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隠密ジョブのメレンゲレンジ  作者: タ別


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第八話『熟練度』




 岳灰の農場跡を5分も歩くと装備をPKerに奪われかける。

 私たちは廃村の井戸に逃げ延びて、命からがら願いの大地に戻ってきた。ゴボーラを謀殺して盗賊3人を退治していなかったら諦めていたよ。経験値にならなかったことだけが悔いだよね。


「雨が降ってきた」


「本当だ! 願いの大地に降ることは殆どないのに!」


 天気が変わって牧草も嬉しそうだ。

 本日のノルマはシャフト100キロとホーンラビット50匹の討伐。

 レイキーアの製作する装備には素材の持ち味が現れる。もしかすると、ホーンラビットの毛皮では全種族対応の装備が作れるかもしれない。


 大自然族専用だと装備が見えてしまう。

 透明人間が装備を纏っていると恰好の的になるんだ。


「スキルの扱いやすさは断然違うんだよ。ただね……」


「「ギャギャギャギャッ!」」


「ゴブリンが寄ってくるの何とかならない!?」


 ランプウルフと戦うよりはマシだけどゴブリンだって強敵だ。

 MPが回復するまでシャフトで逃げ回って、【パンチャーバレット】2発で1匹ずつ仕留める。防御されたり直撃を避けられると一巻の終わり。手痛い反撃が待っている。


 【パンチャーバレット】の射程距離は2メートルで、シャフト移動による威力補正があってダメージを見込める。

 すれ違い様の攻防をゴブリン相手に繰り広げる。

 ゴブリンが数匹で群れていると、私は装備変更して放牧地に紛れる。4匹以上は厳しい戦いだよ。

 ドロップアイテムは嵩張るものの、経験値がいいのは救いだろうか? レベル1だけど。


「ふぅ、倒した倒した」


「カシー! 僕はレベル13に上がったよ!」


「レベルアップ! 良かったね!」


 ジャックはレベル13に上がった! ランプウルフを討伐せしめてから3日ぶりかな? 最下位種族は難儀するよ。とにかくレベルが上がらない!!


「ゴブリンの皮にゴブリンの腰布……3日で結構倒したよね~」


「いっぱい倒したよ!」


「ホーンラビット50匹は夢のまた夢だったよ。【パンチャーバレット】の威力は上がったんだけど」


 魔法やスキルには熟練度がある。

 熟練度が100に達すると数値化されるシステムで、それまでは使い続けるしかないのが『JCO』だ。

 レベルの他に魔法やスキルの所持数を参照として熟練度の最大値は1000。

 序盤の強スキルが必ずしも終盤まで使えるとは限らないし、地雷スキルが熟練度を上げると強くなる場合もあるはず。シャフトは地雷スキルの1つだった。


 『JCO』のスキル情報はかなり出回っている。

 その反面、魔法は秘匿されるみたいだ。

 スキルと違って自然習得しないし、NPCから秘密主義とは真の言葉。


「おおっ? いつの間にか熟練度が見えるようになった!」


 ジャックのステータスを確認するついでに自分のステータスを見てみると熟練度が現れていた。




 -----


魔法 【パンチャーバレット】   熟練度 102/1000

    消費MP 10


 -----




 -----


スキル シャフト   熟練度 157/10000

     消費SP 5


 -----




 ほほ~、こうなるんだ……んっ? シャフトの熟練度は桁がおかしくない?


「パーティーメンバーの熟練度までは分からないから比べようがないよ」


「熟練度って?」


 ジャックの反応は芳しくない。

 ジャックはヘルプじゃないし、熟練度とは無縁の立ち位置。だからこそ見えてくる。


「シャフトに限ると移動距離と熟練度は比例する。万シャフトで熟練度が上がりにくくなるのはおかしいよね。ジャックは絶対に万シャフトだよ。移動距離600キロで熟練度150が目安になるかな?」


「難しいね!」 


 移動距離は熟練度の4倍……やっぱりジャックの存在は最大のヒントだ。


「よし! ジャックをレベル50にしよう!」


 シャフト1000キロはないものと信じる! 熟練度のことは理解したしチュートリアルはいらないよね!?






 チュートリアル12日目。

 私は毎日100キロも走り続けて、万シャフト計算方式を確立した。

 そしてついにこの日がやってきた。




『チュートリアルクエスト「シャフト500キロ」をクリアしました』


『アイテム「ジャック・ザ・コイン」を獲得しました』


『カシーはレベル15からレベル16に上がりました』


『チュートリアルクエスト「シャフト1000キロ」を開始しますか?』




 …………この分からず屋のうどん屋が!!!


「よーーーく分かったよ……熟練度は一気に50貰えるんだね。受けるしかないんだけどさ」


 万シャフト計算方式は一瞬にして崩れ去った。

 熟練度の上昇から距離を割り出せてマッピングに苦労しないと私は前向きだった。

 火が付いていたんだ。

 チュートリアルクエストが終わったら次は何だろうなーと楽しみにしていた。


 クエストクリアで熟練度上昇は正に想定外。

 うん。読みが外れた。

 熟練度を上げやすいクエストがあるんだね? 新たなスキルを獲得したから嬉しいんだよ?




-----


PN:カシー

種族:大自然族

職業:羊飼い

状態:ジャックの加護(小)

レベル:16


HP 3

MP 22

SP 20

筋力 1

敏捷 21

器用 11

耐久 8

知力 12

幸運 10

残存ステータスポイント 1


魔法 【パンチャーバレット】


スキル シャフト

    ブランクダッシュ


    フィニッシュソウル


装備 シャフトラインドレス シャフトラインヘアー シャフトラインブーツ シャフトライングローブ


 -----




 皮肉かい。ゴブリン討伐に何十分とかかる私に対する嫌味なスキルじゃない!?


「フィニッシュソウル……最初からこのスキルがあれば」


 フィニッシュソウルはパッシブスキルだ。

 戦闘開始から時間が経過するほどスキルと魔法にダメージ補正が入る。

 強敵と戦うには必須のスキルと言えよう。強敵……そういえば誰かのことを忘れているような。


「ホッガは元気かなぁ」


「置いてきちゃったよね!」


「うんうん」


 ホッガは見捨てるしかなかった。

 パーティーは組んでいなかったし、PKから逃げ隠れるのに必死だった。

 願いの大地ではプレイヤー大歓迎なんだよ。いざとなればラピスワイバーンに登場して貰う。


「レイキーアにホーンラビットの肉を持っていこうか」


「ピュアリザードはあそこにいるよー!」


 私の心はとうに汚れてしまったんだよ。




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