2話 勧誘
僕は放課後、文科系のクラブを回る事にした。勿論、燐火も一緒に来ている。
「おい、燐火。陸上は行かないのか?」
「うん。まだ体験入部期間だしね。それに奏介の入るクラブの方が気になるかな」
「僕と同じ所とかに入部するなよ。燐火は運動神経抜群なんだからな。文科系だったら勿体無い」
「にしし。それはどうかなぁ?」
困った奴だ。
クラスも同じではないのに、休み時間の度に僕の席に来る。お昼もお弁当を持ってきて、だ。誠には、奥さんと呼ばれているし、本当に勘弁してくれ。
みてくれはいいんだよ。
顔も可愛いし、スタイルもいい。頭も賢く、運動センスもある。
あれ?これ誰でも惚れるんじゃね?
あ、僕は幼馴染みで、妹みたいなのだから遠慮するけど。
「あ、ここは将棋、囲碁部だね」
「へー。まとめられて2つのクラブが1つになってるんだ。活動はどうなるんだろう?」
「やあやあやあやあ!君達!入部希望者かい!歓迎するよ!さぁ!入って!」
熱い、暑苦しい人に、無理矢理、中に押し込まれる。
「あの、校内を見学してただけなんですけど」
「そうか!そうか!ならば、好きなだけ見て入部するがよい!」
あー、言っても聞かない人だわ。
関わらずに隙を見て逃げよう。
そう思っていたら、将棋盤を持ってきた。
「では、1局お相手願おうか!」
「え!?僕は将棋した事ないですけど?」
「ならば、ハンデをくれてやるぞ!我輩は歩を3枚と王のみでいい。某は全部揃ってだ」
「はぁ、まぁ、いいですけど」
相手は歩3枚。
こちらは全て揃っているらしい。こんなの勝負になるのか?駒の動きを説明され、ある程度は理解した。
「「宜しくお願いします!」」
僕は舐めていた。
結論を言うと負けたのだ。たった3枚の歩によって、場は崩壊した。あれよあれよと、駒は無くなり丸裸とされる。
「くっ!」
「どうだ?どうだ?将棋、囲碁部に入りたくなっただろ?さぁ!歓迎しようではない───」
「お断りします」
「え!?何故!?」
「僕には向いてません。さぁ、燐火。次回ろう」
「おい!?ちょ!!おま!!??」
燐火の手を引っ張り、僕は部屋を出た。
あのまま相手のペースに乗せられては、間違いなく入部させられていただろう。燐火を巻き込む訳にはいかないしね。
ネットでさっきの対戦方法を調べる。
「くそ!!初心者殺しのやり方じゃねーか!」
「でも、相手の人。強かったね」
「まーな。手も足も出なかったわ」
次は気を付けないと。
校内を探索する。
放送部、文芸部、イラスト部、美術部、パソコン部なんてのもあるのだ。
「後は、生徒会だね」
「それはヤダよ」
「どうして?」
「クラブは幽霊部員にもなれるが、生徒会だと無理だろ。一旦入れば退部不可能だしな」
「それは困るね」
生徒会は自主的に入るクラブだ。
勧誘とかはされていない。どうやって人選しているか謎な所もあるが。
「もうクラブないよ?何処かに決めないと………後は1つだけ方法があるけど」
「ん?何さ?」
「自分でクラブを作る!」
「あー、それこそ面倒だわ。それなら生徒会に入る方がマシ。あ!?」
生徒会室の扉が開く。
うわ、失言したわ。聞かれてたらどうしよう?
「ははは!それならば生徒会に入るかい?」
そこには堂々 順先輩が居た。




