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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
十二話:ジュエルクイーンとロードライト
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この部屋にはかつて一人の主がいた。

だけどその主はいなくなった、それと同時に純花が目の前で苦しみだす。

湯神子はこの世界から消滅したので、ゲームをしていない純花が苦しみだした。

だけど純花はまたも耐えた、湯神子のことを最後まで忘れなかったから。


残った俺と純花は、二人きりの部屋で不思議な気持ちになっていた。

静かな空気が漂い、俺は疲れた様子で足を崩した。


「終わったの?」

「終わった」

俺はDSPを見たまま固まっていた。

湯神子に勝てば、湯神子が消える。それは戸破が言っていたことだ。

分かっていたのにそれでも俺は悔しかったし、泣いていた。

俺の目からあふれる涙は、それを物語っていた。


「ねえ、あたしの前にいる小人がいるんだけど」

「そう……俺には見えないけど?」

俺には全く見えないけれど、きっと純花にだけ見えるんだろう。3Dのドワ太が。

それでもゲーム画面を見ると、セレスタイトが四人のドワ太に囲まれていた。

まるで白雪姫の小人のごとく。


「新女王様、セレスタイト。これより戴冠式を行う」

そこには何色もの三角帽子をつけたドワ太が集まっていた。

ドワ太以外にも、ゲームに出てきた教師陣が総登場。


「どうしても女王にならないといけないの?」

だけどセレスタイトは、困惑しているようだ。

これは純花の心の中なのか、いや純花そのままだ。


「女王候補をすべて倒したあなたが……」

「いやよ、あたし女王になんかならないわ」

完全に見た目通りの純花だ。ゲームの中に映ったのは純花でセレスタイトではない。

いや違うな、二人とも同一人物たのだから。


「だが、あなたは指輪をつけた段階でこちら側の世界とあちら側の世界の人間どちらかを選ぶしかない」

「ミツノマルが勝手にやったんでしょ、なんか言いなさい」

そう言いながらすごい剣幕でセレスタイト(純花)が近づいてきた。

ゲーム画面でDSPがバイブで揺れた。こんな機能、あったっけ。


「全部ミツノマルのせいよ、一発殴らせなさいよ。

あたしの知らないところで勝手に決めて!」

「ごめん」

「でも、あたしは覚悟を決めているわ」

ドレス姿のセレスタイトは、既にドワ太に顔を向けていた。

その顔はいつも通りにし陰険な顔を見せていた。


「あたしは女王になるから。さっさと案内しなさい!」

「純花……」

「大丈夫よ、あたしはミツノマルの彼氏よ」

「そこまでしなくても……」

「そこまでする価値があるわ、ミツノマルは。

あたしを助けてくれた、ミツノマルはあたしの二人目の白馬の王子様ね」

セレスタイトは笑顔を見せていた、なんでこんなにセレスタイトは笑えるんだ。


「なあ、分かっているのか?」

「決まっていたんでしょ、仕方ないじゃない。でも……大丈夫」

「大丈夫じゃ……」

「大丈夫よ、あたしは」

そう言いながら俺の体にぬくもりがあった、はっきりと感じた。

そこには確かに純花がいた。

純花が俺のことを両手で抱きしめていた。


「純花……」

「あたしは怖くないよ……むしろ楽しかった。ミツノマル……あたしは帰ってくるから」

「できるわけない……佳乃だって」

「大丈夫、あたしは約束を破らないわ」

そう言いながらリアルの純花の頭には冠が乗せられていた。

純花はもう、女王になっていたのだ。

俺の手の届かない人になった瞬間だった。


そんな純花は徐々に俺から離れていく。

純花のそばには何も見えないい、俺の大臣としての役目は終わったから。

だけど、俺が持っているDSPでははっきりと見えた。


セレスタイトがドワ太に連れられて奥へと消えていくのが見えた。

DSPの画面が真っ白な光が覆っていく。

そして画面が真っ白になった瞬間に、セレスタイトはもういなくなった。

それと同時に、純花もこの部屋……この世界から姿を消した。

俺は最後までこの部屋に一人残っていた。


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