛は与えて欲しくない?」

「与えて欲しいです」


 問いかけると素直に欲望を告白したのでアビスを引き寄せてキスした。

 ディープキスに持ち込み後はウッフン・ラブラブ展開になった。


 アビスと身も心も結ばれたので私は満足だ。


 その後の私は問題もなくアビスとラブラブで過ごしている。

 なんせ私の神聖力は歴代トップに強いので神殿のお偉いさん方も私を逃すまいと聖騎士なアビスと引き裂こうとしない、むしろ私を引き止め要素としてアビスの地位は爆上がりして聖騎士の団長になり、私達は無事に神殿公認の仲になった。



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