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第9話:王国防衛戦・その2

太陽の光が、召喚された者たちのシルエットを逆光で浮かび上がらせる。

四体は横一列になって歩み寄り、ついに困惑するダークエルフたちの目の前へと姿を現した。シャドウキスの視線が、四体を順番になぞっていく。


「なによあれ、今まで見た中で一番ブサイクな人間じゃない!」

若き女エルフは、醜い外見を目にすること自体が罪とでも言うかのように、両手で顔を覆いながら叫んだ。


左から右へ順番に見ていこう。石斧を持ったひょろひょろのスケルトン。一本眉でおでこが出っ張り、粗末な毛皮を纏った人間の男。長い鼻をしてふんどし一丁のゴブリン――驚くべきことに、こいつがグループ内で一番まともに見える。そして一番右端には、自分の翼の下をガジガジと噛んでいる毛のないネズミのような生き物(インプ)がいた。


«なんだこいつらは!?»


ジンボもまた、ダークエルフたちと同じくらい困惑していた。いきなり世界最強の怪物を召喚できるとは思っていなかったが、これは……。


«いくらなんでもショボすぎるだろ!»


この召喚獣たち四体全員の脳みそを足し合わせても、ニューロンが二十個に届くかどうか怪しいものだ。人間は大柄で筋肉質に見えるものの、その焦点の合わない瞳には揺るぎないアホっぽさが漂っており、頭蓋骨の中身が空っぽなのではないかと思わせる。


«少なくとも、スケルトンが一番まともそうに見えるな……»


ジンボがそう呟いたのと同時に、アンデッドが一歩前へと踏み出した。まるで父親と少女を救い出すような、何か役に立つ行動を起こそうとしているかに見えた。だが、スケルトンはそのまま片膝をつき、顎をカクンと開くと、サラサラと崩れてただの灰の山へと変わってしまった。


«はあ……?»


『ヒント:低レベルのアンデッドは太陽光に対して極めて脆弱です』


«そういうことは先に言えよ!»


ジンボがエーテルでできた髪の毛をむしり取らんばかりに頭を抱えている間、シャドウキスは兵士たちを見やり、片手で原始人を指差した。


「あの気色悪いのが頭に焼き付いて離れなくなる前に、さっさと始末しなさい!」


ダークエルフたちは、殺戮という行為そのものを楽しむかのように、笑みを浮かべながら前進した。


«こうなったら、せめて元は取ってやるぞ»


マウスやキーボードを使って指示を出すパソコンとは違い、ここではジムが頭で考えるだけで即座に命令が実行される。


«全員、総攻撃だ!»


まるで召喚獣たちの頭の中にあるスイッチを押したかのように、残る三体は穏やかな状態から一転して激しい敵意を剥き出しにし、エルフたちへと飛びかかった。


原始的なインプは、空中で槍の穂先に串刺しにされた。ゴブリンは二人目の兵士の斬撃によって腰から真っ二つに両断される。三人目のエルフは、これで確実に仕留められると確信して、プレニルニウムの剣を原始人の腹へと深く突き刺した。だが、この原始バージョンの人間は、予想を遥かに超えるタフさを見せつけた。


腹に剣が突き刺さったままの状態で、原始人はエルフの頭を鷲掴みにし、強烈な頭突きを食らわせたのだ。ゴキッ、と何かが砕ける音が響く。エルフは鼻をへし折られて血を噴き出しながら、仰向けに倒れ込んだ。人間は歯を食いしばり、瞳に獣のような怒りの炎を宿したまま、プレニルニウムの剣の刃を素手で掴んで自分の腹から引き抜くと、そのまま槍兵へと飛びかかった。


槍兵は振り下ろされた斬撃を槍の柄で受け止めた。その一撃の威力は凄まじく、金属同士がぶつかって激しい火花が散る。原始人はまるで棍棒でも振り回すかのように、奪った剣をデタラメに叩きつけ続けた。斬撃を受け止めるたびに槍兵は一歩ずつ後退し、その美しい顔はみるみるうちに汗みどろになっていく。獣のように暴れ回る人間を前に、どう対処していいか分からなくなっていたのだ。


その時、軽い身のこなしの影が、原始人の両肩の上にひらりと腰を下ろした。両手にプレニルニウムの短剣を握ったシャドウキスが、舌なめずりをして二本の刃を閃かせる。鋭い刃は、肉と骨をまるでバターのように容易く切り裂いた。


バラバラになった原始人の頭部が地面に転がり落ち、続いて巨体が崩れ落ちる。シャドウキスは死体から飛び降りて一歩下がり、数秒間それを見下ろした後、脇腹を軽く蹴飛ばした。若き女エルフの視線が槍兵へと向けられる。槍兵は戦いの決着のつき方に不満があるのか、悔しそうに眉をひそめていた。


「すべて私の制御下にありましたのに……」

槍兵は傷ついたプライドを滲ませながら言った。


「いいえ、私の制御下にあったのよ」

シャドウキスは嘲るような口調で言い切った。指先でプレニルニウムの短剣をくるくると回してから、ベルトの鞘へと収める。彼女が振り返ると、兵士の一人が鼻を折られたエルフに肩を貸して助け起こしているのが見えた。普段なら、そのような同情や弱さの表れを笑い飛ばしているところだったが、今の彼女は先ほどの奇妙な出来事について考え続けていた。


あいつら四体はどこから現れ、なぜ一緒にいたのか? あの人間は普通ではなかったし、インプも普段目にする個体よりずっと野蛮に見えた。どこかの見世物小屋のフリークス(奇形)だったのだろうか? あり得る話だが、それだけではアンデッドが一緒にいた説明がつかない。


「……あっ、しまった!」

シャドウキスは大事な連中の存在を忘れていたことに気づいて目を大きく見開いた。慌てて振り返った時には、すでに父親と少女の姿はどこにもなかった。


近くの薄暗い路地裏では、壁が落とす影によって太陽の光から守られた二体目のアンデッドが、気絶した父親を隅にそっと横たえていた。スケルトンの後ろからついてきた少女は、すぐに父親の隣に膝をつき、無事かどうかを確かめる。若い農民の娘はスケルトンを見上げ、ゴクリと唾を飲み込んだ。


「い、いろいろと、ありがとう……」

少女は声を震わせながら礼を言った。生者が死者に対して抱く本能的な恐怖を、必死に押し殺している。だが、これまでの出来事を経た今、彼女にとってはスケルトンよりもダークエルフの方が遥かに恐ろしい存在だった。


アンデッドは何も答えず、ただ無言で路地裏から後ずさりして大通りへと出ると、太陽の光を浴びてサラサラと塵へと還っていった。こうして、ダンジョンコアから下された最後の命令は完遂されたのである。


『通知:すべてのユニットが消滅しました』


あの十代らしき女エルフが原始人を処刑しようと構えた瞬間、ジムは自分の今の召喚獣では敵の精鋭ユニットには到底太刀打ちできないと悟っていた。それに、戦場の血生臭い光景に対する強い嫌悪感がまだ残っていたため、あの男が殺される瞬間を見ないようにと視点を逸らしていたのだ。


«すべてのユニットが消滅しました、か……»


ジムは視界の端に表示されたメッセージを、自分自身に言い聞かせるように繰り返した。


«なんか、感覚が違うな……»


ビデオゲームにおいて、量産型の汎用ユニットを失うのはごく自然なことであり、避けられないことでもある。だが今、このファンタジー世界においては、自分が召喚したユニットたちが、親から生まれて育てられた命とほぼ同じだけの重みを持っているように感じられ、ジムのエーテルの喉元に奇妙なつかえを生じさせていた。


«いや、気にするな……»


彼はあまり深く考えすぎないことにした。

視点を離れさせるついでに、路地裏にスケルトンをもう一体召喚し、日陰に留まっていれば蒸発せずに済むかどうかを試してみた。実験は成功し、ジムはそのアンデッドに父親と少女を救出させた後、消滅するよう命じたのだった。


ジンボは再び外壁の縁から外を覗き込んだ。敵の騎兵隊が到達するまで、あと二分。託されたこの王国が滅びるまで、残り百二十秒だ。


«攻撃するのが最適解じゃないなら、次は……»


彼は素早く『建築』のセクションへと移動し、『修復』のオプションがあることを確認してニヤリと片頬を上げた。しかし、いざ城壁を修復しようとした瞬間、彼の浮かぶシステムは無情にもそれを拒絶した。


『通知:構造物がダンジョンコアの「時代(エイジ)」と一致しません』


時代? どういう意味だ? ジンボが大声で文句を言おうとしたまさにその時、新たなメッセージが浮かび上がった。


『通知:構造物をあなたの「時代」に合わせたものへと置き換えますか?』

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