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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
二話:フォレスセント族とセレスタイト
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翌日の昼には俺は行動に移していた。

探すチャンスは昼しかない。今、この民宿に純花がいなかった。

朝はバイトが忙しすぎてチャンスすらない。急に入ればもちろん不審がられる。


調べないといけない、本当にゲーム内での出来事が正しいのかを。

ならばいなくなって違和感がない昼休みに突入。そして突入の時を迎えた。

純花が買い出しに行くのは街中……かなり遠い、往復三時間以上はかかる。

山を越え、崖を越えて、俺たちが来た駅に向かっていた。


(どうしても掴まないといけないんだ。ならば手段は選べない。

純花の部屋に行けば……絶対に養子のヒントがあるかもしれない)

意を決っして俺は純花のドアの前に立っていた。そのままドアノブに手をかけた。


女の子らしい部屋で、机とベッド。

それから壁一面に、花の標本がいくつも飾られた部屋。

だけどそんな女の子らしい部屋で、俺はとんでもない出会いをしてしまった。


「あっ……」

先客がいたのだ、しかも三十代風のサラリーマン。

サラリーマン風の若い男は、よく見ると口髭を携えていた。

フォレスセント族の貴族の男に顔が似ていたから驚きだ。


「フォレスセント族!」思わず叫んだ。

「はあ?何を言っている?お前は泥棒か」

険しい顔で汗をかきながら背広姿の男は、俺の方に詰め寄ってきた。


「いえ、俺はここのバイトです。あなたこそ何しているんですか?

ここは従業員以外立ち入り禁止ですよ」

「私の娘に会いに来た」

「何を言っているんだ、純花には純花パパがいるんだ。

この民宿を一生懸命切り盛りしているパパがいるんだぞ」

「違う私は……」

「あなたはもしかして純花の本当の父親ですか?」

なんとなくゲーム内でのイベントを言うと、背広の男は頷いてきた。

目を細めて俺の方をじっと見て聞いた。


「ほう、私のことを知っている。じゃあ君は純花の知り合いなんだな」

「知り合いというか、一応彼氏です……」

口にしては照れてしまう俺がいた。するとサラリーマン風の男は逆に笑っていた。


「はっはっは、そうか、純花は元気でやっているんだな。彼氏もできて立派に恋愛をしているんだな。

申し遅れた、僕は『森本 卓』外資系の会社員をしている」

「会社員ですか、なんで純花のことを養子に出したんですか?」

「生まれてくるのが純花は早すぎた」

いきなり森本さんは真顔で言ってきた。


「早産ってことですか?」

「いや、若かった……僕たちには育てる経済力がなかった。

純花が生まれたのって、僕たちがまだ高校生と大学生だったからね。

丁度僕が今の君ぐらいの時に、子供ができちゃって……妻がどうしても生みたくてね」

「なんですか、それ?」

「いやぁ、気持ちよかったよ、若かったから。ただ快楽でしか子供を産めなかった。

でも子供をいざ生んでしまって、僕たちは彼女を育てる経済力がなかった……そこで」

「ここに預けたんですか?」

「ええ、奈月温泉郷に来たんです。

奈月温泉郷で子宝に恵まれない老夫婦がいて、僕たちは養子に出したんです」

「そうですか……」

全てが納得できた、セレスタイトのイベントもつながった。

だけど、もう一つ気になることがある。


「純花とはちゃんと会ったのですか?」

「いえ、そのことで純平荘に久しぶりに一週間泊まることにしたんだ。

けじめもつけないといけないから」

だけど、俺はその瞬間一人の人間の気配を背後に感じた。

殺気と言ってもいい張りつめた空気が、俺の背中にはっきりと感じた。


「なんでミツノマルに言うのよ!最低」

それは俺よりも驚いた表情を見せた森本さん。

俺の背中には出かけたはずの純花がいた。怒っているよりも悲しそうだ。

顔を強張らせて、今にも泣きだしそうなその顔はセレスタイトと重なった。


「純花……ごめん」

「光輝にだけには、絶対に知られたくなかったのに!」

「おい!純花」

だけど純花はそのまま泣き出しながら走りだしていた。

そのまま俺は血相を変えて純花を追いかけていた。

その時の純花は、セレスタイトと全く同じ逃げ方をしていたのだから。


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