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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
2章高校2年生 守護霊編
23/36

22話 多重人格

この話は少し短いです。

伊集院さんの家から、出て電車へ向かう。すると、後ろから声を掛けられた。


「手を上げろ?撃つぞ?」


僕はとっさに手を上げた。

そして、後ろを振り向く。そこには燐火が居た。


「にしし♪」


「何故、疑問系たったんだよ。てか、先に帰ったんじゃなかったのか?」


「コンビニでお薬買ったから、もう大丈夫!」


はぁ、こいつは。

まぁ、いいか。と、思っていたら、腕を組まれる。


「一緒に帰ろう?」


「あ、うん」


僕は燐火に翻弄されっぱなしだ。

腕に伝わる柔らかな感触を、僕はバレない様にするのが精一杯だった。





次の日。

伊集院さんからランナーでメッセージが入る。


伊集院〈お昼休み時間作れない?


僕は了解したとメッセージを送る。





昼休みになり、屋上に向かった。

伊集院さんと約束したからだ。燐火には用事があると伝えたが、なかなか納得しない。なので、伊集院さんと会う約束をしたと伝えたら、そう、としか言わなくなる。なので、屋上には僕1人で来た。


「用件は何?」


「日比野さんの事よ」


「燐火の事?もしかして、違和感を感じたと言う事に関係が?」


僕はゴクリと唾を飲んだ。


「日比野さんの家に行ったの。勿論、無断でね。親には許可を貰ったけど。そしたら、部屋に入って驚いたわ」


「………一体、何が?」


「これよ」


伊集院さんは分厚い本を僕に渡した。

そこには黒魔術の本と書かれており、不思議な模様が描かれている。


「これが?」


「日比野さんは、これを使って守護霊交換の儀式を行ったの。貴方が事故になった次の日ね。そして、儀式は成功した」


「え!?」


「いや、成功というより、失敗ね。でも、日比野さんの希望は叶ったという事」


「言ってる意味が解らない」


「日比野さんの一人称は?」


「…………あたし……………あ!!??」


そういえば、私と言ってる時があった!

昨日は自分の事を燐火と言っていたし……。


最初は聞き間違えだと思っていた。

"わ"と"あ"だから。でも、昨日の事で納得する。やはり"あたし"ではなく"私"と言っていたのだ。


「伊集院さん………燐火は普段、自分の事をあたしと言い、昨日までに"私"と"燐火"の2つの発言をしています」


「そう。なら、最低2人の人格が混ざっているわね。かなり厄介よ」


多重人格。

この場合、そういえなくもないだろう。


だが、多重人格は幼い時になる。

虐待が主に。暴力、性的虐待等を受け、それに耐えきれなくなり、自分の中にもう一人の人物を作り出す。そして、その人格が暴力や性的虐待を受けて、自分自身の人格を守ろうとする事により、発生するのだ。


前世の人格。

それも一部では認められついる。が、生まれ変わり等、立証不可能な為、確実な事とは言いにくい。


目安は、10歳まで。

そして、願い。強く願えば、願う程。


人格的形成がしっかりとした16歳での、多重人格はなる要素がない。もし、現実逃避したとしても、人格がそれに耐えきれず、精神崩壊へと進む。精神が壊れた人間は、元にはもう戻れない。


「何とかならないのか?」


「話してみないと解らないわ。でも、それも難しいわ。相手が上手だもの。寺師羽根君、絶対に油断しない事。分かった?」


「肝に命じとく」


キーンコーンカーンコーン。


昼休みの終わりを付けた。

僕はご飯を食べるのを忘れ、お腹を空かせたのだ。

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