とりかえばや 3
あの後昼休みが終わるチャイムが鳴って俺たちは慌てて教室に帰った。雨音は教室につく頃には泣いていたのなんて嘘かのように、いつもの雨音だった。隠先輩は、確かめたいことがあると、放課後にオカルト研究会に顔を出すように言い残して去って行った。
無事に授業が終わり、俺は雨音と一緒にオカルト研究会に向かうために、廊下を歩く。
「オカルト研究会って先輩以外に部員いないのか?」
「確かに会ったことないなあ。自習室空いていないときとか、先輩とお茶するのに部室使わしてもらっているけど、先輩しかいつもいないね」
「お前、そんなに入り浸ってたのかよ」
「先輩のこと大好きなんだ、昼もあんなこと言っちゃったのに優しかったし」
「へえ、あんなことって?」
聞こえるはずのない声に、体が強張る。後ろを振り向くと、そこには卯月がいた。
「な、ふ、不法侵入だぞ!」
「OBだよー、俺。抜け道くらい知ってるよ。もう一回手を貸してほしくて、来ちゃった」
「私たち、用事があるんです。それを済ましてからではだめなんですか」
「そうよ、不審者さん!」
隠先輩の声が聞こえたと思ったときには、卯月の足元に弓矢が刺さっている。弓矢???
「私のカワイイ後輩、いじめないでくれる?背先輩」
そうかっこよく言い切った隠先輩の手には、次の矢を番えた、淡く紫色に光る弓矢が握られていた。




