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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
2章高校2年生 守護霊編
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26話 高速道路での攻防

「叔父さんすいません」


「いえいえ、奏介君。気にしないで」


後部座席に燐火と僕は座った。

時計を見ると、もう21時。家に帰るのは23時前後となるだろう。お腹も空いた。


「もう遅いから、高速道路で帰るよ」


「あ、お任せします」


「あたしお腹空いた!お腹と背中がくっついちゃう!」


「燐火は食いしん坊だな」


「奏介!乙女にそういうデリカシーのない事、言わない!」


「何処が乙女何だ!?」


「ははは。インターチェンジで何処かに寄ろう。今日は僕の奢りさ」


「やった♪一番高いの頼んじゃう!」


「はは………足りるかな………」


叔父さんは財布の中身を確認した。

結婚した男の財布は、中身が少ない。小遣いが減らされ、更にそこから、煙草、お酒、ジュースといった経費がかさむ。


一般的なサラリーマンの小遣いは3万円。

多いようで少ない。


例えば、ジュースを日に2本飲むと、200円かかる。それが20日とすると、4000円だ。


煙草も日に1箱とすると、480円。これは毎日吸うから、30日で12240円。


お酒も毎日2本とすると、250円。30日で7500円となる。発泡酒でだ。


小遣いは、もう殆ど残らない。

中間管理職ならば、部下に奢ったりしなくてはならず、財布は常に炎上だ。





高速道路に乗り、暫くして異変が起こる。

燐火が震えているのだ!肩を震わせ、ガタガタと歯の音を鳴らす。両腕を抱え、汗が尋常ではない!


「燐火!大丈夫か!?」


すると、燐火の震えはピタリと止まる!

ゆっくりこちらを見て、ニタリと笑った。


「な!?」


燐火は車の扉を開けた!

飛び降りようとする!それを僕は必死に止めるのだ!扉は全開になり、このままでは落ちて怪我する!いや、怪我するだけでは済まない!後方から来ている車に跳ねられ、死ぬかもしれないのだ!


「燐火!!やめろ!!」


「うひひひひ!!離して!あはははは!」


腕を掴んでいるが、それを振りほどこうとする!ヤバい!手が滑るのだ!もう片方の手で燐火の服を掴む!


「叔父さん!車を止めて下さい!!」


「奏介君!?どうなっているんだ!?」


「早く!ハザードたいて!車を止めて!」


「ダメだ!後方からの車が来る!次のインターチェンジまで!」


「そんな悠長な事言わないで下さい!早く!燐火が飛び降りてしまう!!」


叔父さんはハザードをたき、路肩に止めた。幸い、車を止めるスペースがあった。


が、ここで気を抜く訳にはいかない!

燐火を逃がせば、車に引かれる可能性がある!そして、このガードレールの下に落ちれば、間違いなく死ぬからだ!


「叔父さん!縛るモノありませんか!?何でもいいです!服でもタオルでも!!」


「そ、そんな!?」


「離せ!くそが!」


僕は燐火に抱き付いた!

顔や体を爪で引っ掛かれる!血塗れになりながら、燐火を強引に押さえ付けた!叔父さんがタオルを持って後部座席に来た。


「とりあえず足をくくりつけて!」


「ど、ど、とうすれば、いい!?」


「燐火が車に向かって行ったら、間違いなく引かれて死にますよ!早く!足をくくりつけて!」


「な、な、何で燐火がそんな事を!?」


「説明している暇はありません!娘を殺したいんですか!」


「ひぃ!?わ、分かった」


叔父さんは燐火に蹴られながら、タオルを結ぶ。

でも、そんな簡単にはいかない。燐火が暴れるからだ!僕は足でカニ挟みして、何とか動きを封じる!


「無限大にタオルを巻いて、真ん中に通す!」


「そ、奏介君!?私にはり、理解出来ない!?」


この忙しいのに!叔父さんは使えない!

僕の代わりに燐火を押さえる事は出来るのだろうか?叔父さんには無理そうだ。


「電話して!警察に!」


「け、け、警察!?奏介君!本気か??」


「さっさとしろ!!僕はもう10分も持ちませんよ!!」


「お父さん!助けて!お願い!奏介に襲われてる!!」


「騙されないで!こいつは燐火じゃありません!」


「あわ、あわ!私はどうすれば!?」


僕を振りほどき、燐火は外に飛び出した!

不味い!とりあえずスマホで警察に電話して、燐火を追いかけた!


燐火は走ってくる車に向かう!

ヤバい!ギリギリで燐火を避ける!向こう側のガードレールを登ろうとしているのだ!僕は燐火を捕まえる!


「離せ!犯される!助けて!」


「警察ですか!高速道路です!名賀白インター付近です!助けに来て下さい!」


『どうされましたか!?』


「緊急事態です!高速道路で!名賀白インターの登りです!今直ぐに来て下さい!お願いします!」


「奏介に犯される!警察さん!助けに!お願いします!」


30分後、警察に僕は捕まった。

燐火の叔父さんは、全く役に立たなくて、本当にイライラしたのだ。

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