第13話「観測、欠落」
静かだった。
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防衛庁地下管制室。
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壁一面のモニター。
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並ぶ波形。
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通信ログ。
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脳波同期率。
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どれも正常。
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正常のはずだった。
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「……消えてるな」
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低い声が落ちる。
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チーフは端末を見下ろしたまま動かない。
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さっきまで存在していたはずのデータ。
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戦闘記録。
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音響ログ。
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映像。
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観客脳波。
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全部、“途中から”消えている。
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「保存系統Bも欠落しています」
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若い分析官が報告する。
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「バックアップ側も同様です」
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「物理サーバー側は?」
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「異常ありません」
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沈黙。
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チーフは目を閉じる。
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異常がない。
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それが異常だった。
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「……またか」
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小さく呟く。
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これで四件目。
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最初は昭和スーパーロボット展。
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次がリアルロボ展示。
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その次が、恋愛ゲーム体験イベント。
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そして今回。
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2.5次元ライブイベント。
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ジャンルに統一性はない。
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客層も違う。
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年齢層も違う。
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なのに。
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“構造”だけが繋がっている。
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チーフは画面を切り替える。
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映像解析。
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地上エリア。
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ノイズ。
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フレーム飛び。
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歪み。
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まともな映像は一秒も存在しない。
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だが。
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そのノイズの隙間に、“何か”が映っている。
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巨大な人型。
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白。
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いや、違う。
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フレームごとに形状が違う。
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頭部構造。
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肩部装甲。
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輪郭。
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見るたびに違う。
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「……解析不能、か」
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AI判定結果。
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【対象定義不可】
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【一致率:0.3%】
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【既存兵器データとの一致なし】
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「当たり前だ」
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チーフは吐き捨てる。
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既存兵器なら、こんな現象にはならない。
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隣の席で、分析官が恐る恐る口を開く。
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「ですが……今回の対象、“前回との類似性”があります」
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「どこだ」
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「構造生成パターンです」
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比較図が並ぶ。
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昭和型。
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リアルロボ型。
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恋愛バグ型。
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ライブ型。
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まったく違う。
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なのに。
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“残っている”。
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「骨格生成順序が一致しています」
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「攻撃演出にも流用痕があります」
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「特に恋愛ゲームイベント以降、汚染率が急上昇しています」
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チーフの視線が止まる。
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恋愛ゲーム体験イベント。
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あの時から、明らかに変わった。
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“選択肢”が出現した。
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戦闘中に。
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【受け入れる】
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【拒否する】
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【選ばない】
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観測ログには確かに残っていた。
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兵器システムとして、あり得ない構造。
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「選択肢出現以降、ILS波形に変化があります」
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分析官が続ける。
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「システム側が学習しているような……」
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「違う」
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チーフが低く遮る。
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「学習じゃない」
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短い沈黙。
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チーフはモニターを見たまま呟く。
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「……浸食だ」
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誰も言葉を返せない。
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画面が切り替わる。
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観客脳波ログ。
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本来なら秘匿領域。
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ILS実験データ。
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イベント会場全域に設置された観測センサー。
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そのグラフが異常だった。
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「同期率……89%?」
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分析官の声が震える。
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通常の集団同期率は十数%。
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ライブ会場でも三十を超えない。
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だが今回。
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地下シェルター内の観客たちが、一瞬だけ完全同期している。
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まるで。
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“同じものを見ていた”ように。
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「……搭乗者以外もリンクしたのか」
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チーフの眉間が深くなる。
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そこまで行けば、もう実験ではない。
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事故でもない。
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“現象”だ。
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そのとき。
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通信が入る。
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『委員会からです』
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空気が変わる。
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部屋の温度が、少しだけ下がる。
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チーフは受話器を取る。
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「……こちら管制室」
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短い沈黙。
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そして。
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『ILS200年計画について、国外流出の可能性があります』
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チーフの視線が止まる。
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『SNS上で複数の映像断片が拡散中です』
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『海外メディアも反応を始めています』
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『政府上層部は、情報統制強化を決定しました』
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無機質な声。
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感情はない。
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だが、その言葉だけで十分だった。
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“外”に漏れ始めている。
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チーフは静かに目を閉じる。
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二百年後。
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人口減少。
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兵士不足。
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誰でも兵器運用可能にするための計画。
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ILS200年計画。
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そのはずだった。
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だが。
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今、自分たちが扱っているものは、本当に“兵器”なのか。
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チーフはゆっくりとモニターを見る。
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ノイズの中。
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巨大な白い影。
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見るたびに形が違う。
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それでも確かに。
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“こちら側”に立っている。
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「……お前は、何なんだ」
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答えるものはいない。
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だが。
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画面が一瞬だけ乱れる。
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ノイズの奥。
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ほんの一瞬。
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巨大な人型が、こちらを見た気がした。
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続く。




