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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
3章高校3年生 見えない厄災編
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33話 助けて

次の日から、これといった事は無かった。

弟とも話をしたけど、結局気のせいで結論付けたのだ。それが一番楽な方法だったからである。


学校生活も支障が無い。

そうすればいつの間にか、気にしなくもなる。


僕はすっかり忘れていたのだ。





生徒会の仕事が忙しく、かなり疲れた。

肉体的な仕事と、精神的な仕事の両方でだ。


生徒会のメンバーは、僕を除けば全員女の子。たから、余計に気を使う。壊れモノを扱う様に、僕は慎重にならざるを得ない。


燐火が居てくれて助かる。

僕の失敗をサポートしてくれるからだ。時々、キツイ発言でショックを受ける事があるらしい。それを燐火が上手く解決してくれるのだ。


それとなくありがとうと伝えると、にししと笑う。


「まぁ、奏介の彼女ですから!」


改めて言われると、ドキっとしてしまうのだ。

あれから僕と燐火は付き合っている。彼氏彼女の関係だ。まだキスまでしか進んでいないが、焦っても仕方がない。ゆっくりと進んでいけばいいと思う。


「寺師羽根君、少しいいかしら?」


伊集院さんに呼び止められた。

生徒会室で、話をする。


「最近、何か変わった事はない?」


「うーん。特には」


あっ、と思う。

この間の事を思い出したからだ。でも、もう何も無いから大丈夫。そう考え直した。


「そう」


「何か僕に憑いてますか?」


少し気になるので、聞いてみる。


「何も………特に他意は無いわ」


「そうですか」


部屋を出て、僕は考える。

何かあれば、伊集院さんを頼ろう。そう思った。





燐火と一緒に下校し、分岐で別れる。

まだ明るいけど、もう19時と遅い。日の長さが長くなっている。もう夏なんだと実感するのだ。


7月。

梅雨はまだ明けておらず、バイオ全線がどーとかとアナウンサーが言う。雨雲レーダーは本当に便利だ。天気予報よりも使える。スマホで確認し、明日の天気を考えた。明日は晴れだな。


スマホに充電をコンセントを差し込み、僕は寝る。






フワッ。フワッとする。

体を揺すられている気分だ。そして、それは一気に来た!


「ふぐ!?」


お腹に乗られ、首を絞められる!

肩に両手を置かれ、身動きが取れない!


心臓は握られている!

血液が遅延し、脳へと供給が不足した。


苦しい。息が出来ない!


「……………助けて…………………助けて」


情けない千切れた声を出す。

僕にはこれが精一杯だった。


殺される。

僕は必死に助けてとお願いするのだ。が、手は緩まらない!どんどん締め付けが強くなる!


「…………………………助けて」


人は死ぬ間際、助けをこう。

いつ死んでもいいと、口では言っていた。でも、こう追い詰められると、本当の自分が望んだ声が出る。助けて、と。


死にたくない!

僕はそう願っているからだ。


怖い!目を開けるのが。

でも、開けねば僕を襲っている相手も分からない。このまま死ぬのはゴメンだ。


恐怖を克服し、僕は目を開けた。


そこはいつもの部屋に間違いはない。

でも、この違和感は何だ?部屋には影が無かった。豆電球がついているから、光と影は必ず出来る。


なのに、この部屋には影が無かった。


そして、誰も居ない。


僕は安堵して、そのまま気絶したのだ。

眠ってしまったが、正しいかもしれない。

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