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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
1章高校1年生 悪魔編
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1話 クラブ活動

「ねー!ねー!奏介!クラブどうするの?」


「まだ決めてないよ」


「そっかぁ。あたしは陸上の勧誘されてるんだよねぇ。奏介も決めてないなら、一緒にどうかな?」


「陸上かぁ」


僕は運動は苦手な方だ。

燐火(りんか)は僕の幼馴染みで、もう10年も連れ添っている。幼稚園からだから、かなり長い。あ、連れ添っているとは、誤解を招くな。僕は燐火に恋愛感情を抱いてはいない。燐火の方はよく分からないけど。


何でも言い合える、そして気の合う仲なのは間違い無い。でも、それは家族とかの感情であり、妹みたいな奴なのだ。


妹に『好きです!付き合って下さい!』とか言われても困るよね。まぁ、最近のラノベの影響で、そういうのは薄くなっている気がするけど。


「奏介はマネージャーが似合ってたりして!」


「それは断る!」


高校1年生にもなって、男でマネージャーとかあり得んだろ!しかも、燐火の言っているのは、女子陸上のマネージャーを指す。僕をこき使いたいだけじゃないか!そんなの、お・こ・と・わ・り・だ・!


「やはり僕は体育会系よりも文科系だと思うのだよ」


「うーん。それは否定出来ないね」


「じゃあさ!何か面白いクラブあったら教えてね!」


燐火は隣のクラスへと戻って行った。

この普通科の高校は、クラスが5つある。ABCDEで、僕のクラスはD組だ。デー組で、決してダー組ではない。ディー組では?という意見もあるが、そこまで追及する事でも無いだろう。


桜坂高校。

創立75年。進学校として有名だ。先輩方のお陰で、こうして僕達が通える。過去の実績があるからこそ、だ。


学校は坂の上にあり、自転車で立ち漕ぎは不可能と言われている。それくらい勾配がキツイ。だが、過去に2人だけ、達成した人物がいる。伝説の男、堂々 順だ。生徒会長で、現役の三年生。そして、日比野 燐火。僕の幼馴染みである!


この桜坂高校に、自転車競技部が無いのが残念だ。

もし、クラブがあれば、優勝は厳しいかもしれないが、インターハイ出場は狙えたかもしれない。まぁ、そうなれば僕も強制参加させられるだろうけどね。


「燐火の奴、自分でクラブ作ればいいのに」


僕は呟いた。

それを聞き逃さなかったのは、吉野 誠。

隣の席で、僕の友人だ。ラノベの話で、意気投合して友達となる。


「それだと、奏介はマネージャーだな」


「それは困る!つーか、試合出れんだろ。人集まるか分からんし」


「だな。もうクラブは粗方決まってるもんね」


「そういう誠は、どうなんだよ?もう決めたのか?」


「おう!テニス部だ!時代はテニスだよ!西○様みたいに世界で活躍してみせる!」


「高校デビューで無理じゃね?てか、玉拾いしか雑用させて貰えなさそう」


「うぐ!人の夢を壊すな!」


ガラガラガラ!


先生が入って来た。


「よーし!お前ら!席に着け!席に!」



こうして、無駄口を叩かずに済む。

………のは、少しの間だけだった。声は出していない。言葉は沢山だけど。そう、ラインズだ!SNSで、チャットで会話するのが、今の高校生にはスタンダードとなる。授業中、スマホを片手に机の下の空間を利用して、チャットしまくる。


授業中には音を鳴らさない設定にしていた。

見つかれば先生に没収されるからだ。そうなってしまえば、クラスの会話についていけず、その日ハブられている気分となる。


授業中だが、SNSだけやっている訳ではない。

アプリゲームも多数やっている。無料アイテム課金型が主流となり、お金の無い高校生でも遊べるのだ。


モンスターストライキ、パズル&ドラゴンズーン。

授業中だけでなく、昼休みもマルチプレイで賑わっているのだ。


僕はというと、ネットサーフィンである。

お気に入りのサイトへ閲覧しに行き、攻略サイトにも足を運ぶ。ヤッホーニュースも見るのを欠かさない。そういえば、最近妙な噂を聞く。


【取り憑かれ】


このキーワードが、僕にはとっても引っ掛かる事になる。

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