ラビットさんのオカルトラジオ 4
「で、私のトコに来たってわけ?」
「はい!隠先輩!」
雨音はあの後、俺を二年生の教室まで連れてきた。この人、隠静先輩はその綺麗な黒髪と色っぽい目元から学校のマドンナになってもおかしくないのに、オカルト研究会に入っていたり性格がきつかったりと、個性が強すぎて少し浮いている人だった。まあ、あまり良くない意味で有名人だ。だが、雨音はこの人と仲が良いらしく、よく一緒に弁当を食べているところを見かける。そんな隠先輩を見て、後輩には優しいと勘違いした奴らが告白をして、ツンドラの如き冷たさでけちょんけちょんにされたという伝説もある。たぶん実話だろう。
「ラビットさんのオカルトラジオ」
「へ?」
「そのラジオを聴きながらこっくりさんをすると、前世の自分の名前が分かるって遊びが今この学園で流行っている。それ関連で今オカルト研究会は創部以来の賑わいなのよね」
「それと今回の件と何か関係が!?」
「さあ?」
「ええ!!」
「私だって何でもかんでもわかるわけじゃないわよ。ただ、今まで何ともなかったのに急に昨日化け物らしき生き物に遭遇したのなら、ここ最近に学園で起こっている怪談を試すのがいいんじゃない?勘だけど」
「勘って」
うなだれた俺を隠先輩は冷たい目で見降ろす。
「はあ?先輩が親身に相談に乗ってあげているのに何?その態度は。だいたい、雨音の頼みだから話してあげているの。初めからあんたになんて話し掛けてない」
「ごめんなさい!隠先輩!トオルン、私が見えるって知って動揺しているみたい。朝からありがとうございました、試してみますね!」
「……ごめんなさい、先輩は何も悪くないしむしろ助けてくれているのに。先輩ありがとうございました」
頭を下げた俺に先輩は目を瞬いた。
「まあ、分かったならいいわ」
「……また相談したいことがあったら、オカルト研究会に来なさい。西校舎の三階の一番端の空き教室で、放課後はいつもやっているからさ」
そう言った先輩の目はさっきよりも心なしか優しい気がした。




