第3話「接続、リアルロボ」
次の瞬間。
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一斉に、動いた。
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無駄がない。
合図もない。
それでも“揃っている”。
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一機が前に出る。
二機が左右に展開する。
残りは後方。
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(……連携してる)
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個ではない。
“部隊”だ。
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光の線が走る。
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地面が抉れる。
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建物が揺れる。
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(このままじゃ、持たない)
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視界の端に、“案内”が浮かぶ。
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通路の奥。
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走る。
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扉。
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『操縦室』
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「またかよ……」
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開ける。
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中央に、シート。
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座る。
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■接続
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世界が、反転する。
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視界が開く。
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外が、そのまま流れ込んでくる。
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見ているのではない。
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“認識している”。
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数値が流れ込む。
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理解しようとする前に、“分かる”。
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(重い……)
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思考が機体に伝わる。
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だが、遅い。
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ワンテンポ遅れて、腕が動く。
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そのとき。
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“自分の姿”が見える。
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白い装甲。
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胸部に濃い色のブロック。
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わずかな赤。
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頭部には、二本の突起。
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アンテナのように伸びている。
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(……なんだよ、これ)
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見覚えがある。
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ありすぎる。
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子どもの頃、何度も見た“あの形”。
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だが。
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(……違う)
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重い。
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遅い。
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思った通りに動かない。
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“ヒーロー”じゃない。
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“兵器”だ。
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敵が踏み込んでくる。
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速い。
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一機が接近。
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腕が振り下ろされる。
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間に合わない。
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衝撃。
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装甲が軋む。
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押し込まれる。
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(クソ……!)
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右腕に、違和感。
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細長い形が生まれる。
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狙う。
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遅い。
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撃つ。
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光の線。
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外れる。
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敵が踏み込む。
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距離ゼロ。
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終わる。
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その瞬間。
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左腕に光が集まる。
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揺れる。
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定まらない。
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(決めろ……!)
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意識を集中する。
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刃が、定まる。
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発光している剣。
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振り抜く。
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当たる。
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だが――浅い。
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装甲が削れるだけ。
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五機。
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崩れない。
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包囲が狭まる。
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(勝てるのか……これ)
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答えは出ない。
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だが。
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逃げ場もない。
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「……やるしかないか」
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ビッグサイロが、不格好に構える。
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未完成の姿勢。
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それでも。
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戦うしかなかった。
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続く。




